見出し画像

子午流注で1日のリズムを整えるのだ!

うーーー。肌寒いっ!

立冬を迎えてから1週間。布団から出るのがつらい季節になってきましたね。

寒い朝でもかえでのお散歩が日課になっている。でも晴れた日は冬のお日様で背中がぽかぽか。気持ちも温かくなっているましもです。

自分は出勤時間の関係で毎日同じ時間帯にお散歩しているのですが、やはりこの季節になるとお日様が出てくる時間が遅くなっているのも感じられます。本当はもう少しゆっくりした時間に行くと良いんですがね。

また先日お客さまともお話ししたんですが。

なんか今年は秋がなかったんじゃない??

暑い夏から何回か台風が来て。いきなり冬になったという。

今年はそんな季節の移り変わりだった気がします。

さて突然ですが皆さま「不易流行」という言葉をご存知ですか?

ビジネスの世界でも引用されることが多い言葉ですが、俳人の松尾芭蕉が「去来抄」に遺した理念の中に出てくるのでも有名です。

俳句の趣向や表現に目新しさがないのが「不易」

その時々や場所で好みによって新しいものを取り入れるのが「流行」

芭蕉はこのような解釈をされています。

そしてこの「不易と流行」の語源はさらに古く。中国古典「四書五経」のひとつ「易経」に残されているのです。

画像1

街角に迷った人を導く占い師さん。「易」という一文字を掲げているのを見かけたことはありませんか?

もともと「易」とは「変わること」であり、占いの原型となっている「易経」は自然界の様々な事象が変化していく様を書き残しているものです。

そして易者(占い師)は筮竹と呼ばれる竹ひごのような棒で「卦」を読み取ります。当たるも八卦当たらぬも八卦の「卦」です。

この「卦」が表す自然界の原理原則を正しく読み取って自分の人生の転機や悩みの解決に活かしていくのが易経なのです。

前置きが長くなりましたが。

このように「易」とは物事の変化を意味するものです。

よって「不易」とは変わらないものとなります。

秋の後には必ず冬が来ます。そして冬の後には必ず春が来ます。

冬を飛ばしていきなり春は来ません。自然界の根本原則です。

対して「流行」とは今年の秋は短かった。とは今年の冬は寒い。などという変化を呼ぶこととなります。

そして季節の移り変わりだけでなく1日のリズムにも不易と流行があります。

これは子午流注図を見るとよくわかります。

画像2

子午流注とは1日24時間の臓腑気血の運行リズムを現しています。

子午とは「時刻」の意味です。不易=変わらないものです。

流注とは「気血の運行」を意味します。流行=移り変わるものです。

この図に記されている1日の流れは以下の通りです。

1 .寅の刻(3時~5時) 肺経が旺盛な時間帯

肺経は気血の運行の源。肺は呼吸を司り新鮮な血を全身に供給します。この時間帯は新鮮な空気で呼吸することが大切なのです。日の出とともに起きたらまずは深呼吸するのが爽やかな1日のスタートに。

*喫煙すると肺の機能が著しく低下します。なるべく禁煙したいですね。


2.卯の刻(5時~7時) 大腸経が旺盛な時間帯

肺と表裏関係にある大腸の働きが活発になります。夜に行われた栄養と水分の吸収が終わり残渣を便として排泄。この時間帯=朝一番にしっかり排便できると肺や皮膚がきれいに保たれます。


3.辰の刻(7時~9時) 胃経が旺盛な時間帯

この時間は胃経に気血が集中。消化が最も盛んになりしっかりと栄養吸収することができます。脳もガス欠。冷え切った胃腸を再起動するためにも朝ごはんをきちんと食べるのは不可欠。逆にお腹が空かなくて食事が取れないという方は胃の働きを改善する対策が必要となります。


4.巳の刻(9時~11時) 脾経が旺盛な時間帯

脾は消化、吸収、排泄を統括する臓器です。食べたものや飲んだものから気(エネルギー)や血肉を生み出します。この時間帯は脾の働きが活発になるので適度に運動。新陳代謝が増すのでダイエットするには最適です。筋トレなどもできればこの時間帯に取り入れたいですね。


5.午の刻(11時~13時)心経が旺盛な時間帯

心はそのポンプ力で血を全身に送り精神を安定させる働きをもっています。正午は陽の頂点で陽臓である心臓の働きが最も高まります。この時間帯は陽から陰への切り替えを行うため、激しい運動は避けてゆっくりと過ごしてください。15分程度のお昼寝も効果があります。短時間でも午後からの活力をチャージできます。


6.未の刻(13時~15時)小腸経が旺盛な時間帯

小腸は胃から送られてきた消化物を処理します。栄養素→脾、余分な水分→膀胱、食物の残渣→大腸と振り分けて送り出します。この時間帯も激しい運動は禁物。しっかりと消化栄養の吸収をさせましょう。

ちなみに肥満遺伝子ビーマルワンの働きは15時に最も低下すると言われています。食事制限しているけどどうしても甘いもの食べたい!というかたは「3時のおやつ」に取り入れてください。少量ですよ。

7.申の刻(15時~17時)膀胱経が旺盛な時間帯

膀胱は尿の生成、貯留、排泄を行います。この排尿によって身体にこもった熱を体外に排出する働きもあります。この時間帯の尿意は特に我慢しないようにしてください。

8.酉の刻(17時~19時)腎経が旺盛な時間帯

「腎は水を司り五臓六腑すべての精を蔵す」と言われ親から受け継いだ「先天の精」と食物などから得た「後天の精」を蓄えています。腎虚の方は生命エネルギーを蓄える時間帯なので補腎薬や腎を補う食物を夕食に取り入れることも大切です。

*夕食は冷たいものや生のものなどより温かいものや火を通したものを優先したいですね。


9.戌の刻(19時~21時) 心包経が旺盛な時間帯

心包は心臓の外周にあり心臓を守るために気血を循環させます。この時間帯は軽いウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。


10.亥の刻(21~23時) 三焦経が旺盛な時間帯

三焦(上焦・中焦・下焦)は六腑の中で最大の腑で気血を全身くまなく運んでいます。この時間帯にゆっくり過ごすと全身の休養とスムーズな新陳代謝を行うことができます。

11.子の刻(23~1時) 胆経が旺盛な時間帯

胆は消化に直接関わる胆汁を生成、貯蔵、排泄しており、子の刻は胆汁の新陳代謝が最もさかんになる時間帯です。西洋医学の面でもこの時間帯に深い睡眠に入っていると成長ホルモンが大量に分泌。傷ついた血管や細胞の修復が行われます。

中国には「寧舎一頓飯,不舎子時眠」(子の刻の睡眠を放棄するくらいなら一度の食事を放棄したほうがずっと良い)ということわざも残されているくらい重要です。

12.丑の刻(1~3時) 肝経が旺盛な時間帯

肝は「思考」や「活動」を支える血液の貯蔵庫です。

この時間帯は肝の解毒・修復。古い血と新しい血の入れ替わりが最大限に行われます。この時間帯に睡眠が取れていないと古い血液が肝臓に戻らず全身を巡ることに。日付が変わる前に寝ないと肌のシミやくすみなどの老化や劣化が急速に進行していきます。

いかがでしょうか?易経によると人間も自然界の一部です。

人間にはホメオスタシス(恒常性)という機能が備わっています。怪我をしたり病気をしたり。身体の不調が出たらこれを治癒させる力も発揮されるのです。自然の流れに身を任せて過ごすことがホメオスタシス発動の条件。無理せずにゆるゆると過ごす。そんなことを教えてくれていますね。

*かえで薬局では「こころと身体の長引く不調」をお持ちの方に漢方相談を承っております。ご来店できない方にはzoomでのご相談もお受けしております。まずはお気軽にお電話くださいませ。【相談専用窓口】0120−979−802

かえで薬局ホームページ https://www.shinsei-kaede.jp

YouTube「ましもチャンネル」 

https://www.youtube.com/channel/UCb_Y1_QPPP3O4W6zjeY7nFw?view_as=subscriber

YouTube「やすおとこうたんしゃべるだけアワー/癒していいとも!」

https://www.youtube.com/channel/UCnlP3aqPjvoOUAnn4ktLEdg?view_as=subscriber




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?