松尾大社展と京都水族館、京都住みの土日その1
前回のあらすじ
葛井寺の格好良い御朱印帳に一目惚れして藤井寺まで行ったが、普通に在庫切れだった。
新たな御朱印帳を求め、京都水族館に向かうことを決めたが若干嫌な予感がしなくもない。果たして無事手に入れることができるのか…?
土曜日
水族館は人の少ない夕方に行きたかったので、先に京都文化博物館の松尾大社展に向かった。松尾大社は神像が面白く、庭がきれいだった思い出が残っている。
展示構成は書状が中心で、最後に神像が展示されていた。足利尊氏と光厳上皇の書状があった。両方しっかりとコラムまで掲載されていて驚く。尊氏の御判御教書は、弟の直義追討祈願という胃が痛くなる内容だった。コラムには、3枚ある書状の1枚のサイン(花押)が素人目に見てもおかしいのでこれは別人が書いたものである、と記されていたが、尊氏のサインって上手い時とぐにゃぐにゃの時があるのでよくわからなかった。言われてみれば変なような…?メンタル安定してる時は上手いみたいな解説をどこかで読んだような気がしなくもない。光厳上皇院宣は最近発見されたもので、ちょうど後醍醐天皇が吉野へ逃げた頃、松尾大社が光厳上皇に所領の安堵を求めてOKされたという内容だった。時代の移り変わりがわかって面白い。後期からは足利義満の書状も展示されるので南北朝ファンは是非。あと笑ってしまったのは松尾大社vs西芳寺との裁判バトルの書状(御師相郷陳状案と西芳寺雑掌重申状)。西芳寺のブチギレっぷりがすごかった。
最後の神像ゾーンはあまり人がおらず、かなりゆっくり見ることができた。神像は前から見られることしか想定しておらず、後ろが雑だったりやけに薄いものもあったりするが、松尾大社の神像はどれも背面までしっかり作り込まれていた。しかしポスターにもなっている有名な三体は、観察しているうちにかなり右に傾いていることに気づいた。特に女神像は正面に立つと全く目が合わないくらいにパーツが寄っている。どういう風に彫ったのか想像できて楽しかった。
お昼ご飯を食べて、洗濯物を干しに一旦帰ることにした。ふと、近場であることを思い出して御所八幡宮に参拝する。
京都に引っ越す前は隣のホテルによく泊まっていた。今は当時の2倍ほどの値段になっていて、もはや気軽に泊まれるところではない。
御所八幡宮に来たら尊氏邸跡も寄りたくなる。
しばらくぼんやりと眺め、のんびり家に向かった。こういうことが気軽にできるのが京都に住む大きすぎるメリットだ。
帰宅した途端に眠気が限界になり、横になって起きたら18時だった。京都水族館は19時閉館。終わった。洗濯物を取り込んで、さっさと寝た。
日曜日
起きたら昼前だった。夕方から水族館に行くとして、それまで家の掃除をしようと思うもやる気が出ない。横になりずっと観ようと思っていた「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」をようやく視聴した。噂通り面白かった。
夕方に外に出る。すでに日が暮れかけてもそこそこ暑い。夏はどうなってしまうのだろうとうんざりしつつ向かう。夕方の京都水族館は人が少ない。最初に展示されている、京都水族館の目玉であるオオサンショウウオをゆっくりと眺められた。
オオサンショウオを見るたびに、こんなにのんびりした生き物がいるのだろうかと思うが、実際はかなり荒々しい性格らしい。だが安全圏から見る分には可愛い。京都に来た年の誕生日に大きいぬいぐるみを買ったくらいには好きだ。ずっと見ていられるが、他の人もいるのでそこそこに退散した。
大きな水槽をしばらく見上げる。生まれ変わったらでかいエイになってのびのびと泳ぎ回りたい。
さて問題の御朱印帳売り場に来た。……もう、ひと目で分かった。売り切れている。明らかに売り場がスカスカだった。半分以上空いている。一応店員さんに聞いてみると、在庫切れかつ、いつ再入荷するか分からないらしい。まあこういうのは縁だから…と言い訳しつつも内心穏やかでない。しばらくイルカプールで呆然としていた。イルカは悠然と泳いでいた。
御朱印帳探しの旅はまだ続く…。
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