【書き散らし】SAOと精神・発達障害の関係について思ったこと

皆様ご無沙汰しております。shinoです。タイトルの通りです。最近ちょっと考えたことがあったので、どうせなら記事にしようという話です。


まずは

SAOの作中には、技術的分類として2種類の仮想世界があります。STL&ニーモニックビジュアルデータによるものと、それ以外です。

もっと簡単に言えば、アンダーワールドとそれ以外です。

アンダーワールドが、それ以外の仮想世界と比べて異なる点は何でしょう。
まぁたくさんありますね。高度なAIがいる、心意が使える、めっちゃリアル、等々。1つ目はともかくとして、後半2つに関しては、まぁ凡そ同じ事柄に起因しています。

それこそがSTLの存在です。そもそもの話、STLはナーヴギアやアミュスフィアとは根本的に仕組みが違うわけです。端的に説明しますと、ナーヴギアを始めとした(作中で)一般的に利用されているVR機器は脳細胞に、STLは脳細胞の更に深部であるフラクトライトに干渉しているわけです。

まぁ細かいことは原作9巻129ページ辺りを読んでください。普通の理解力があれば理解できると思います。

ところで

架空の話をします。

あなたはパソコンを使っていたら、急に画面に変なノイズが走るようになってしまいました。試しに再起動してみたり、OSをアップデートしてみたりしましたが、治りません。はてさて困り果てて、モニターを別のものに交換してみたら、綺麗さっぱり症状はなくなりました。

この場合、問題を抱えていたモノは何かと聞かれれば、まぁ十中八九古いモニターの方ですよね。

逆に、PCのデータ上にウイルスが入り込んでいたり、バグが発生していたりすれば、それはソフトウェアに問題があるということになります。

このような、原因の在処をデバイスかソフトウェアかに分けて考えるという観点を覚えておいてください。

ところで2

皆さんはマザーズ・ロザリオ編にて、ユウキの入院している病院を訪れたアスナが医師から受けた説明を覚えていますでしょうか。視覚・聴覚障害者について、そして「ロックトイン状態」、あるいは閉じ込め症候群と呼ばれる状況についての説明ですね。とりあえず以下に該当の部分を引用します。

「視覚や聴覚に障害を持つ人たちにとっては、あの機械はまさに福音なんですよ。先天的に脳に機能障害がある場合は残念ながら除外されますが、眼球から視神経に異常があっても、アミュスフィアなら直接脳に映像を送り込めるわけです。」(202ページ6行目)

「脳の、思考する部分は正常なのだが、体を制御する部分に障害があり、意思を表すことができない状態です。(中略)たとえ体が動かなくても、VRワールドを利用して社会復帰できる可能性すらあるのです」(204ページ11行目)

ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ

勘のいい方ならお気づきかもしれませんが、引用の例にあったような人々は、先ほどの喩えでいうところの「デバイスに問題がある」人になるわけです。

先ほどの「モニターを交換する」に当たる行為が、今回でいう「アミュスフィアやメディキュボイドを用いて脳の信号に直接干渉する」なのです。

つまるところ、感覚器官をデバイス、脳をソフトウェアとして動作させているわけです。

さて

いよいよ本題に近づいていきます。

従来のBMI(ブレインマシーンインターフェース)では、脳細胞とその周辺の神経系をソフトウェアとして演算していました。

それでは、STLでは?

その通りです、フラクトライトです。

つまるところ、STLは「物理脳すらデバイスとすること」に成功してしまったわけです。

先ほど引用した「先天的に脳に機能障害がある」人達をも、STLは"救う"ことができます。

一旦整理しましょう。STLにおいては、物理脳より上の階層がデバイス、フラクトライトをソフトウェアとしているわけです。

それでは、先ほどから考察している「デバイスの問題」という事柄を、STLの場合に当てはめて考えてみましょう。
この場合のデバイスの問題というのは、要するに脳の問題、つまり「脳の働き方の異常」と換言できます。

昨今の世の中で「脳の働き方の異常」として考えられているものといえば何でしょう。ここでタイトル回収です。そう、「精神・発達障害」ですね。

一昔前は「心の病」「怠け・甘え」と称されていたものが、今では「脳の異常」として扱われています。

そこで、一旦「精神・発達障害は全て脳の異常に起因するものである」という命題について考えてみましょう。
これを真だと考えるとき、フラクトライトのみに着目した際、つまりSTLを用いてアンダーワールドにログインした際には精神・発達障害は発現しないと考えられます。
なにせ、精神障害は「デバイスの異常」ですから。

ここで新たな観点として疑問に上がってくるのが「本当にソフトウェアの異常は存在しないのか」ということです。

これについては、興味深い例がいくつかありますが、ここではわかりやすく一つを紹介します。

シェータ・シンセシス・トゥエルブという整合騎士がいます。SAOフリークの方々ならご存知でしょうが、彼女は「殺人衝動」という明らかな異常を抱えています。さらに言えば、その"呪い"はアドミニストレータに「形質遺伝パラメータの揺らぎ」であると明言されています(17巻224ページ)。

形質遺伝パラメータの揺らぎ、つまり簡単に言えばフラクトライトの異常です。一瞬で反例が見つかりました。

つまり、先述の命題は(少なくともこの議論の中においては)偽であることが示されました。

それでは、なぜ実際我々が生活している世界においては、それが真とされているのか。所謂"配慮"などと邪推してみることもできますが、私は別の考えを提示したいです。

それは「現代科学における"心"の最小単位が脳であるから」ということです。言い換えれば、現代科学では脳をデバイスとすることに成功していないからです。
仮に現実世界でもフラクトライト、もしくはそれに準ずる存在が発見され、SAOの理論体系が現実にも適応されると考えると、今日の世の中で精神・発達障害と一括りにされているものも、脳の異常によるものと、もっと深い部分のそれとに区別することが可能なのではないかという話です。

つまり

SAO世界でいうところのフラクトライト、所謂「精神原型」「魂のイデア」みたいなものが現実に存在するのか、という話がキーになってくるわけです。是非とも脳科学分野の方たちには頑張っていただきたいものです。

ちなみに

そもそも、異常が起きないものなどないのですから、それらが発見された時点で「精神障害は全て脳の異常に起因する」という言説は否定されます。

もしくは、それが発見されたとして、"フラクトライト"の異常は"病気"じゃなくて"性格"ということになるのかなぁという空想を最後に、記事を終わらせていただきます。

なんか質問とかあったらtwitterとかnoteのコメントにください。多分返します。

それでは。


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