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【第8回県民意見交換会at白馬インターナショナルスクール】「『私の学び』を実現するためにできること」が実施されました。

2024年5月13日に白馬岩岳マウンテンリゾートにて
第8回信州学び円卓会議県民意見交換会at白馬インターナショナルスクールが実施されました。
本記事では、その概要をお伝えします!

実施概要

実施日程 :令和6年5月13日(月曜日) 13時00分~16時00分
場所 :白馬岩岳マウンテンリゾート 山頂スカイアーク
   (北安曇郡白馬村北城12056)
参加者 :計74名
・長野県知事 阿部 守一(オンライン)
・信州学び円卓会議運営委員会委員4名
・参加者69名(白馬インターナショナルスクール関係者、高校生、教員等)

テーマ :「『私の学び』を実現するためにできること」

■タイムテーブル
13:00~13:25 開会行事・アイスブレイク
13:25~14:00 白馬インターナショナルスクールによる学校紹介
    ・Project Based Learning(PBL)の実践報告
14:00~14:10 休憩
14:10~15:05 インスピレーショントーク①
      インスピレーショントーク②
    ・現行学習指導要領下での子どもたちの自由な学びの実践について
15:05~15:50 オープンスペーステクノロジー(グループワーク)
    ・私の学びを実現するためにできること・したいこと
15:50~16:10 全体共有・宣言タイム
    ・話題提供者よりグループで話したことのまとめを発表
    ・知事や委員から全体を通しての気づきや学びの共有
16:10~16:15 閉会行事

当日の様子は下記youtubeにて公開しております。↓

グループワーク
集合写真
当日の議論に関するグラフィックレコーディング

■意見交換会に共有された主な意見

《「■」はグループで話し合われたテーマ、「●」はテーマ内のディスカッション項目》

入試制度について
変えたい現状/原因/疑問・問い
・今の学校の授業では入試をクリアするために勉強している気がする。
・「先生がやりたい授業」と「生徒が受けたい授業」が一致しないこともあるが、生徒は先生を選べない。それをどうすり合わせるかが重要。
・入試制度が変わらなければ、学校での学びは変わらないのではないか。
・学びへの意欲や物事への好奇心はどうすれば高まるのだろうか。
・私立学校だからできる自由な学びがあるが、今の大学受験に繋がるか不安。

「わたし」ができる・やりたいこと
・校外の人と繋がる機会をさらに頻繁に、密にする。
・与えられた「宿題」をこなすのではなく、興味のあることをもっと探究したい。
・「自由に行動すること」と「ルールを守ること」のバランスをよく考えたい。
・地域住民、先生、子ども、保護者みんなが笑顔で学べる環境を作りたい。
・「探究」というものについてより深く考えてみたい。
・他校の生徒とも同じ課題について一緒に考えてみたい。
・地域と学校が共に課題を解決しようとする仕組みを作りたい。
・入試のための勉強が辛いからどうこうではなく、学びの目的やプロセスを真に価値あるものにすることが重要。

「できる・やりたいこと」を実現するために必要な環境
・学びに必要な設備を充実してほしい(Wi-Fiの強化など)。
・知識を詰め込むだけの授業より、学んだことを他者にアウトプットするような形の授業が良い。
・学校外での行事やイベントを増やしてほしい。
・子ども自身がやりたいことを応援してくれる学校であってほしい。
・自分の興味のあること、学んできたことがもっと認められる入試制度になってほしい。(GPAによる一律の評価でないようなものがいい)

自主学習の在り方について
変えたい現状/原因/疑問・問い
・自習時間=遊ぶ時間ととらえられることがある。
・課題や宿題が多いと、それに時間をとられて自分の学びたいことが学べない。

わたしができる・やりたいこと
・少しでも早く課題を終わらせて自分の学びたいことに時間をとる。
・自主学習に楽しみをつくりたい。
・一人一人のペースにあった自主学習の環境をつくりたい。
・先生の不在時だけを自習時間とするのではなく、週に一回ほど個々で課題を見つけて解決する時間としての「自習時間」を設けても良い。自分の理解を深める機会になる。
・I could gather more outside/unconventional resources for my students.
・I can provide more of my time. So my students can use me as a resource.
・I want to involve the wider community. There are so many people who can speak English. I want my students to see and experience the world in Matsumoto.

「できる・やりたいこと」を実現するために必要な環境
・集中して自分の学びに取り組める場所をつくってほしい。
・自主学習の時間を増やしてほしい。
・わからないことを先生に気軽に聞きに行ける環境を作ってほしい。
・宿題を自分で選べるようにしてほしい。
・課題や宿題は目的を明確に、量を絞ってほしい。
・I want my school to give me more time for one-on-one with my students.
・I want to be unchained from the text books. I want to be able to assign projects to my students in English so they can drive their own leaning.

他校との交流について 
●変えたい現状/原因/疑問・問い

・各学校の時間割がそれぞれ違うので、交流の機会が取りづらい。
・私立学校では自由な学びもできるが、公立学校は学習指導要領もあるので自由な 学びに限界がある。

●わたしができる・やりたいこと
・数日間近隣の学校に留学するなどの取り組みをしたい。
・長期休暇の期間を使ってもっと交流したい。
・全県誰でも参加できるオンライン授業のような時間を作りたい。
・お互いのイベント(文化祭とか発表会等)に参加して交流したい。
・合同授業やワークショップのようなことをしたい。

学校の中にとらわれない学びについて
●変えたい現状/原因/疑問・問い

・今は知識を得ることや学ぶことのメリットを感じられない子供も多いが、どうすれば伝えられるのかが難しい。
・地域の強みを活かし、社会との繋がりを実感できるような学びの在り方とは?
・一人一人の子どもが自分の強みを活かせる学校のあり方とは?
・基礎知識の定着と探究的な学習を両立させつつ、その先の受験に繋げるためには?

わたしができる・やりたいこと
・異年齢や異文化の人々、地域との関わりを増やすことで、興味関心の先を増やし、心を豊かにする。教科書からは学べないことを学ぶ。
・失敗を恐れず挑戦すること。たくさん失敗する。
・学びにゆとりや余白を持つこと。
・「Project Based Learning(PBL)」をもっと活用したい。
・教科の学習も大切だが、社会が直面している問題などに目を向け話し合うような、実践的な学びもしたい。

興味を主体とした学習をいかに大学での学びに繋げられるかについて
●変えたい現状/原因/疑問・問い

・学校の授業時間が多くて、自分で探究する時間を作るのが難しい。
・興味のあることを探究するのは良いが、その興味の対象をどう広げるか?
・好きじゃないことは知らない、やらない、でいいのか?
・やりたいことが見つからない人はどうすればいい?
・「やりたい事」とか「好きな事」以前に日本の学生と同程度の学力がないので、大学に入れるのかが不安。
・好きなことをもっと学びたいけど、将来就職に困りたくない。結局「いい大学」を目指すことになる。

わたしができる・やりたいこと
・多くの海外の方と交流をして、自分の視野を広げたい。
・机に座って知識を詰め込むのではなく、目で見て手で触れながらものづくりをするなど、実体験として学びたい。
・プログラミングや数学の大会に出るなど、高校生の間に色々なことに挑戦したい。
・学校での授業にゆとりを持つことで、そのほかのことに挑戦する時間が欲しい。

社会で活躍できる学びのあり方について
●変えたい現状/原因/疑問・問い

・そもそも大人はなんのために働いているの?どうなれば「活躍している」といえるのかがわからない。
・これからの時代に「高学歴」であることは本当に必要なのか。
・将来に夢や希望、目的をもてない子どもが多いように感じる。
・大人が元気に働く姿をみれば、子どももそれを目指すようになるのではないか。

わたしができる・やりたいこと
・知識の詰め込みではなく、コミュニケーション力をつけられる授業をする。
・人の意見を否定せず、まず受け入れること。
・自分の強みをのばすことや失敗を恐れず挑戦することで、自己肯定感が育つ。
・自分から行動するスキルを身につける。
・大人や色々な人と話すことで、社会で起きている問題や課題に向き合いたい。
・自然の素晴らしさ、世の中の面白さを多くの人に伝えたい。
・教員が自分の夢を語ることで「大人になるのも悪くない」と子どもたちに思ってほしい。
・Reconnect with the real.
・Connect education with local cultures, issues and problems.

「できる・やりたいこと」を実現するために必要な環境
・自分の考えややりたいことを、自信を持って発信できる環境。
・子どもが疑問や不満を恐れず言葉にできる環境。
・行政支援や教育を受けることの機会均等が保証される環境。
・教員が笑顔になれることが、周りの子どもや親、地域の笑顔につながる。

学びにおけるデジタルの活用
●変えたい現状/原因

・学びの中でデジタル機器を活用する機会は増えているが、インターネットやSNSは若者のメンタルヘルスに与える影響も大きい。そのバランスが難しい。
・パソコンやスマートフォンが使えると遊んでしまったりすることもある。きちんと学びのために活用するにはどんな使い方をするのがいいのか。
・「自分で一から文章を作る」といった経験を積まないままデジタルを活用すると、デジタルが作った文章を吟味し判断するというスキルも身につかないのでは。

わたしができる・やりたいこと
・デジタルができることを人間がやる必要がないのであれば、それを評価する方法、使いこなす方法に主眼を置いて学んでいくべき。一方で、きちんと評価をするためには、やはりこれまでの基礎的な勉強も大切。
・デジタルは作業をより効率的・創造的にするために活用できるものなので、どこまでその作業に効率性・創造性を求めるかを見極めることが重要。
・デジタルをどう学びに活かすのか、その在り方自体を考えることも重要な教育。
・デジタルは過去の出来事を学習して組み立てるのは得意だが、新しい理想そのものを創造するのは苦手。そこはまだしばらく人間の範疇になると思う。

まとめ

・入試のための学びをするのではなく、学びの目的やプロセスを真に価値あるものにすることが重要。それが活かされる入試制度が必要。
・学校の中だけで学びを完結させず、地域や異年齢、異文化の人とのコミュニケーションが「広がり」や「深み」のある学びに繋がる。
・子どもが興味を持って学んだことを、どう学習指導要領の内容に繋げられるのかを教員が考えること、それを教員が心にゆとりをもって考えられる環境が重要。
・「デジタルに任せること」と「人間が考えること」、「探究学習」と「入試に対応した学習」、「授業」と「自主学習」、「地域の人が学校に入ること」と「生徒が地域に飛び出していくこと」、これらをそれぞれどう繋げるのか、どうバランスをとるのかが大切。
・私立学校と公立学校がお互いの長所を伸ばしあい、短所を補完していくことで、地域全体として子どもの学びを高めていける。
・環境や制度の変化だけを望むのではなく、一人一人が現状でできることは何かを常に考えること。

■当日参加者について

アンケートより一部抜粋

・HIS(白馬インターナショナルスクール)の生徒さんたち、県ケ丘高校、白馬高校の生徒さんたちが、自分の考えを自分の言葉で話す姿がとてもよかった。長野県の子どもと関わる仕事をしている方たちに見てもらいたいと感じました。
・昨年度も複数回参加させていただいているのですが、今回が一番皆さんとお話しすることができませんでした。
・HISの生徒から、今のこの学び(プロジェクト)は将来何に生きるのか?これらに意味があるのか?との問が彼らから発せられることに驚きました。
もっと丁寧にこの先にあるものをフィードバックしてあげる必要があるのかな、と思いました。
・I found this very thought provoking and worthwhile.
・HISの環境や生徒と関わり、とても大きなエネルギーを感じた。白馬村や長野県、日本の財産となることは間違いないと感じました。

一緒に、「長野県の子どもたちにとって最適な学びのあり方」を考えませんか?

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

今後もより多くの皆さまと幅広く検討、そして実現へと向かうために色々な施策を検討しております。
詳しくは県のHPをご覧ください。

https://www.pref.nagano.lg.jp/ken-manabi/manabi/entaku.html


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