相続した底地、どうする?底地のプロが明かす賢い対処法
新生都市開発株式会社 代表取締役の永尾です。創業以来、当社は底地買取を中心に、事業を手がけてまいりました。そこで今回は、底地を相続された方に向けて、役立つ情報をご紹介させてください。
相続で取得した「底地」、その実態とは
そもそも「底地」とは何なのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。「底地」とは、土地自体の権利(底地権)と、借りた土地に建てた建物の権利(借地権)が分かれている不動産のことを指します。
最近、当社への相談で目立つのが、親族から底地を相続した方々からのものです。なかには、「今回初めて『底地』という言葉を耳にしまして……」と切り出す方もいらっしゃいます。そこでまずは、底地を相続した際にどんなアクションが選べるのか、3つの選択肢についてご説明いたします。
① 底地を所有し続け、地代収入を得る
底地の相続税を支払い、所有することで、毎月一定額の地代を収入として受け取ることができます。底地は土地のみを貸している状態のため、管理の手間がかからないのがメリットとして挙げられます。
しかし、土地と建物の権利が一本化されている不動産と違い、地代が安い傾向にあります。また、地代を上げようと思っても、法律面での制約があり、即座には上げられません。地主には固定資産税を支払う義務がありますが、地代と差し引きすると、あまり収益性は高くはないでしょう。
注意が必要なのは、相続が複数人にわたっているケースです。基本的に、相続後のあらゆる意思決定は、全員の同意が必要となります。のちのち売却したいと思っても、「一部の相続者が反対しているからできない」という事態にも陥る可能性があります。
② 底地権を借地人へ譲渡する
底地売却を考える際、借地人に買い取ってもらう、という方法もあります。ただし、土地を買い取らなくても現在の生活は維持できるため、買い取ってくれるケースは少ないのが実情です。一方で、もし借地人が底地を買い取って将来的に売却する場合、相場で買い取ってもらえる可能性が高まります。
注意しなければいけないのが、所有している底地に、複数人の借地人がいるパターンです。売却する際、全員の同意がもらえないと、底地の一部だけを売却することになります。すると、結果的に土地自体の資産価値が下がるため、あまり現実的とは言えないでしょう。
③ 第三者へ底地を売却する
不動産会社などの第三者へ、底地権を売却する方法もあります。現況のままでも売却して現金化でき、その後の地代交渉などが必要なくなります。ただし、底地は「借地権割合」(地主と借地人の権利割合を示す指標)で価格が試算されるため、更地の相場価格よりも査定額は下回ります。
底地売却を検討する際の確認ポイント
第三者への底地売却を検討し始めたら、以下の点を確認することをおすすめします。
① 底地所有者の意向
底地権の所有者が複数人にわたる場合、売却を望む人が何人いるかを確認しましょう。全員から同意が得られるなら権利をまとめて売却できますが、反対意見の人がいる場合は、持分のみ売却する形になります。
② 底地の所有者名義
土地を売却する際、売却主と登記上の名義が一致していなければなりません。土地の所有者名義は登記事項証明書で確認できますが、手元にない場合は、法務局の窓口やオンライン請求で取り寄せて確認しましょう。なお、相続で底地を取得した場合は、売却前に底地の名義変更が必要です。
③ 借地人・賃借人の人数
売却先が底地を買い取ったあと、更地にして販売する不動産会社だった場合、借地人・賃借人への交渉が必要となります。交渉先が何件なのかによって査定価格が変わるため、事前に確認しておきましょう。さらに、賃貸借契約書の有無によっても査定額が変わるため、こちらも確認が必要です。
売却先を見極めるポイント
底地は権利関係が複雑なために、一般の不動産会社はあまり取り扱いたがらない傾向にあります。売却するなら、底地買取に特化している企業がおすすめです。売却後、不動産会社から借地人への交渉が必要になるなら、慣れている企業だと安心でしょう。過去の実績や数字、具体的な事例が紹介されていないかどうか、ホームページなどで確認してみてください。
底地を取得した際にはさまざまな選択肢が考えられますが、私たちは「権利は一本化した方が良い」と考えています。権利関係が複雑な土地は、人間関係も絡ませるきっかけになり得るからです。加えて、底地は収益性が低い割には相続税が重く、「相続税を払えないから売却したい」という方も少なくありません。昨今は「今後親族に手間をかけたくないから」と、後々のことを考えて生前に売却する方もいらっしゃいます。
底地にお困りの方は、ぜひ新生都市開発にお問い合わせください。当社が運営するWEBサイト「底地買取センター」では、買取実績もご紹介しています。私たちはこれまでのノウハウを総動員し、望むゴールに辿り着けるよう、サポートさせていただきます。