Vol.1 デザイナー・リサーチャー育成はじめました -業務に必要な知識とスキルの洗い出し方-
こんにちは、デザイナーの篠原(@shinopara_jp) です。サイボウズという会社でデザイナーの採用・育成・チームブランディングを担当しています。
今年に入ってチームメンバーの働き方が大きく変わり、改めてデザイナー・リサーチャー育成のあり方について見直しを始めました。これからnoteでサイボウズ デザイン&リサーチの育成に関する取り組みについて紹介する連載記事を書いていきたいと思います。
初回は「業務に必要な知識とスキルの洗い出し方」についてご紹介します。
育成を見直すきっかけ
リモート前提の働き方が当たり前に
新型コロナの影響で今年に入ってから9割のメンバーが在宅メインの働き方になりました。今までは働く時間と空間を共有していたので、様子を見ながら適切なタイミングで相談やアドバイスを行うことが可能でしたが、それが難しくなってきました。
メンバーが増えて、誰がどんなスキルを持っているのか把握が困難に
サイボウズ デザイン&リサーチは現在17名で活動しています。今までは誰がどんなスキルを持っているのか口頭で共有していましたが、人数が増えるにつれコミュニケーションコストが高くなってきました。適切な業務をアサインし、メンバーの能力高めるためにも誰がどのようなスキルを持っていて何が得意なのか可視化して共有する必要性が高まってきました。
組織が大きくなる過渡期
今年からサイボウズ デザイン&リサーチの中に6つのサブチームが誕生しました。今後も人数が増えることを考えると、サブチームごとに業務で必要な知識・スキルをあらかじめ見える化し、本人の適性を見ながら計画的・効率的に身につけていけるような仕組みづくりが必要と感じるようになりました。
より良い育成体制を構築するための取り組み
これらのきっかけから、より良い育成体制を構築するために3つのアクションに取り組むことにしました。
1. 業務に必要な「知識」と「スキル」の洗い出し
2. メンバーが持っているスキルの見える化
3. 育成コンテンツの整備
これから1 の『業務に必要な「知識」と「スキル」の洗い出し』について詳しくご紹介していきます。
業務に必要な「知識」と「スキル」の洗い出し
育成のゴールの一つは「所属メンバーが業務を遂行できるようになる」ことだと思います。そのためにはまず、業務に必要な「知識」と「スキル」を把握することが必要不可欠です。
今まではメンバーが少なかったので、「この業務をするには、このスキルと知識があるといいよ」ということを口頭で共有してきたのですが、メンバーが増えてくるとその都度説明が必要になり、コミュニケーションコストがかかるようになりました。
そこで、業務を行う上で必要な知識とスキルを洗い出して、誰でも・いつでも見られるようにしました。
洗い出し方法
洗い出しにはmiroというツールを活用しました。miroは簡単にいうとオンライン上で使えるホワイトボードです。ホワイトボードは複数人で共有して編集できるため、付箋を使ってブレストをしたり、ワークフローの計画や管理をすることができます。
miroを使うメリットは、ボードを共同編集できるので、オンライン上で複数人が集まり、認識を合わせながら業務に必要な知識とスキルを書き出すことができることです。
洗い出しはサイボウズ デザイン&リサーチのメンバー全員で行いました。まず始めに、以下のような表をベースとして作っておきます。こうすることで業務カテゴリごとに必要な知識とスキルが整理しやすくなります。
サイボウズ デザイン&リサーチではデザイン・リサーチ・アクセシビリティ・グローバルを業務の基幹となるBasicカテゴリと位置付け、マーケット・エンジニアリング・プレゼンテーション・マネジメントをプラスアルファの業務となるAdditionalカテゴリと位置付けています。
「知識」に関しては、業務カテゴリごとに身に付けておきたい知識の内容を箇条書きでまとめ、知識を身につけるために最適な本とコンテンツをピックアップしました。
「スキル」に関しては以下の写真のようにカード1つにつき1スキル書き込んでいきます。新卒デザイナーに身に付けて欲しいスキルに関してはEntry Levelというラベルをつけて、業務を行う上で率先して身につけるべきスキルを整理しました。
そして書き出したカードを業務カテゴリごとにグルーピングして並べていきます。追加したり削除したりを繰り返し、スキルは最終的に72個になりました。
洗い出したスキルは全てIDを割り当ててkintoneのアプリに登録しました。kintoneは簡単にいうと業務アプリが簡単に構築できるサイボウズのクラウドサービスです。今回はスキルのデータベースとしてkintoneのアプリを活用しました。
kintoneを利用するメリットは二つあって、一つはスキルに対して様々な属性を設定することができるので、スキルリストの運用管理が簡単にできること。二つ目はサイボウズ社員であれば、いつでも誰でも閲覧できるという点です。
やってよかったこと
・業務に必要な知識・スキルについてチームで共通の認識が持てた
・育成体制を構築するための土台ができた
次回予告:メンバーが持っているスキルの見える化
業務に必要な知識とスキルが分かると、次はメンバーが現状どんなスキルを持っていのか?という部分が気になってきますね。次回の記事では、今回洗い出したスキルを活用して、メンバーが持っているスキルを見える化する方法をご紹介したいと思います。
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