子育てには「アクション」より「リアクション」

子育てに「アクション」は要らないように思う。子どもにあれしなさい、これしなさいと言ったり、教えたり、背中を押したり、手を引っ張ったり、励ましたり、命令したり、叱ったり。これら、大人から子供への「アクション」は、あまり効果がないことが多いばかりでなく、子どもの意欲を根底から枯らしかねない。

その代わり。「リアクション」は必要だと思う。子どもが何か能動的に「アクション」を起こした時、「お?」「おお!」と驚きの声を上げる「リアクション」。それはまるで、赤ちゃんが初めて言葉を話した時のように。あるいは初めて立ったのを見て、大人が驚き、狂喜乱舞した時のように。

幼児はよく、「ねえ、見て見て!」という。大人に自分の工夫に驚いてほしくて。自分の発見に一緒に驚いてほしくて。自分の成長に驚いてほしくて。たぶん、こんなに大人の驚きが好きなのは、本能に刻まれているだけでなく、赤ちゃんの時、何かしら変化があると親が「リアクション」していたのが大きい。

だから、子育てでは、大人である自分がどう「アクション(行動)」を起こすかを考えるのではなく、どう「リアクション(反応)」するかを考えた方がよいように思う。リアクション次第で子どもの意欲はコンコンと湧く。次はどんな工夫で、発見で、成長で、大人を驚かそうか、と企む。

能動的に行動する「アクション」は子どもに譲る。その能動性や行動によって、「リアクション」する役割を大人が果たす。これでほぼ、大人の役割は果たしているような気がする。

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