NFTクリエイターサポートプログラム⑤NFT×マーケティング
7月6日に渋谷109にてクリエイターを対象に、metaとシンセカイテクノロジーズが運営する"クリエイターレーベルcryptex"共同開催のワークショップイベント「42’LABEL’」のイベントが行われました。5月から3ヶ月間で全6回にわたるクリエイターサポートプログラムがスタートし、今回が第5回目となります。
ゲストに、株式会社NMarketing CEO Yuuさんをお招きし、「NFT×マーケティング」をテーマにお話いただきました。
株式会社NMarketing CEO
Yuu氏 https://twitter.com/nftu01
証券会社で営業
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中小企業の経営者のお客様から経営や事業についてお話を聞いているうちに自分も起業したいと思うように
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広告代理店に転職。SNSマーケの営業や新規事業を経験。
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2021年11月退職
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事業分野を模索
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2021年12月NFTに出会う
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2022年7月個人事業主としてNFT×マーケティング事業を開始
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2022年12月株式会社NMarketingを創業
「42LABEL」とは
meta×cryptexが主催する、初心者クリエイター向けにNFTを「知る」「持つ」「作る」「売る」という4つのステップに分けて全6回実施するワークショップ形式のイベント。NFTを制作する方法、コミュニティを盛り上げる方法などクリエイターが新たなスキルを学ぶことを目的としています。
metaがクリエイターの活動を後押しするための新たな拠点として2023年3月に運営を開始した渋谷109の8階にある「クリエイターコラボレーションスペース」で開催されます。
NFTにおけるマーケティングとは
そもそも、マーケティングとは商品やサービスをユーザーに利用してもらうためにやることです。その中で、NFTにおけるマーケティングには大きく2種類あります。
一つは、NFT自体を販売するためのマーケティングです。
例えば、NFTプロジェクトのギャルバースは、ギャルバースのNFTを売るためのマーケティングを行いました。
二つ目は、NFTを使ったマーケティングです。イギリスの資生堂は、150周年を記念して、150名限定で無料のNFTを配布しました。ロイヤリティや熱量の高い既存のユーザー向けのマーケティングです。
以前は一つ目のパターンが多かったですが、近年は企業がNFTをマーケティングで使う例も増えてきました。ハイブランドが高価なNFTを販売して、それを買えるくらいのVIPな顧客とのコミュニケーションを深めたり、資生堂は新規のファンを作る目的で、NFTを購入した顧客に1年間を通して新商品の配布を行っていました。
NFTを売るためのマーケティング
基本は、①プロジェクト立ち上げ ②Twitter開設 ③Discordの開設 ④Allow List(White List)を通じてフォロワーを獲得していくという流れで行われます。
Twitterで知ってもらい、Discordでよりプロジェクトに興味や好意を持ってもらい、Allow Listを配付することでフォロワーを獲得します。販売前にどれだけ知ってもらって、好きになってもらって、ファンを付けられるかがとても大事なので、重要な工程です。
NFTでなくクラウドファンディングでも良いんじゃないか?と思われることもありますが、クラウドファンディングはリターンを渡したらそこで終わってしまうんですよね。NFTだと、持っていることで、運営側だけでなくユーザー(ホルダー)にも利益を継続して与えることができるんです。
また、Twitterはマストで、他のSNSも併用できるとさらに良いですね。例えば、「あおぱんだ」はTwitterだけでなく、TikTokも開設してバズりました。それを機にファンが増えたことでNFTプロジェクトも成功をおさめました。今はNFT界隈は年齢層が割と高めですが、これからより若い層に広がっていくことを考えると、Twitterだけでなく、InstagramやTikTokなどのSNS開設も重要になってくるかと思います。フォロワー数に関しては、販売枚数にもよりますが、5,000人〜10,000人くらいはほしいところです。
Allow List(White List)とは
Allow List(ALもしくはWL)とは、優先購入+割安で購入可能な権利のことです。
少し仕組みは違うんですが、ファンクラブに入っていると、チケットが先に購入できたり、ちょっと割安で手に入ったりすることがありますよね。そういうイメージです。
例えば、一般販売が6月末に10,000円で行われる場合に、ALを持っている人限定で1日前に7,000円で購入できますよという権利ですね。
配布は多くの場合、Twitterでのフォロー&リツイートだったり、他プロジェクトのNFT保有者にTwitterやDiscordで配付を行います。当選者にGoogleフォームにTwitter IDとウォレットアドレスを入力してもらって管理をすることが多いですね。ほとんどのプロジェクトがこのALの配布を行っています。
なぜALを配付するかというと、一つは購入希望者数の把握のためですね。フォロー&リツイートをしてまでも欲しいと思ってくれる人がどれくらいいるのかで大体の購入希望者数を予測できます。
もう一つは、NFT購入者には購入後、コミュニティに入ってもらって、もりあげてもらいたい。そのためには熱量が高い購入者が多い方が良いんですが、bot(自動で全部買ってしまう)で購入されたり、熱量がそんなに高くない人が購入することもあります。購入角度が高そうな人、ちゃんとコミュニティを盛り上げてくれそうな人に購入してもらうために配布することも多いです。
マーケティングを活用した事例
AZITOを開発している株式会社OPSIONは「ビジネスシーンでのバーチャル空間上のオフィス」を提供している会社のプロジェクトで、「Talk to Earn(話して稼ぐ)」をコンセプトとした壮大なメタバースを計画しました。ちょうどto Eranといって、例えば「Walk to Earn(歩いて稼ぐ)」や「Play to Earn(プレイして稼ぐ)」などのポイ活の仮想通貨版みたいなイメージのものが流行った時期ですね。マーケティングで行った施策は全部で4つです。
1つ目はブロックチェーンの変更です。もともと、マイナーなブロックチェーンを利用していたのですが、それをETHというメジャーなブロックチェーンに変更したことでユーザー数が増えました。
2つ目は訴求ポイントの変更です。メタバースやto Eranという部分を大々的に訴求しても、なかなか理解できる人が多くない。そこで、訴求ポイントを既存事業の実績にしました。最近だと、NFTといってもなかなか理解しづらいですが、それをデジタルコレクションと言い換えることで、少し理解しやすくなるんですよね。
3つ目は、他プロジェクト・インフルエンサーコラボGiveawayです。Giveawayとはプレゼントキャンペーンのことで、Twitterのフォロー&リツイートでGiveawayを行ったり、他プロジェクトDiscor内でのGiveawayを行ったりすることで認知を獲得しました。
4つ目はAMA(Ask me Anything)の開催です。AMAとはQ&Aタイムのようなもので、Twitterのスペースなどで行います。Twitterの投稿だけだと伝わりづらいファウンダーの熱意やプロジェクトの内容、目的を話して伝えることができますし、リスナーからの質問、例えば、「発売はいつ?」「クリエイティブの様子は?」「他プロジェクトの違いは?」などに答えることができます。開催の際に他プロジェクトとコラボすることで、相手側のフォロワーも聞きにきてくれる可能性があるため、プロジェクト間コラボでの実施も行った方がいいですね。
Twitter以外でもインスタのライブとかでの実施もできます。また、質問してくれた人の中や、聞きにきてくれた人の中から抽選でALを配布するなどの施策もできます。
NIHは日テレ×プラチナムのプロジェクトで、NFTを絡めたアイドルグループを1からつくっていくというものです。元々、ガールズバンドSilent Sirenのメンバーだったすうさんがプロデュースを行っているため、すうさん専用のNFTを作成して、すうさんファンに興味をもってもらったり、NFTに慣れていないアイドル好きの方達にも興味をもってもらえるように、アイドルメンバーがDiscordコミュニティやスペースなどに参加する企画も行いました。元々NFTが好きで保有していたNFT層に向けては、NIHチームメンバーの所属するコミュニティを活用してALの配布も行いました。
様々な事例がありますが、大体8〜9割は同じような施策を行い、残り1割で各プロジェクトで特色のあるマーケティング施策を行っていることが多いですね。
NFTプロジェクトを考える際のマーケティングポイント
マーケティングは大きく5つのポイントを考える必要があります。
1つ目は目的です。資金作り、認知の拡大、コミュニティ作りですね。この目的の中でもどこを一番重要視したいかによっても変わってきます。
2つ目は市況です。他のものは何が流行っているのかはもちろんですが、販売価格の設定にも流行りがあったりします。例えば、無料配布が流行っていることもあれば、高額NFTが流行っていることもあります。流行に乗った方が販売しやすかったりもするので、そのリサーチは大事です。
3つ目は競合です。周りの事業者やクリエイターが何を販売しているのか?イラスト系なのか?その他なのか?などですね。
4つ目は自分の強みです。他と比べての自分の強みを知っておくことはとても大事です。
最後は、どんな価値を提供するかです。それを持つことでユーザーになんのメリットがあるか?ユーティリティーはあるのかないのかという部分です。ユーティリティーとは、持っていることで得られる特典的なことですね。これは必ずしも必要ではなく、なくてもイラストだけで売れることももちろんあります。
SNSを活用したマーケティング施策
SNSを活用することが、NFTを売るためのマーケティングには大事になってきます。プロフィール文や固定ツイートを作成してしっかりコンテンツを用意することや、AL Giveawayやインフルエンサー、他プロジェクトのコラボ、NFT Giveawayでの認知拡大や興味獲得、AMA実施や販売までのカウントダウン、二次創作などでの購入促進は行ってみてください。
また、マーケティングは必ずしも自分でやる必要はないです。マーケティングをしてくれる人を探してやってもらうこともできます。例えば、自分のファンに呼びかけたり、自分がいいなって思うプロジェクトのチームメンバーのことを調べたり、NFTマーケを得意とする人をSNSを使って探してみてください。
参加者の声
参加者の方からは、「NFTを作るだけでなく、その後、どうやって広めていくかということを考える良い機会になった」という声を多く聞きました。
まとめ
作成したNFTを、より多くのファンに手にとってもらうためにはマーケティングが必須です。マーケティングの中で、自分がプロジェクトに込めた想いや、目的、目標をしっかり届けることで、熱量高いファンを獲得していくことが、NFTを売る際に大事なことの一つですね。
次回イベントについて
次回はついに全6回ワークショップの最後です!
参加者が考えたNFTプロジェクトの発表会もあります。イベントの様子はまたレポートしますので、どうぞお楽しみに!