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「会食」という言葉のチョイスは悪すぎた

三密を避けるという話題で、「会食」って言葉がよく出てくる。

これは、最悪の言葉の選び方をしたと思っている。

何故か。この言葉を一般人が聞くのは(数年前まで)、
「政治家等が(主に料亭等の高い店で)接待等をすること」
に文脈が限られていたからだ。
辞書的な意味は別として、実用的には主にそこにしか使われていなかった。

つまり、「会食」という言葉には、「政治家が高い店で接待する」というイメージがこびりついている。
辞書的な意味がどうであれ、そういう使われ方をしてきた言葉を別の意味に流用すれば、感染者からの聞き取りでよくある

「昼のランチを会食と認識してない」
という事例が多発することになるのは当然だ。

※ここでいう「会食」=同居家族以外との食事

これは、知らない側に問題があるというよりは、伝え方が悪い。

他の言い方

「家族以外の人との食事」
「ほかの人との食事」
「食事をしながらのおしゃべり」

などがあるんじゃないかね。きれいに2文字にまとめる必要はない。
むしろ、日本語が上手でない人にもわかる「やさしい日本語」にすべきだったともいえる。

かんせんには「おしゃべり」が致命的なんじゃないかね。

ここまでひとり歩きしちゃうと、アップデートは難しいだろうけど。

日本人の半数は大卒ではないが、決定者の大半は難関大卒

大学進学率は55%くらい。うち10%が中退するらしいので、卒業しているのは半分くらい。
つまり、20代後半であっても日本人の半数は大卒ではない。(筆者含め)

にもかかわらず、上層部には難関大卒(全体の5%くらいの上澄み)しかいない。
なので、「会食」ていう、人によって解釈の違う言葉を広めてしまう。
上層部にはそういう勘違いをする人はいないからだ。

某インフルエンサーが某大手企業で「偏差値40に向けて作れ」って言われたって書いたのが昔炎上した。

ただ、それは非常に妥当である。言い方の問題はあるにせよ。
「日本の平均は大学受験模試の偏差値40」なんで、ただ単に日本の平均層に向けて作っただけだ。

「え、平均は偏差値50でしょ」と思った方もいるかもしれない。
しかし、大学受験模試は大学に進学しない人は受験しない。
なので、高校の偏差値ー10が大学受験の偏差値(模試の会社によって違うが)といわれる。
なので、日本の平均はおおむね偏差値40とみる。

これは、中学受験率が低い公立中学を卒業した、筆者の学生時代の体感とだいたい一致する。

会食の意味を誤解している問題は、
偏差値40の人に向けて注意書きを作れなかった結果ともいえる。

そりゃ、国民の多くは誤解するって。

類似例

こういうのは外来語に多い。

類似例として「スポーツ」という言葉がある。
スポーツと聞けば、「体育」のことを思い浮かべるだろう。
実際、99%その意味でつかわれる。

日本体育協会は日本スポーツ協会になったし、
国体(国民体育大会のほう)もそのうち、国民スポーツ大会になる。

という感じで、「体育」を現代的に、格好良くした表現として使われているのが大半だ。

だから「eスポーツ」という言葉は、一部に違和感を持たれた。
体動かしてないやん。って。
(リングフィットRTAという例外もあるが。あれはゲームのためにマッチョになったりする。)
英語の「スポーツ」には、体を動かすことは要件に入らないのでこういうことになる。

ほかには、「他人」
法律用語としての「他人」は自分以外の人のこと
一般的に使われる「他人」は知らない人や関係性の遠い人のこと

これが会食に一番近い「意味のずれ」かもしれない。

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