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そうだな、オミクロンの直撃をくらったおじさんの話でもしようか

あれはそう、いつだったっけな….この歳になるとちょっと前の出来事すら偶に忘れてしまうからいけねえ。そうだ、あれは2022年の1月12日だった。

これが最初の出来事だった。ただの風邪。そうとしか表現できねえ。だってそうだろ?鼻水出るだけだ。それに1月って日本じゃ冬なわけだ。寒いんだよな。鼻水だって普通に出てくるもんだ。始まりはほんとにただの鼻水だけだった。まあこんなもん酒のんで寝てりゃ治る。その時はそう思ってた。

だけどまあ、次の日になっても収まりゃしねえ。むしろ酷くなってる。朝起きて少し咳が出始めたりした。このときはまだ新型コロナの感染者が一日2000人くらい。それなりに流行り始めた時期だ。

軽い症状。そう聞き及んでいた。この軽い症状とやらが当時の俺の症状と一致してやがった。俺なりにもしかして罹っているんじゃないかと思ったわけだ。日頃からアルコールで手指消毒してるし、人が密集する飲食店にはなるべく寄らないようにしていた。会話するときもN95までとはいかねぇが、不織布マスクをしていた。これまでずっとそうしてきて、5回の流行を乗り切ったんだ。

今回だっていつもと変わらない生活をしていた。適度に遊んで適度に運動して、これまでみたいに普通に生活してきた……けど、今回はちょっと派手に遊んだかもしれねえ…
症状出る4日前くらいには、深夜まで酒飲んでたしていたしな。てっきりここが感染原かと思って、キャストの子や一緒に飲んでた人に体調を聞いてみたがみな症状無しだった。無症状だった可能性もあるけどな。それより、症状出る2日前に行ったスポーツジムで、咳き込んでるおっさんがたくさん更衣室にいたほうが怪しいかもしれない。それでも確かに言えることは、これまで罹ることなく回避してきたコロナの野郎が、とうとう俺のところにもやってきてしまったってことだけだな。

さて、どこまで話したか。そうだな鼻水の次の日に咳が出るってところだったな。そうだ咳が出た。朝起きて咳。止まらない鼻水、少しの喉の痛み。頭痛も少しする。しかし熱は微熱程度でほとんどない。そんな症状だ。その日は朝からリモートワークで仕事をしていたわけなんだがどうも集中できねえ。俺は会社に通院で離席することを伝え、診断に行くことを決意した。

最初はここにPCR検査受けに行こうとした。

だが、ここはかかりつけ医から予約をしてもらわないとだめらしい。比較的健康体の35歳男性にかかりつけ医なんてそうそういるわけ無いだろう。すぐ検査したいんだが、どうやらそれは難しそうだった。他の選択肢を探すべきだ。

色々受けられるところを探した結果、俺はここに決めた。

自費診療で即結果が出る検査のプランもあったが、保険診療で受けた。金額は3500円くらいだったな。普通に風邪で見てもらうより倍くらいの金額がかかった。まあ仕方ない。
到着して診療終わるまで40分くらいか。途中存在をうまく認識してもらえないような認識阻害が起きていたような気がするがいつものことなので気にならない。

俺以外にちらほらと待合に人がいた。みなPCR検査を受けに来たようだった。20代、30代くらいの若い人ばかりだった。診察の待ち時間に、職場環境や家族構成、正確なワクチン接種日時、学歴や生活習慣のアンケートを書かされた。よくニュースで見る感染者の内訳や属性はこれを使っているんだな。とか考えているうちに採血され、鼻に検査用の長い棒を突っ込まれて涙目になっている間に診察終了。陽性だったら電話で連絡します、という言伝をもらい帰宅。薬は10日分出された。カロナールに葛根湯、あとは咳止めと鼻水止め。よく見る風邪の時にもらう薬そのものだったな。新鮮味がなさ過ぎだったのだけ覚えてる。

もう俺にできるのは翌日の検査結果の連絡を待つだけになった。その日はもう退勤していたし、寝室でゆっくりすることにしたんだが、なぜか急に発熱しだす始末。38度くらいまで上がっていた。

これはコロナ確定では…と思いながらその日はおとなしく寝た。寝汗に悩まされて度々目を覚ます夜だったな。途中の覚醒による寝不足で朦朧としていた中、朝10時頃電話が掛かってきて目を覚ました。「コロナ陽性です」だろうな。あとは保健所からすぐ連絡があるからしばらく自宅で待機してくれと言伝をもらった。

無事?に診断結果が出てしまったので、急いで関連各所に連絡をする。直近で直接俺と会話した人には個別に連絡をいれ、会社にはコロナ陽性を連絡した。症状に気づく前の日の経営会議で会話した役員層にPCR受けることを伝えた。二人共陰性だったのが救いか。

濃厚接触者になってしまった妻と子供は自宅待機となる。妻の職場、学校に連絡してしばらく家で待機する指示を受ける。

あとはひたすら寝て過ごす。症状自体は風邪みたいなものが出るだけで、それだけで済んだ。夜間に上がっていた体温も平熱まで戻っていたな。しかし、ワクチン2回接種終わってなかったらどうなっていただろうか。運が良かったな。

ひたすら寝て保健所の連絡を待つ木曜日。しかし待てども待てども連絡がこない。感染者が増え始めていた時期だから仕方ないが、これで長期間自宅待機は堪える。自宅待機だと家族への感染も防げねぇ。
長時間の自宅待機、独身だったら詰むんじゃねーかなとか思いながら連絡を待ってた。が、結局その日は保健所から連絡来ることはなかった。

そうそう思い出した。この日からSMSで厚労省のコロナ管理システムへの状況登録の連絡が来たんだったな。

このサービス、b2clogin.comっていう不思議なドメインから来た。最初はスパムを疑ったが、掘っていくとMicrosoftの認証基盤を使っているらしい。職業柄こういうの気になるんだよな。

結果特に怪しいところはなかったので登録して、その日の体調を記録することにした。サービス自体の使い勝手は悪くなかった。いいじゃねぇか。このあとすぐにCOCOAの陽性者登録に使えるIDがSMS経由で送られてきた。COCOAを起動して陽性者登録もした。未だに使っているヤツがいるかは分からねぇが俺のやるべきことはすべて終わったはずだ。

いや、食材の手配を忘れていたな。家族は濃厚接触者なのでなるべく外に出ない方がいい。家の近くにスーパーあるからあえて使ってこなかったんだが、今回初めてネットスーパーを活用した。楽天西友、Amazonライフ、そしてイトーヨーカドー。それぞれで食材などを注文して注文体験を注意深く見る。…結局仕事してるな。比較した結果さすが10Xというか、イトーヨーカードーのネットスーパーが一番体験が良かった。すべてのネットスーパーがこのくらいの質を提供できるとだいぶ生活は豊かになるな。

発症を自覚してから4日めの1月15日(金)

相変わらず熱はないものの、徐々に悪化していく体調。

そしてこの日も保健所からの連絡はないまま、一日を寝て過ごした。

発症を自覚して5日めの1月16日(土)

この日子供が38度の熱を出した。やはり隔離されないまま自宅待機だとどうしても家族の感染を避けられないと理解した。

この日は子供の看病に追われる一日だった。保健所からの連絡はまだない。

症状を自覚して6日目の1月17日(日)

この日やっと保健所からの連絡がきた。陽性が発覚して4日めになるが症状が落ち着いて来た時に初動連絡。

治りかけのところで隔離指示されても…だ。今更隔離しても治りかけててほぼ意味がなく、他の人の枠を埋めるのも申し訳ないから自宅待機を継続した。支援物資の提供も提示されたが、これも同じ理由で辞退。

今回に限っては保健所全く役に立たなかった。中で頑張って働いてくれている人には悪いんだけどな。感染者が急増してる背景があるので仕方はないんだろうが、それでも対応できる体制を作っておくことが政治家とか区に求められているものじゃねーかな。

唯一保健所が役にたったのは、俺の自宅待機の期限を伝えてくれたことだな。1月21日(金)まで待機となった。出口が見えたのだけは感謝した。

この日も子供につきっきりで看病したり、様子を見たりしていた。子供、ワクチンもちろん打ってなかったので最初はかなり心配したが、一度熱が高くなってからは症状がなくなって元気一杯になっていた。特に気になる症状もないし、無事乗り越えたようだ。うちのコロナ闘病は終わった。この日まではそう思っていた。


人間先なんて読めねえもんだ。症状を自覚して7日目の1月18日(月)。妻が感染した。昼過ぎてもリビングに起きて来ないので様子を見に行った。普段体調をそうそう崩さない妻が発熱していた。

妻はワクチン接種を受けてない。元々注射で倒れる人だから避けてるようだが、それもあってなおさら心配した。接種歴がない人に肺炎症状出たりしていたからな。しかし熱が少しでて体動かしにくいだけで重くはならなかった。うちは運が良かったんだろうな。


俺のオミクロンとの戦いの記録はこれが全てだ。結構長く話しちまったな。1月22日の今日の時点では家族全員症状からは脱した。確かに今回のオミクロン株は重症にはなりにくいが、これまでのコロナに比べて圧倒的に感染力が強え。

かと言って、症状が軽いと言っても一部の人では重症になったりはする。多くの人は風邪症状で済むかもしれんが、死ぬやつもいるわけだ。そこはコレまでのコロナと同じようにできるだけ感染しない選択肢を選んでいくべきだと俺は思う。
今日は東京一万人超えたじゃねえか……感染者が増えると拡大のスピード上がるし病床使用率も上がる。もしこれを聞いてるやつが罹る時がくるとしたら今よりもっと状況が逼迫してるかもしれねえな。お前も十分気をつけろよ。病気なんてしねえのが一番だ。健康でいろよな。


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