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今月の社長コラム(2023年9月)

 今年はなんと残暑が長いことでしょう。もうすぐ秋のお彼岸です。おはぎもいいのですが、新米で炊き込みご飯が美味しいですね。もち米で炊くおこわも大好きです。特に好きなのはお赤飯。今は、発酵発芽玄米を炊ける炊飯器で玄米を炊いています。そして、その中に小豆も入れるので、毎日お赤飯を食べているようなものです。お赤飯の小豆は甘いわけではありませんが、甘いあんこの原料も小豆。大豆ほどタンパク質は豊富ではありませんが、大豆と並んで日本人の伝統食品にはなくてはならないものですね。お彼岸にはおはぎを作って、ご先祖様にお供えしたいと思います。 〈櫻井 晴信〉

オススメ《書籍紹介》
「ちいさな勇気!」

この絵本は実話を元に書かれた ものです。2021年1月26 日、読売新聞に載った記事です。

 難病で視力を失った和歌山市職員の山﨑浩敬(やまざきひろたか)さん(58)が10年以上にわたり、地元の小学生に助けられながらバス通勤を続けている。ある女子児童に声をかけられたのが始まりで、その児童の卒業後も後輩から後輩に「善意のバトン」がつながれてきた。1月、児童たちと再会した山﨑さんは「温かい手で支えてもらうのがうれしかった。不安だった通勤が楽しい時間になった」と笑顔を浮かべ、児童たちも「私たちも毎朝が楽しみになりました」とにこやかに答えた。


《絵本からの抜粋》

 わたしは、目が見えません。若いときに目の病気になってしまったのです。だんだんと目が見えなくなっていき、10年後には、まったく見えなくなってしまいました。
 それでも、仕事をつづける決心をしました。2年間は、家族につきそってもらって仕事場である市役所に通い、そのあと1年、仕事をやすんで、白杖をもって歩く練習をしました。
なにも見えないなか、杖で前をたしかめながら、一歩ずつ一歩ずつ、すすみます。
そしてこの日から、ひとりでバスにのり、通うことにしたのです。
 ある暑い夏の日の朝、月曜日。「もう、ひとりで歩ける、だいじょうぶ」と自分をはげましながら、わたしはバス停に立っていました。
 バスにのって、5つさきの「市役所前」までいく、たったそれだけのことです。
 でも、バスが来たことがわかるのか、ひとりで、のりおりできるのか……。
 ほんとうは不安でいっぱいでした。
ようやくバスにのりこんだときには、ひやあせをかいていました。
 それから毎朝、バス停に立ってバスをまちましたが、集中して耳をすましていないと、バスが来たことに気づかずに、のりそびれてしまったこともありました。
 バスにのってからも、ずっと右手で白杖を、左手でつりかわをにぎりしめていました。
そんなある朝。
「おはようございます」小さいかわいい声がきこえてきました。
「バスがきましたよ」わたしのこしのあたりに、小さな手がそえられたのが、わかりました。「えっ…」白杖をにぎりしめていたわたしの手が、ふわっとゆるみました。……