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やり投げを投球の観点から診る

陸上競技のやり投げですが野球の投球と似ている又は同じところがあります。僕の所に来院したやり投げの選手で肘を痛めている選手が僕が肘が下がっているや身体が開くって指導されないか?聞くとコーチに注意されていると言っていたのでやり投げも投球フォーム不良の観点からみると共通するところが多いと思うので書きたいと思います。右投げを想定しています

助走

助走はわかりません!投球で助走をすることはないのでわかりません。

ステップ~リリース

ステップ~リリース!この部分が全てです!ステップは最後の右足がついて左足に体重移動をするところです。

右足の母指球に荷重を乗せて上体が起き上がって又は背面にそっていないか?
荷重が母指球ではなく踵に乗ってしまうと回転軸が踵になり前方への重心移動をうまくできなくなってしまいます
上体が起きる・背面にそると踵(後方荷重)なってしまいます。すると身体が開いてしまいます。あと、早期に身体の回転運動が終わってしまい手投げになってしまいます!

次に右の股関節に荷重を乗せられているか?ステップの際に右足から左足に体重移動をしていきます!その時に右股関節に荷重を乗せて左足が地面に着いたと同時に右足から左足へと体重移動をする必要があります。そのために右股関節は軽度屈強し内旋(骨盤を回旋させて股関節の内旋を作る)していなければいけません!この時に股関節の可動域不足や後方荷重があるとこの形を作れません。

トップ 左足が着いた時

投球で多いのがこのトップの時(左足が地面に着いた時)に肘が下がる・身体が開く・上体が突っ込むです!
まず肘が下がるですがトップ時には右肘・左肘は両肩のライン上にないといけません!これはトップからリリースまで崩れることはありません!

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上の画像のようにトップ時は肘が両肩のライン上にある必要があります
左肘が少し下がっています。

投球では肘が90度以上曲がっている必要があるのですがやり投げの場合は90度以上開いています。そのためにトップからリリース時の身体が回転していく時に肘や腕が身体の中心よりも遠くから移動していきます!この時に身体が開く・肘が下がると投球よりも肘・肩にかかる負担が強くなると思われます!

身体が開く
トップを作った際に上体や骨盤が投球方向に開いてしまうことです!
トップ時は上体や骨盤ま投てき方向に開くのではなく身体は真横 骨盤は少し非投てき方向に入っている必要があります。あと左股関節・膝が外に開いてしまうと力が逃げてしまうので股関節は内旋・膝は内転している必要があります。股関節が硬いと股関節の内旋を作ることができない可能性があります

上体が突っ込む
トップを作った際に理想は両足の中心よりも上体が右足(後足)よりにあることです。これが左足(前足)に上体が突っ込んでしまうと右足から左足への体重移動が使えなくなります!すでに上体がつっこんで体重移動が終わってしまうから!

トップから身体をしならせてリリース

だいたいの選手がこの時に肩や肘の痛みを訴えます。これは肘下がりや体の開きがあると上体の回旋運動に対して右の肩や肘が前にでてこれずに肩に負担が過かてしまうからです!あと肘が下がると肩の回旋運動がうまくできずに肘がその分 外反(しなる)してしまい内側の靭帯が引っ張られて負担が大きくなります!

次に身体のしなりですが、基本的には身体の柔軟性や関節の可動域不足が原因になります!まず上からいうと胸椎・胸郭の伸展域不足になると胸のしなりができません!次に股関節です!身体がしなる時に骨盤は前傾し左の股関節に荷重を乗せないといけません!骨盤が硬いとこれができません!あと大腿四頭筋・腸腰筋という股関節と太ももの前についている筋肉が硬いと右足が突っ張ってしまい膝が曲がる・膝が前に移動してしまい右足のしなりをつくれません!

投球時には
胸郭伸展15度
肩甲骨後傾15度
肩関節外旋115度
します

リリース

リリース時には助走から体重移動してきた力を左の股関節で受け止めて回転運動へと変換する必要があります!そのため、トップ時に左股関節は内旋し左ひざは内転位にある必要があります。これが外旋・外転してしまうと力を受け止められずに逃げてしまいます!それと左膝は90度以上開いている必要があります!膝が90度以上曲がってしまうと体重移動した力を受け止められずに回転運動に変換する力を逃がしてしまいます!
これらがうまくできていると左の股関節を軸に力を並進運動から回転運動に変換して肩・肘へと力を伝えていきます!しかし股関節や足関節などの可動域不足があると股関節の内旋や股関節に荷重を乗せる事が出来ずに力を伝える事ができなくなってしまいます!


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足・股関節の可動域として両足をつけて踵が浮かないように最後までしゃがむ・膝を胸までつける(反対の膝がまがらないように)これらができる必要があります。

あとリリース時は両肩のラインと肘が並んでいるかを診ます!これが崩れていると肘下がりや体の開きなどの原因があるためにリリース前の動作を診ていく必要があります。

フォロースルー

リリース後に肩が内旋していき肘が曲がり力を逃がせているのかを診ます!
リリース後に肘が伸びた状態になると肘の関節で肘頭と肘頭窩がぶつかり肘の故障の原因になります!肩の柔軟性の不足なのか技術的な問題かは注意しないといけません。

リリース後に上体が前に移動しているか?これは投球と違い助走の勢いがあるので違ってきますが投球の場合リリース後も上体が前足の上に移動しているかを診ます。これができていないとリリース時に力を投球方向に伝えられていない可能性があります!

両肩の入れ替えがおこなわれているか?トップを作った時とリリース後には右肩と左肩の位置が入れ替わって同じ位置に変わります!これが身体の回旋や肘の引きなどがうまくでいていないと回旋不足になり十分に力を伝えられていない可能性があります!

ステップからフォロースルーまでを投球の観点から書かせていただきました。僕は投球動作の専門なのでやり投げは専門ではありません!そのため技術的な違いで当てはまらないことも多いと思います!しかし、共通している事も多いと思うので、もしかしたらやり投げ競技の方の参考になるかもしれません。

ちなみに書いててやり投げの技術的な事は書いてないのでほぼ投球の事しか書いていないなと思いました(^^;

やり投げ選手のフォームを見て改めて動きを分析して書いた記事です。
身体の使いかたを解説しています↓



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