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【ぶらり散歩】誰もいない漆黒の川崎大師に忍び入る
そんなつもりじゃなかったんだが…結局忍び入ってる感じになった。
通勤経路から少し脇にそれて、京急川崎から大師線に飛び乗り、向かったのは川崎大師。
本当は夕暮れ時に訪れ、夕陽色の社殿を収める気でいた。が、仕事の都合で30分遅くなった。この季節、日の入りは早い。
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正式名称、大本山川崎大師平間寺。
弘法大師を祀る「厄除大師」としてこの高名な寺院の由緒には、ドラマチックなものがある。
平安時代末期・崇徳天皇の御代。
無実の罪により生国である尾張を追われ諸国流浪の果てに川崎にたどり着いた平間兼乗(ひらまかねのり)は、漁師として慎ましく生計をたてながら、深く仏法に帰依しとくに弘法大師を崇信していた。
兼乗が42歳厄年のとき、夢まくらに高僧が立ち「我むかし唐にありしころ、我が像を刻み、海上に放ちしことあり。以来未だ有縁の人を得ず。いま、汝速やかに網し、これを供養し、功徳を諸人に及ぼさば、汝が災厄転じて福徳となり。諸願もまた満足すべし」と告げた。
夢のお告げに従い海にでた兼乗が、海中から引き揚げた木像こそ御本尊・厄除弘法大師尊像であった。兼乗は尊像を浄め、ささやかな草庵にお祀りし朝夕欠かさず供養を捧げた。
ある時、諸国遊化の途中に偶然兼乗のもとを立ち寄られた高野山の尊賢上人は、尊像奉祀の由縁と兼乗の境遇を知り感激され二人で力をあわせ、大治3年(1128)一寺を建立。兼乗の姓・平間から平間寺(へいけんじ)と号し、御本尊に厄除弘法大師を奉安した。そして、長承3年(1134)お大師さまのご加護ご利益により無実の罪が晴れた兼乗は、生国に帰ることができた。
皇室の篤い尊信や11代将軍・徳川家斉公の厄除け祈願参拝によって、江戸庶民の間をはじめ全国に「厄除けのお大師さま」として一層広く知られることになり今日に至る。
とはいえ、すでに本堂の「営業時間」は過ぎており、駅から延々とつづく参道は灯りも乏しく、いくつかの飲食店がポツポツを営業しているのみ。
さらにいよいよ「入り口」となる仲見世商店街は、完全なるシャッター街とかし、道ゆく人はごくまばらで何とも寂しい。
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それでも、地域の人のために灯された街頭は昼は賑わい豊かでろう店々の暖簾や看板、旗印をぼわんと照らし、ポカンと開いた口を閉じることも忘れてたじたじと歩みを進める自分は、さながら神隠しにあった千尋の面持ちである。
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正面ゲートである「大山門」から大本堂を狙った写真は、あまりも周囲が暗過ぎてどうにも見るに耐えないからご覧には入れられないが、一度くぐって境内から仲見世を振り返って見ると、門の威容の向こうに娑婆が輝気を放ち、なかなかの壮観だった。
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そして、これが、人っ子ひとりいない18:00の境内だ。繰り返すがまだ夕方6時である。浅草寺はこの時間でもまだまだ外国人が結構いるから、これだけの名門寺院でありながらまさに好対照。
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続いては、迫力満点の八角五重塔。
これ、全くライトアップされていないので、実際は闇の中にさらに黒々と重厚な建造物を「感じる」に過ぎないのだが、PhotoshopアプリのHDRフィルタで加工するとこの通り。今度はぜひ日中に拝みたい。
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しかし、この境内、広い。。。
暗過ぎてどこに何があるか分からず、とりあえず目に付く建物は回ったが、実際にはさらに奥まったところに薬師堂やら、橋のかかる庭園めいた風情豊かな区画もあるようだ。詳しくは下の楽しげなマップをご覧いただきたい。
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正直なところ、川崎大師はやはり日中の活気ある姿こそ本領だろう。そういう意味ではなかなかググっても出てこない「裏の魅力」を捉えた希少な写真が撮れたともいえるのかもしれない。
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【余談】
周辺の住宅街もブラブラしてみたのだが、その際こんなものを見つけてしまった。
駐車場に描かれていた、落書きと片付けてしまうのはもったいないほどのクオリティのアンパンマンキャラたち...
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■営業時間(大本堂開扉時間)
平常時(2月1日~12月30日)の大本堂開扉時間
4月~9月 5:30~18:00
10月~3月 6:00~17:30
但し21日は 5:30~17:30
■アクセス
京急川崎駅より大師線に乗り換え、川崎大師駅下車、徒歩8分…と
オフィシャルサイトにはあるものの10分強はかかる。大晦日・正月は大変な人で大混雑するので数十分〜1時間くらいは見込んでおくべきだ。
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