東フィル・第926回オーチャード定期演奏会/ホルスト『惑星』
2019 年 9月22日(日)
渋谷の Bunkamura オーチャードホールで開催された、東京フィルハーモニー交響楽団(東フィル)の「第926回オーチャード定期演奏会」。
指揮は首席指揮者のアンドレア・バッティストーニ。イタリア人でまだ30そこそこ。
第926回オーチャード定期演奏会 | 東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmonic Orchestra 公式サイト
1曲目はヴィヴァルディの『四季』。フルオーケストラじゃなくて、通奏低音と弦楽五部とのヴァイオリン協奏曲。なかなか良かったけど、これがメインじゃないのでサクッといきます(笑)
メインプログラムはグスターヴ・ホルストの『惑星』。
実はこれ、もともと大好きな曲だったんだけど、5月に横浜みなとみらいホールで読売日本交響楽団(読響)のを初めて生で聴いて、あまりに素晴らしくて感動したあとで、偶然この日のプログラムがあるのを知り、チケットを買って楽しみにしていたもの。
で。
その時もなんだけど、第7曲「海王星、神秘なる者」の最後の女声合唱があまりにも美しくて素晴らしいんだよね、これ。
管弦楽を聴きに行って、そのオーケストラを褒めないのもなんなんだけど、もうそこに落涙するほど感動してしまうのだから仕方ない。天から降ってきた声みたい。
今回の合唱は新国立劇場合唱団。でも、ステージには登場しない。カーテンコールで出てきてくれたけど。
どこか遠くで歌ってるの。消え入るように音が始まり、すこしずつ少しずつ消え入る。
レコードやCDで聴いてた時って、そこのよさがそこまではわからなかった。
だから、お気に入りは最初の勇壮な「火星」だったり、弦とチェレスタがめちゃくちゃ美しい2曲目の「金星」だったり、はたまた平原綾香で有名になった4曲目の「木星」だったりしたんだけど、実際に生で聴いてみると、すべてをうっちゃって「海王星」(笑) いや、全部いいんだけどね、これ。あえて言えば、すべてはこの最後の合唱にあって、それを聴くまで我慢するという感じ(………さすがに言い過ぎですww)
ほかの曲のいろんなパートにも言えるんだけど、ホールで聴かないとわからない良さや面白さっていろいろあるんだよね。やはり大好きなベルリオーズの『幻想交響曲』の第3楽章「野の風景」で、ステージにいないオーボエとステージ上のコーラングレ(イングリッシュホルン)のユーモラスな掛け合いなんかもそう。音で遊んでる(笑)
ちなみに僕は、管楽器の中でコーラングレの音が一番好き。聴いてると温かくてホンワカする。ドヴォルザークの『新世界から』でいわゆる「家路」のメロディを吹くので有名な楽器です。
ところで、実は僕は東フィル自体も生では初めて。テレビではしょっちゅうお目にかかってるけどね。なにせ、年の初めに真っ先に聴くのがこのオーケストラだったりするし。テレビ東京で年越しプログラムとして毎年放送される『東急ジルベスターコンサート』を必ず見る(聴く)ので。
で、そのジルベスターコンサートが開催されるのが、今回、これまた初めて行った渋谷の「東急 Bunkamura オーチャードホール」。
例によってビンボー人は一番安い3階席。まぁ、そこの人たちが皆貧乏ってことはないだろうけど(笑)
で、ね、ここがなかなか良かった。みなとみらいの3階席でも何回も見てるんだけど、ここは一番後ろだとステージの一番前が前の席に蹴られてよく見えない。
でも、オーチャードホールはみなとみらいより少し小さいのかなぁ、最後列でもステージが全部バッチリ見える。まぁ、前の人が少し被ったりするけれど。
実は1曲目の「火星、戦争をもたらす者」は名前からも想像できる通り、いきなりオーケストラがフルで強奏する曲で音量がデカい。
オーチャードホールは空間のキャパがそれほど大きくないのか、この曲の場合、2〜3階席脇の壁に反響する音が方向まで明らかにわかるボリュームで聞こえて、ぶっちゃけ、うるさいくらい。
それがステージからの音と混じるので、全体的に濁ってる感じがして、「あれ?、これはみなとみらいの方がいいのかなぁ」と思いながら聴いてた。
しかし、2曲目「金星、平和をもたらす者」で印象は一変。
実に静かで神秘的な弦楽と、幻想的でちょっとユーモラスなチェレスタや、どこまでも美しいハープの音がとてもいい音量でよく聞こえる。
惚れ惚れしながら聴いてました。
そこあたりから完全に満足して聴いてまして、一般的にはメインと言える「木星、喜悦をもたらす者」から堪能して聴いておりました。
バッティストーニは、指揮台で飛び跳ねてるのが印象的で、ちょっと笑えたなぁ。まぁ、いかにも若い指揮者って感じだし、全身で楽しんで指揮をしている感じで、良かったです。
そうそう、このホールはパイプオルガンがないので、今回はステージ上のオルガン。みなとみらい/読響のときはパイプオルガンがど迫力の重低音を聴かせてくれて、それはそれで良かったんだけど、いまさっき書いたように、全体として優れたバランスの音だったので、それがなくても満足度は決して低くなかったです。
惑星の解説記事を見ると、パイプオルガンもそうだし、普通じゃないところに配置しなければならない合唱団もあるので、実演の機会は意外と多くない、なんて書かれてたりするんだけど、そんな曲を短期間に2度聴けてラッキーだったなぁ。
これはもう、どこかでこれをやるなら必ず聴きたいと思うほど。
とにかく、やはりナマのクラシックコンサートはいいわー。
素晴らしいひととき 、ありがとうと言いたいです。
相変わらずだらだらとまとまりのない文章を、長々と読んでくださった方にも感謝します(^O^)
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