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【ぶらり散歩】名刹 称名寺の黄葉で目の保養

横浜市金沢区に称名寺(しょうみょうじ)という古刹がある。
最寄駅は京急電鉄の金沢文庫。日本史の時間に習って覚えている方もいるかもしれないが、北条実時がこの地に設けた武家としては日本最古の文庫、つまりいろんな文献を収納しておく専用の書庫を設けたのがその名の由来だ。

称名寺も北条実時が建てたもの。
今や閑静な住宅街の一角に埋もれ、そこにあると知らなければ素通りしてしまいそうなほど密やかに存在している。が、その実、一歩立ち入れば風光明美な庭園という有様で、自然に囲まれながら穏やかなひと時を過ごせる。

山門は相当な年季を感じさせ、夕暮れ時にはノスタルジーを醸し出す

この寺の一番の見所は、境内中央の池と、その水面に映る朱色の橋と金色の銀杏だろう。どこか物悲しさを漂わせるが、木陰で小鳥がさえずり、水鳥が羽をはすめ、鯉や亀が縦横無尽に遊泳するこの生態系は実は生命に溢れている。

陰りかけた西陽に照らされ金色に輝く橋梁や銀杏のふくよかな枝なりは、さながら一服の絵画である。

まだ午後4時前というのに、すでに日は大きく傾いて黄金の黄昏時を迎えている。ここから日の入りまではあっという間、つるべ落としである。

日頃の喧騒とは程遠いのどかなひと時を過ごし、鳥たちのさえずりに見送られながらこの愛すべき名刹を後にした。


さて、小さな秋散歩をお楽しみいただけたでしょうか。
次回はさらに深まりつつある東京の秋をお届けします!
ご期待ください。


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