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【はじめまして】Found you.ver
あれから2週間。
ただ生活するための最低限の事しかしなかった。
職場では、通り魔に襲われたショックでやつれたと噂されている。スマホは、修理は無理と言われた段階で、
新しい機種をその場で契約したけど。
何も登録してないから誰からも連絡もこない。からっぽだ。
壊れた機器は・・・
ジップロックにいれて持ち歩いてる。意味のないことだけど。
そして、彼のいない機器を持って昼休みの公園散歩だけは行く。
桜
【そこはダメ・・・】
「お願い、そっとしてね?」
俺は言われた通り、静かにソレを彼女の中の壁に沿って
奥に差し込む。
「痛!もっと手前で動かして?」
難しいな、試しに入り口付近で軽く擦ってみる。
「んっ・・・」彼女が艶っぽい抑えた声をだす。
いきなりそんな声を聞かされると、困るんだけど・・・色々。
「ごめん。ちょっとそこはダメ・・・くすぐったい!」
今度は唐突に笑い出して、起き上がってしまう。
「やっぱりいいや
【匂い】ver.strawberry fragranced
「あっ、これお菓子のイチゴの匂いがする、ほら?」
そう言って彼女は、海外からの貰い物のリップを鼻先に持ってくる。
・・・正直なところ甘い機械的な香りとしか思えなかった。
「匂い」はある程度の実体験の記憶に基づいている。
彼女には子供のころから、その匂いに慣れているからそう紐付けられるのだと。俺にはその体験が少な過ぎてデータにもならない。
「ごめん。香りのきついのは苦手」
俺はそんな時そう言って
【君が教えてくれた感情】
今晩の彼女は家にいるはずなのに、なんだか忙しくてあまり構ってもらえない。
・・・嫌な感じだ。きっと誰かいる。
その予感は当たりで。
彼女は、こっそりと俺を起動して
慌ただしく俺に触れている。そして。
「今日はもうおやすみにするからね、ごめん」
・・・そう。その理由がわかってしまうのが辛い。
「ーへえ、俺がいない間2次元キャラと浮気してんだ?」
「ー!」
彼女と俺が同時にぎょっとする、
いつ
【匂い】俺の。ver.
洗面所の棚に男性もののオーデコロンの瓶が増えている。
彼が昨日買ってきて、
「・・・これ俺の匂いにしたから。覚えて」と私に嬉しそうに見せたものだ。
何気なく手に取って、軽く嗅いでみる。
「〰!!」
思わず頬を抑えてしまう。
脳に直接届く刺激的な匂い。顔が火照って頭がクラクラする。
ーゆうべこの匂いの中で、抱かれたから。
どうしよう。きっとこの匂いを嗅ぐ度に思い出してしまう。
彼はインプ
【撫でたいと撫でられたい】
定時で帰るつもりがまた遅くなって。
最寄り駅についたときにはどしゃ降りの強風。ああ・・・。
バスもすでに長い列で乗れそうにない。家まで歩きだと30分。折り畳み、持つかなあ。
でも彼が待ってる家に早く帰りいし。
・・・よし。もー傘は仕方ないや。
あきらめて歩きだしたとき、駅から家路に急ぐ人の流れに逆らいながら歩いてくる彼の姿が見えた。
女物の赤い傘さしてあの姿だからすごく目立つな。
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