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【ぶらり散歩】豪徳寺で「アレ」まみれ
クリスマスの華やぎが幕を閉じ、年末年始モードに突入した。
この時期は小春日和が続き、きちんと防寒すれば散歩の足取りも軽い。
今日降り立ったのは、豪徳寺駅。
新宿から小田急でたったの15分。
日本一カオスでわい雑なあの喧騒とまるで縁がないかのような落ち着き払った街。
小田急の複々線の高架とクロスする形で、東急世田谷線の可愛らしいミニ車両が地べたを走り、微妙に漂うローカル感が心地いい。
この完成な住宅街に来たのは、インスタでよく見かける「大量のアレ」を生で見たかったから。多分このSNSの影響で、この街を訪れる観光客は外国人を含めて爆増しているのではないか。
忙しい方は、まずは今回の散歩を2分で一気見してみよう。
さて、ここからはじっくり。
駅前商店街を世田谷線の線路沿いにのんびり歩きながら、少し左に折れて住宅街を進むこと約10分。Googleマップ片手に2〜3人のグループで同じ方向に進む数組の外国人も見える。
曹洞宗 豪徳寺
幕末の大老、桜田門外の変で命を落とした井伊直弼の墓もある豪徳寺の境内はよくよく手の行き届いた庭園が広がる。
本殿の脇のベンチに腰変えて一休みするお年寄りが、絵になり過ぎるほど雰囲気に溶け込んでいた。
まだ3時台というのに木々の隙間からは西陽が差し、澄んだ青空の下、木造の社屋や三重塔に黄金色のアクセントを与えている。
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招福殿
さてさて、境内のリラックスした空気も魅力的だが、何と言ってもこちらである。来る人来る人皆一様にこの招福殿に緩やかに吸い込まれていく。
お目当ては、これ!
大量の招き猫!!!
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この拝殿の左側に視線をやった瞬間、ボクを含め参拝者全員の瞳孔が開くのを感じた。この狭い一角だけ不自然に混み合っている笑
皆スマホを取り出し、少し興奮した面持ちで「猫だまり」(とボクは名付けることにした)」を写真に収める順番を今や遅しと待っているのだ。
とはいえ、このタイミングは絶妙に繁忙を避けられたのではないか。行列というほどではなく、4組ほどが狭い空間を譲り合いながらゆっくりと進み、思い思いにポーズを撮っていた。
もう一度言おう。
大量の、大量の、招き猫!!!!!!!!!笑
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「あはーっ、こんな隙間にまでビッチリ!」とどこかで感嘆の声が上がる。
そう、大小、そして極小に至るまで、隙間という隙間をあらゆるサイズの招き猫が所狭しと埋め尽くしているのだ。
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ここにある招き猫は、参拝者が境内の販売所で購入して奉納したもの。中にはメガネを描いたものや、お腹のあたりに願い事を書き添えたものもある。そして、それぞれが限られたスペースの中で居場所を見つけて置いて行ったのだ。
それにしても、どうしてこんなに招き猫が…?
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はじまりは、一匹の猫が
鷹狩り帰りの殿様を、寺へ招いたこと。
ある日、この地を通りかかった鷹狩り帰りの殿様が、お寺の門前にいた猫に手招きされ、立ち寄ることに。
寺で過ごしていると、突然雷が鳴り雨が降りはじめました。
雷雨を避けられた上に、和尚との話も楽しめた殿様は、その幸運にいたく感動したそうです。
それが彦根藩主の井伊直孝でした。
豪德寺は、直孝に支援され、寛永10年(1633年)に再興しました。
その後、豪德寺では、福を招いた猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、
お祀りする招福殿が建てられました。
つまり、ここ豪徳寺が招き猫発祥の地というわけ。日本人のキャラクター文化はこういうところに根差しているのかもしれない。今や魅了されているのは日本人だけではない。フランスからの母娘も、アメリカからの親子も、台湾からの家族も、一様に引き込まれている。
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中華系の真面目そうな青年に家族写真を撮ってくれと頼まれ、快く引き受ける。自分では髭面の仏頂面だと思っているのだが、なぜか気安く道を尋ねられたり写真をお願いされることが多い。海外ではカモられたこともあるので、側からは人畜無害な人の良さそ〜なおじさんに見えるのだろう。
こちらが招き猫の販売所だが、
「大変申し訳ありません 招き猫完売です
SORRY ALL CATS SOLD OUT」
とある。
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「え〜、そんなことあった?こんなにたくさんなかったよね昔は…」
恐らくご近所さんだろう。中年夫婦が思いがけない招き猫人気に驚きを隠せないでいた。
来訪者が増え招き猫が無限に増えても、この場所の平穏と暖かい交流が変わらないことを祈りつつ、黄昏の豪徳寺を後にした。
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招き猫ジェネシスを辿った今回のぶらり散歩はいかがでしたか?
公私共に多忙を極めた2023年。その締めくくりとして訪れた豪徳寺には癒しとエネルギーをいただき感謝です!
面白かった!行ってみたくなった!という方は迷うことなくスキ&フォローをお願いします笑
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