ジョジョ6部アニメを観た(後編)

 観た。
 ジョジョ1~8部のネタバレをします。




(ネタバレ回避の間)






 はい。
 前回の続きから。
 個人的に、4部では承太郎が現れた瞬間に勝ちを確信するっていうシーンがよくあった。シアーハートアタック戦なんかはドキドキさせられたけど、あの空条承太郎がこんなところで死ぬわけがないと心のどこかで思っていて、実際4部承太郎は「主人公を食っている」といわれるほど安心感のある活躍をしてくれた(私はあまり主人公を食ってるとは思っていないけれど。主人公はあくまで仗助だよ)。
 それに対して6部承太郎は、もちろん老成したというか、歳を重ねたことで磨きのかかった点も多かったけれど、序盤で徐倫を庇って一度瀕死になってしまった。というより、ほとんど死んでいた。「弱点もまた血統ゆえに」と終盤でプッチが言っていたが、はじめ死にかけた時も、そしてほんとうに死んでしまうその時までも、娘を庇っていた。そういう「弱点」が浮き彫りになってしまったようで、6部承太郎は見ていて少しつらい。3部では祖父の血を吸うDIOに怒りを燃やして勝利したというのに、血縁者を想う気持ちがいつしか弱点となってしまったというのが。
 アニメから話が逸れたな。生粋のジョジョラーである小野Dの熱演により、しみじみと6部アニメはつらかった。同じく物凄い熱量のジョジョラーであるファイちゃんの徐倫にも、たくさん泣かされた。話が前後して申し訳ないが、「とか言ったりして……ハハ」といつもの結婚の話を濁したアナスイへの「いいわ」という毅然とした徐倫の返事が、やっぱり好きだった。アニメ化にあたって楽しみだったシーンのひとつなので、もともとのハードルは高かったんだけれど、ファイちゃんはそれを思いっきり飛び越えてきてくれた。ほんとうに、ファイちゃんが徐倫を演じてくれて良かったと思う。だんだん凄味を増していくオラオララッシュとか、徐倫の成長を感じるようで思わず泣きそうになった。というか最終話近辺はずっと何かしらで泣いていた。
 声優さんの話をもうちょっと続けようか。もともとFateのオタクだったことがあるので、プッチの声がはじめはギルガメッシュにしか聞こえなくて申し訳なかったんだけれど、どんどん耳に馴染んでいってとても良かった。名台詞も迷台詞も熱演してくれたのがありがたい。「おまえごときうすっぺらな藁の家が」とか、「おまえの行動はエンポリオ……」「我が大いなる目的の前でエンポリオ!」とかすごく好きなんだ。なんだそのパンチラインは。なんだそのよくわからない倒置法は。でもそれを演じきってくれた関智一氏、グラッツェ。
 というかこの話はしなきゃいけないな。新OPそして特殊OP素晴らしかった!しかも作曲があの菅野祐悟氏。いわゆる処刑用BGM等の劇伴音楽とか、3部のあの『アク役◇協奏曲』とか、5部の『裏切り者のレクイエム』とか、とにかくジョジョの曲をたくさん作ってくれている方。6部クライマックスのOPに相応しい、凄まじくかっこいい曲を作ってくれた。最高〜〜〜(IQ2)。すぐ各種サブスクで配信が始まったので毎日聞いているんだけれど、聞くたびに6部終盤を思って「大好き……」と色々な感情を噛み締めている。それにOP制作は我らが神風動画さん!まさかの1部OPリスペクトで度肝を抜かれた。徐倫は承太郎の娘であり、つまりは確実にジョナサンの血を受け継いでいる。あの世界でのジョースター家の始まりと終わりの主人公を、ああいう形で表現してくれたのが本当に嬉しかった。特殊OPはまさにそうで、歴代主人公、つまりジョースターの血統にフィーチャーされていた。ここにも1部OPリスペクトがあって、まさか1部制作時からこの構想を練っていたんじゃあないだろうな?と疑いたくなる。ここまでシルエットになっていたDIOの息子たちの顔面が映ったのを見た瞬間、「特殊OPだ!!」と最高にハイになったのは私だけじゃあないだろう。ウンガロの顔がまず視界に飛び込んできて思わず笑ってしまった。ジョルノ、リキエル、ヴェルサスは結構美形といえる造形だが(リキエルはまぶたさえ上がればだが)、ウンガロはなんというか……ダリオに似ているよな。隔世遺伝ってやつか。
 ちょっと話がズレた。原作でもあった演出だけど、時の加速がはやまる中で、既に死んでいる承太郎やエルメェスたちの体がどんどん腐って風化していくところ、ほんとうに観ていて辛かったな。それをどうすることもできないエンポリオ、そしてプッチの足止めのために残る徐倫……「来いッ!プッチ神父」という台詞、確か3期PVのラストで流されて思い切り頭を抱えたんだよな。あれが結局、エンポリオの聞いた徐倫の最後の言葉だったわけで。水の中でどれだけ喋ってんだとか、水の中なのにめちゃめちゃ涙流れてる?とか、突っ込もうとすれば突っ込みどころはまああるんだけど、それ以前にあの会話自体がとても好きだから何も言えなくなってしまった。「生きのびるのよ あんたは『希望』!」って台詞、アナスイに言った「あなたの考えには希望がある」っていう言葉を思い出して泣けるし、最後まで希望を捨てないどころか、希望のために自分が残ってエンポリオを逃がす、という徐倫の強さが……とてもいい。語彙力がそろそろ無くなってきた。
 ジョースターは血統ゆえに強く、弱点もまた血統である、というのがプッチの言っていたことだけど、それは7部以降のジョースター家にも引き継がれたんだなと思う。8部終盤のラヂオ・ガガ事件で、ルーシーが「わたしは知っている……(中略)『使命』で繋がっていることを 目では見えない……『心の力(スタンド)』があることを」とジョセフ(文くん)に言っていたけど、彼女はジョニィ・ジョースターのことしか知らないはずなんだよな。けれどジョニィのものと同じ星の痣をジョセフにも見出して、「彼の血統ならきっとあの力を持っている」と確信したというのが、たまらなく好きなんだ……それでこそジョジョだよ。7,8部世界のジョセフもきっと「ジョジョ」だったんだろう。世界が一巡しかけたくらいじゃあジョースターの血統は揺らがない。そして「ディオ」との因縁も。……8部にディオ要素は無かったが、それでも定助は間違いなく「ジョジョ」だものな。ジョニィやジョセフの直接の子孫ではないにせよ、直系の子孫である吉良吉影と、ジョセフから名を受け継いだ空条仗世文の混ざった存在なわけだし。最終的には「どちらでもない、土の中からの『定助』だ」という結論に落ち着いたけれど……それも、名実ともに東方家に迎え入れられることによって、孤独な結論ではなくなっていくんじゃあないかと思う。また話がズレた気がするが、とにかくこれからのジョースター家の行く末も楽しみだよねというところで。
 アニメの最後のシーンとても良かったなー。エンポリオがずっと良かった。「ぼくの名前はエンポリオです」、あれみんな泣かされただろ(クソデカ主語)。最終回はエンポリオと一緒に泣いてた。アイリンの星の痣をすごく丁寧に映してくれて嬉しかった。声優さん方が前の世界から続投(?)してくれたのも良かった。なんでもない会話を聞きながら号泣する感覚、原作を読んで以来だったな……
 話がブレまくったけれど、6部アニメとても素晴らしかったです。ありがとう……それしか言う言葉がみつからない……7部以降もアニメ化してくれると信じて生きる。
 ジョジョが好きだ!

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