共有結合でエネルギー貯められるか?

人類はまだ「共有結合」でエネルギーを貯める技術が未熟。
植物は光合成で二酸化炭素の共有結合をバラバラに切った上で、糖やデンプンなど、炭素同士の共有結合でエネルギーを貯めることができる。炭素同士の共有結合は、量がちょっとでも大量のエネルギーを貯めることができる。

石油や石炭が、ほんのちょっとでものすごい量のエネルギーをもつのも、炭素同士の共有結合の形でエネルギーを貯め込んでいる(エネルギー密度が高い)から。1kgの石油や石炭が抱えているエネルギー密度は莫大。小さなガソリンタンクで自動車を長距離動かせるのも、エネルギー密度が高いから。

ところが電気自動車の場合、電池でエネルギーを貯める。共有結合ではなくイオン結合。イオン結合でのエネルギー貯蔵は、かさばるし重い。エネルギー密度が低い。電池の開発が進められているが、イオン結合は原理的に共有結合よりはエネルギー密度が低いという課題を克服できるかどうか。

現代の技術でも、エネルギーを共有結合に変えて貯める技術があるにはある。人工光合成で蟻酸を作る研究が行われてるけど、残念なことに蟻酸には炭素同士の共有結合はなく、植物の作る有機物よりも劣るように思う。
もう一つある。炭素じゃなくて、水素。

水を電気分解すると、水素ガスが得られる。水素同士の共有結合の形でエネルギーを貯められるので、これもなかなかのエネルギー。問題は、かさばる。コンパクトに貯蔵する技術がまだ未熟。爆発性があるから、燃料としても扱いづらい。

炭素同士の共有結合は、かさばらずに大量のエネルギーを貯められるという、なかなか他に見当たらない長所を備える。人類はまだ、エネルギーを炭素同士の共有結合に変え、貯蔵する技術を持ち合わせていない。その点でブレークスルーがあるとよいのだが。

たとえば、いきなり二酸化炭素から作ろうとしなくてよいから、光や電気のエネルギーを使って、たとえばエタノールなどのアルコールから炭化水素(炭素同士の共有結合だらけでエネルギー密度高い)に変換、エネルギー密度の高いものに変換できないだろうか?バイオディーゼルで余るグリセリンでもよい。

原料は手に入りやすい材料で、それを高エネルギー密度の炭化水素に変換する。その際にエネルギーを貯める、ってことできないだろうか。これならもう少し技術的ハードルが下がる気がするのだけど。木材を石油みたいな炭化水素に変換できたらすごくない?なんとかならへん?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?