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肩関節脱臼(前方)

肩の脱臼はスポーツや日常のケガで良く耳にすると思います。
肩関節は人体の関節でもっとも脱臼しやすい関節です。脱臼には前方・後方・下方など方向に脱臼しますが、ほぼ前方に脱臼します。
1度脱臼すると再脱臼する可能性が高く、初回の脱臼年齢が低いほど(若い)再脱臼する可能性が高くなります!20才以下での初回脱臼では再脱臼率が60%以上の確率で40歳以上になると20%以下になります。
脱臼する原因としては、肩が外転・外旋・水平伸展の強制力が加わると起こります、野球選手がボールを投げる時に腕がしなって見える状態を想像していただくとわかりやすいかもしれません。あの状態が強制的に行われた時に起こりやすいです。

脱臼するだけではない

肩が脱臼すると関節や骨にも外傷が起こってしまいます

・Bankert
肩甲骨にある関節窩の関節唇が剥離してしまいます。脱臼すると高い確率で発生してしまいます

・hill sachs
上腕骨頭の後上方の軟骨が欠損してしまう病変です50%以上の確率で発生します

・hagl
上腕骨と関節唇を繋いでいる靭帯の上腕骨側が剥離してしまう病変です。
だいたいがbankertが起こるために発生率は低いです

・神経・血管
脱臼した骨頭により圧迫や牽引されることにより腋窩神経や動静脈が損傷されることがあり神経麻痺が残存する可能性があるために 注意が必要です。

脱臼すると不安定感が残ってしまう

1度脱臼するとその後に肩の外転・外旋・水平伸展の動作やスポーツをしている時に肩の不安定感が残ってしまう可能性があります。不安定が強くなると寝返りや肩を強く捻った時に簡単に脱臼してしまう反復性に移行してしまう可能性があります。

治療

治療としては保存療法と手術療法になります。
保存療法の場合は再脱臼率が高く、手術療法の方が再脱臼率が低いためにスポーツ選手は手術療法を選択することが多いようです。
ただ手術療法だと外旋の可動域や痛みが残存するとこがあるみたいです
鏡視下により侵襲を少なくすることによりこの問題が少なくなるようです

整復後に内旋固定・外旋固定をしますが、外旋固定の方が再脱臼率が低いかもしれないそうです。
固定する期間ですが、1週間以内に除去してしまうと再脱臼率が高いみたいです。3週間以上固定をしても再脱臼率に変化はないみたいです。

リハビリでは肩の筋肉の強化が主体となります。注意しないといけないのは脱臼してから約2か月は肩の外転・外旋・水平伸展には脱臼しやすい肢位なので気を付けなければいけません

脱臼のほとんどは肩の脱臼です。たま自分や仲間が腕を引っ張って肩を整復するのを見聞きしますが、危険なのでやめましょう。脱臼をが整復されても関節の損傷や神経や血管の損傷の可能性があるので医療機関にいくことをおススメします。





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