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あなたは、「特別に」美しい

ひょろひょろのノッポで、常にオーバーサイズの服で自分を隠していたあの頃。街中ですれ違った見知らぬ人に「デカッ!」と嘲笑され、俯いて歩いた猫背な自分を思い出す。

そんな思春期に、彼女たちの姿を見ていたなら。
もう少し胸を張って、自分を嘲笑する人の前で堂々と居られただろうか。

そう思わせてくれたのは、中国のアイドルプロディース番組「青春有你2(Youth with you)」に出てくる女の子たちの存在があった。

この番組に出てくる練習生たちは、日本の「アイドル」の基準では考えられないぐらい、本当に特別だった。

一瞬男の子に見間違えるほどイケメンだったり、一度見たら忘れられないパーマ頭だったり。庇護欲をかき立てるよりも、もはや「守られたい」と思わせるほどの姉御肌キャラも居た。

手っ取り早く御顔をお見せしたほうが分かりやすいと思うので、こちらをどうぞ。

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(お察しの通り、推しの3人です)

彼女たちのスタイルに関して、ネット上で異議を唱える人は少なくない。「アイドルなのにズボンを履いているの?」「アイドルなのに可愛くない」

「アイドルなのに」という言葉は、まるで枕詞のように、呪文のように囁かれる。一般的なアイドル像や、共通認識として持たれている美の基準があるとするならば、彼女たちはそれらに全くそぐわないのだ。

正直に言うと、自分も最初はそこまで惹かれていたわけでなく、珍しい物見たさで番組を見続けていた。「アイドルプロデュース」という番組ジャンル自体がもともと興味の範囲外だったため、もし彼女たちの存在が無ければ、きっと見るきっかけさえ失っていただろう。

しかし、彼女たちは本当に特別だった。

世間が彼らを「アイドルとしてふさわしくない」と分かったように評論する中で、驚異的なパフォーマンスを次々と見せ、実力で周りを圧倒させていった。

何よりも、心の底から湧き出ている彼女たちの自信が、本当にまぶしかった。ネットの言論に傷つき、自分のスタイルに悩みながらも前進する姿を見て、彼女たち自身が美の基準であるとさえ感じた。その美しさは、単に外側の恰好や顔立ちを超えて、内面の善良さやひたむきさを包括していた。

そして特別な彼女たちは、私の思春期の理想像でもあった。

回を重ねるにしたがって、いつのまにか特別な彼女たちに、人との違い、ずれに苦しんできた過去の自分を重ねながら見ていたことに気づいた。

凡庸を取るか、孤独を取るか。

2つの分かれ道を前にして、誰かと違うことにおびえ、時に傷つき悩み、「それでも違っていたい」と開き直った思春期の日々に、もし自信たっぷりな表情でパフォーマンスをする彼女たちの映像が見られたなら。

通りがけに「デカッ!」と言い捨てたあの男性に、心の中で卑下する自分に、堂々とした表情で立ち向かう特別な自分がいただろうか。

答えは分からない。しかし、あの頃から何年も経ち、少しだけ自分を守ることが上手くなった現在の自分でも、こんなに心を強く揺り動かされているのを思うと、なんだか微笑ましくなる。

誰かと違っていたい。でも、似ていたい。傷つきたくない。

もし、そんな感情にがんじがらめにされているのであれば、数年後、もしくはそれよりちょっと長い先の未来から、メッセージを届けたい。

あなたは、特別に美しい。

あなたの人とのズレが、個性が、あなたの美しさの源泉であり、
いずれ人を慈しみ、あなたを強く守る盾になる。

決してその個性を捨てずに、孤独とうまく付き合いながらも、どうかあなただけの美しさを丁寧に、ゆっくりと育て上げてほしい。

いつか、狭い世界を一歩越えたときに、その美しさを理解する人が現れるはずだから。だから最後に、もう一度だけ強調させてほしい。

あなたは、「特別に」美しい。

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