やっぱり僕は変態です(笑)
◇ アマチュア野球・審判員の現状
自己紹介にも書きましたが、僕は野球の審判員(アマチュア)をやっています。
今年から、学童、高校だけでなく、一般のクラブチームや企業の野球チームが参加する社会人野球にも審判員として加わります。
と言っても、体は一つしかないので少しずつ一般のリーグの方へウェイトを移していくだけなので、年間の試合数をこれ以上増やす気はありませんが。
実は、野球審判の世界は学童や少年、中学生も高校生も、そして一般のアマチュアでも、共通して人材不足のようで、なかなか審判を手配するのに苦労されているみたいです。
学童野球では、選手達は皆小学生ですし、保護者の皆さんの協力を得ながら運営されています。
公式戦での試合は市区町村にもよりますが、殆どの場合は連盟や協会の審判部が存在していても、人数は足りていないので各チームからお父さん達が交代で審判に駆り出されます。
これ、保護者の方々の協力があるからこそ成り立つ話なわけで、ですから学童野球はまだ随分恵まれている方です。
ところが中学生、高校生になるとそれもできず、まして一般社会人の場合には保護者の協力は得られません。
というか一般社会人では保護者はいません(笑)
野球部顧問をしている先生方が持ち回りのような形で審判をしていたり、
連盟の限られた人数しかいない審判員をフル稼働させてギリギリ試合を消化しているのが現実です。
ですから、今のような夏の暑い時期でも、一人の審判員が一日に二試合審判をするなどというケースは珍しくないどころか、ほぼ毎試合そんな感じになったりするのです。
早い話、アマチュア野球の世界ではいくら審判を募集しても、
「じゃ審判やろうかな」 などという奇特な人はおらず、慢性的に審判員不足なんです。
◇ 審判員になろうとする人がいない理由
いくつかの理由が考えられます。
というか、野球に携わる人達の殆どの人がこれらの事をまるで申し合わせたかのように口にします。
審判の知識、技術が難しく覚えるのが大変過ぎる
判定に対する抗議や苦情が怖い
判定について責任を持ちたくない
この3つは野球というスポーツの性質に起因するものではありますが、
他にも色々理由はあると思います。
シーズン中は毎週のように休日が潰れるとか、休日でも仕事のある人もいますし、自分の時間、家族と過ごす時間を持ちにくくなったりもします。
そういったことも、審判員をやろうという人が現れない大きな理由なのかもしれません。
◇ 野球審判の難しさ
テレビなどで高校野球の試合やプロ野球を観ていてもあまり目立ちませんが
数あるスポーツの中でも野球は特にルールが複雑で、多種多様な決まり事があります。
しかも、プレイが発生した僅かな瞬間(多分、ゼロコンマ何秒の世界です)を見て即座に判断しなければなりません。
プロ野球なら球場の設備も整っているので、最近ではビデオ判定という手法もないわけではありませんが、
プロ野球の審判員でさえ間違うことがあるくらいですから、
アマチュアのしかも年に一回の半日講習、一日講習を受けたくらいでは、
公式戦一試合を任せることのできる審判になるのはほぼ不可能です。
ちなみに、僕の場合ですけど、不安なく球審ができるようになるまでに少なくとも3年くらいはかかっていると思います。
それでも、自分なりにやる気になって熱心にやってこれですから、
一般の人の場合、塁審だけだとしても、毎週末審判をしたとしても、不安なくしっかりできるまでには最低一年みっちりやらないと難しいと思います。
それでも一年ならまだかなり早い方だと思います。
試合中にトラブル(野球規則に絡む判定への抗議など)が発生したときの対処方法(判定した理由を説明できるレベル)を習得することまで考えると、恐らくは3年くらい続けないとそのレベルには達しないと思います。
そんな難しさがあるので、子供が野球を始めたタイミングで、そのお父さんやお母さんも一緒にチームと行動を共にして、
機会があるごとに審判をやりながら、ルールや判定の仕方を学びます。
子供が進級すると野球のレベルも上がるし、お父さんお母さんの審判としての技術も少しステップアップします。
そうやって2年、3年続けていき、更にその先も積極的に審判をやろうという人が技術的にも知識もある程度のレベルに達する。
そういう難しさが審判員不足の根本の原因であることに間違いはなさそうです。
◇ やっぱり僕は変態(笑)
もう一つの理由である『責任』というところも非常に大きな要因です。
学童野球のように選手が子供であっても、それを率いている監督やコーチは中高年のオジサマばかりです。
しかも、そのオジサマ達は 高校、大学、社会人野球の修羅場を通ってきた
大ベテランで、子供が野球を始めたので自分も学童野球で指導者となって活躍しているということも全然珍しくありません。
そんな人が監督をしている試合で抗議を受けたら、自分はそれに対して
正しく対応できるんだろうか?
子供達の試合の勝敗によって選手の未来が変わってしまうかもしれない、
その試合を自分のような野球をやったことさえない人間が裁いて良いんだろうか?
誰だってそう思います。
そう思わない方が不思議なくらい、当たり前に誰でも考えることは
このような事なんです。
それなのに、そんな役割を自ら買って出る。
それって変態だよなぁぁぁ。
確かに、審判部で現役で審判をしているのは、50代60代のおじさんばかりだし、しかも普通の人とはどこか違うオーラを放っています。
そっか、あのオジサン達も変態かもしれないなあ・・・
そんなことを、ボーっと考えていました。
この年齢で自分から審判をやろうなんて思う僕は、
やっぱり筋金入りの変態なのだと確信しました(笑)
【お願い】
審判員をされている方々までもが変態であるかのような表現をしてしまい
大変申し訳ありません。
このような失礼をお詫び致します。
ただ、僕自身はどのような審判の方々であってもバカにするような意味や意図はまったくないことをご理解いただけますようお願いします。
皆さんのご指導がなければ僕は今のように審判員をすることができていないわけですから、皆さんへの感謝の気持ちでいることをお察しいただければ幸いです。
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