Podcastのはじめ方
こんにちは、篠原(@shinopara_jp) です。サイボウズという会社でデザイナーとして働いています。
サイボウズ デザイン&リサーチでは、日々の活動や取り組みを雑談形式で紹介するCybozu Design PodcastというPodcast番組を配信しています。
「Podcastって収録や配信どうやるの?」という、ずぶの素人状態から始めたわけなのですが、失敗や試行錯誤を重ねまくり、最近ようやく収録から配信までスムーズに行う「型」のようなものが出来上がってきたので紹介したいと思います!
これからチームでPodcastを始めたいと思っている方の参考になれば嬉しいです。
収録→配信までの流れ
Cybozu Design Podcastではこれらの工程を1〜2週間程度で行なっています。これからそれぞれの工程で具体的にどういうことを行なっているのかを紹介します!
1. エピソードのネタ探し
サイボウズ デザイン&リサーチでは週に一度、業務の進捗状況を共有する定例会があるので、そこで共有された話題からPodcastのネタをピックアップしてリスト化しています。(モザイクがかかっている部分は今後収録予定のネタです)
Cybozu Design Podcastで取り扱うネタは、デザイン・リサーチ・アクセシビリティを軸にした、現場のリアルな取り組みや裏話がメインです。飾らず、ありのままを紹介するように心がけています。
定例会でネタ探しをするメリットとしては、良さそうな話題が上がった時に「それPodcastで話しませんか?」とその場で合意形成ができることです。わざわざ別途打ち合わせを設ける手間が省けます。
2.事前打ち合わせ
本番収録1週間〜3日前に出演メンバーと事前打ち合わせを1時間ほど行います。どのようなことをPodcastで話すと良さそうかざっくり整理するのが目的です。
Podcastの司会者として未熟なせいもあるのですが、事前打ち合わせをせずにぶっつけ本番で収録すると、話がいろんな方向に脱線して収拾がつかなくなってしまったり、逆にまったく会話が続かず、シーンとなったりするので事前打ち合わせは結構大事だなと感じています。
ここで重要なのは「ざっくり整理」することです。ここで話す内容についてきっちり整理しすぎると、本番収録の時の会話がぎこちなくなってしまい、あまり盛り上がらなくなります。
私はこんな感じで、事前打ち合わせ後に話すポイントを簡単に書き出して出演メンバーに共有しています。
それぞれのポイントでどのくらいの尺を使うのか目安の時間を記載しておくと、話が長くなりすぎたり、短くなりすぎるのを防ぐことができます。
3.本番収録
収録の時間は1時間ほど確保します。ここで大切なのは、いきなり収録を始めるのではなく、最初の5分は事前打ち合わせで作ったメモを出演メンバーと見ながら、話す内容について軽くすり合わせることです。
事前打ち合わせから時間があいてしまうと、意外と話す内容を忘れがちなので、ここで軽くすり合わせします。
すり合わせが終わったらいよいよ収録です。収録はZoomのレコーディング機能を使います。レコーディングをすると MP4(ビデオ)、M4A(オーディオ)、テキスト(チャット)の形式で保存されるので、M4AファイルをPodcastに使います。
番組の尺ですが、仕事や通勤しながらサクッと聴ける長さを目安としているため、1エピソード20分前後(長くても約30分)にしています。
収録で使っている機材ですが、出演メンバーには普段のオンラインミーティングで使っているPC・マイク・ヘッドセットを活用してもらっています。(私は気合をいれるためにYetiのマイクを導入しました)
4.音の編集
収録した音をそのまま配信してもいいのですが、ホワイトノイズを消したり、音のレベルを調整したり、不要な部分を削除するとより聞きやすくなるので、「Adobe Audition」というアプリケーションを使って編集しています。
具体的な編集方法をこの記事で解説すると、かなり長くなってしまうので割愛しますが、編集として以下のことを行なっています。
「Adobe Audition」を使った音の編集方法については、Mike RussellさんのYouTubeを参考にさせてもらっています。
「Adobe Audition」を使う以前は、Macに初期インストールされている「GarageBand」を使っていました。不要な部分をカットしたり効果音をつけるくらいの編集でしたら「GarageBand」で簡単にできるので、こちらもオススメです。
5.配信
配信にはPodbeanというPodcastホスティングサービスを使っています。10年以上前からあるサービスで、56万人以上のポッドキャスターが利用しています。
このサービスのメリットは、音声ファイルをアップロードしてボタンを押すだけで、Apple Podcast・Google Podcasts・SpotifyなどのサービスにPodcastが配信できることです。
また、このようにダウンロード数や、どこの国で聞かれているかなどのデータを可視化してくれるので、分析に役立ちます。無料プランもあるので、本格的な導入前にお試しで使って見るのもいいかもしれません。
デメリットは、無料プランでは全体で5時間分のストレージしかないので、継続してPodcast番組を運営するなら有料プランに切り替える必要があることです。Cybozu Design Podcastでは月額$9のプランを契約しています。
Podcastを配信するには、音声ファイルをサーバーにアップしてRSSを生成する必要があります。配信方法としてはいろんな選択肢があるので、かけられる予算と工数、メリットデメリットを見た上で選択するのが良いと思います。私がPodcastを配信する時に検討したサービスの一覧はこちらです。
6.文字起こしの作成・公開
Cybozu Design Podcastでは、耳が聞こえづらい方でも楽しんでいただけるように文字起こしを作成してnoteにアップしています。
文字起こしの作り方ですが、まず最初に「UDtalk」という会話を見える化してくれるツールを使って音声を文字起こしします。
完璧に音声を文字起こしできるわけではないので、次に「きくたろう」という音声・動画ファイルプレイヤーを使って音声を聴きながら、手作業で文字起こしを修正していきます。「きくたろう」は音声の再生スピードをゆっくりにできるので、通常の音声プレイヤーを使うより文字起こしが捗ります。
文字起こしを作る作業は意外と大変なので、Cybozu Design Podcastでは3人体制で手分けして作成しています。20分番組ですと、一人当たり7分弱の文字起こしを担当する計算になり、7分間の文字起こしは、大体1時間ほどかかります。文字起こしを制作する場合は周りのメンバーも巻き込んで取り組むことをオススメします。
Cybozu Design Podcastはここで聞けます!
こんな感じで収録・配信しているCybozu Design PodcastはApple Podcast・Google Podcasts・Spotifyで視聴可能です。ぜひお使いのサービスで視聴してみてください〜。
文章では伝えきれないメンバーの人柄やチームの雰囲気、活動を声で伝えたい!という思いから始まったCybozu Desgin Podcast。
最近、ありがたいことに、Podcastを聴いて採用にエントリーしてくださる方が多くなりました。サイボウズ デザイン&リサーチの活動がじんわりと伝わってきているのかなと実感しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます!Twitterもやっているので、お気軽にフォローしてください👋 https://twitter.com/shinopara_jp