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オラファーエリアソン展で目撃したSNSがアート鑑賞を殺しそうな様

先日オラファーエリアソンの「ときに川は橋となる。」を見てきた。(展覧会は終了している)世界を代表するインスタレーションアーティストの、地球環境への警笛と新しい行動習慣を促す作品の数々。素晴らしい展示だった。

んだけれども、言わせてほしい。

インスタグラマー多すぎいいいいい!!!!!!見るより撮り過ぎいいいいい!!!!


終始インスタグラマー撮影ツアーに混ざってしまったような時間でした。

作品鑑賞というよりは私のアカウントを充実させる獲物。とにかく撮る!わずかなチャンスは逃さない!という強い欲望を感じた。


オラファーエリアソンの叫びはあの子たちに届いただろうか。二酸化炭素テーマの作品の前で若い子たちが写真を撮って笑っている姿を見て、世界やべえ、とも思った。

もうアートはSNSに殺されてしまったのかもしれない。


美術館(特にインスタレーション)の来場目的が、鑑賞ではなく(私のイケてる写真の)撮影になっているようだが、美術界は、本当にそれでいいのだろうか。来場者の内訳が鑑賞者よりポートレート撮影者が上回ったいま、この状況を美術界のみなさんに直視してほしいと思うのは僕だけだろうか。


アート鑑賞を守るために、これからは例えば大人1400円、子供700円、インスタグラマー16000円てのはどうだろうか。世界的アーティストの作品を自分のために使うのだから。嗜好品と捉えてもいい。酒だってタバコだって、嗜好品には高い税金がかかる。アートと自分の写真を撮るのも嗜好だろう。写真を撮って16000円を払い、アーティストを支援したらみんなハッピー。敷居が高くなって減る来場者(撮影者の方)の数も値上げによって補填でき、美術界も鑑賞者も撮影者も満足で3方よし。16000円払っているのなら、キミがポーズを決めて16枚くらい写真を撮る時間、画角に入らないように待ってあげようという気になれるかもしれない。


せめてせめて、写真(作品単体ならまだしも、自分込みのポートレート)ばかり撮ってる人には、アーティストが魂削って作った作品に込められたものをその場でちゃんと見て、自分の身体に入れて帰ってほしいと思う。アートは撮影より鑑賞でしょう。


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