FateHFのイチオシシーン

Twitterで3章を通じてのイチオシシーンなどを思いつくままに書いていったので,文章の供養も兼ねてこちらにも投稿してみます。なおネタバレ全開でいきますので、見たくない方はブラウザバックしていただければ。

第1章①雪の降るシーン

いきなりアバウトなシーン指定ですが、原作だと雪が降っているような描写のあるシーンって、確か1つもなかったと思います。(記憶違いかも)雪が降るシーンが多く入っているのは、ラストの”士郎を出迎える桜”というシチュエーションを描くためのように思えます。恐らく桜の心情って、士郎に対する欲望が出てくるまでは、凍りついたように頑なな状態だと思うんですよね。それがHFを通して氷がバキバキに割れつつも溶けていく。そして第3章で春を迎える。それを表現するための雪なのかなあと考えました。あと、あの季節にサンダルはどう考えても寒いw
【ここから追記】
雪以外にも,雨の降るシーンがあったのを思い出しました・・・。第1章って,雪以外にも雨が降っているシーンが原作から追加されていたり,天候についての表現が豊かなんですよね。雪が降っているシーンと雨が降っているシーンとで,どういう意味合いの差があるか。この辺りは,第3章の円盤がリリースされてから,3章通して観て考えてみます。

第1章②麻婆豆腐を喰う綺礼との邂逅

これは定番ですねwあのシーンは、原作でも映画でも、見終わったあとに麻婆豆腐を食いたくなりました。(確か映画の鑑賞後に蒙古タンメンに行った気がする)

第2章①士郎と桜の濡れ場の後の綺礼

濡れ場があることにも驚きましたが、その後のシーンで綺礼が「祝福しよう」って言っているんですよね。
あれは,”この世全ての悪の誕生を祝おう”っていう意味だったと思うのですが、前後関係から”衛宮士郎、童貞卒業おめでとう”って言っているように聞こえて、盛大に吹きましたw

第2章②桜と大河の会話

大河ってネタキャラという印象ですが(大体タイガー道場のせい)、桜にとっては良いおねえさんだと思うんですよね。優しい士郎と明るい大河。その2人のおかげで、桜はかなり救われてきた部分があると思います。
そんな2人の関係性について、原作にはないシーンで掘り下げられていたのが良かったです。あのシーンを見ながら「ああ、描かれてはいないけど大河って、こうして桜を励ましてきたんだな」っていうのが見えた気がします。
個人的にはアニメ版HFを通して1番好きなシーンですね。あと、あの会話が地味にイリヤと士郎の関係にも影響を与えていると思います。さすが藤村。
【ここから追記】
あと第2章って,桜が涙を流すシーンがとても多く描かれているんですよね。その中の1つに,この大河との会話シーンがあるわけです。聖杯戦争やら桜の身体のことやらの事情を知らない大河に対して,桜がすごく心を許しているのがわかるシーンでもあると思います。まあ,桜の大河に対する感情って,士郎や凛に対するものと比べて,あまりしがらみがないように見えますしね。そういう意味でも大河は,桜にとって大切なもう1人のおねえさんだと思います。

第2章③ラストの桜と慎二

HFって3章を通じて、原作CGをリスペクトしたカットがいくつもあるんですよね。(UBWでもありましたが)ラストの桜と慎二のシーンが原作をプレイしていたときにかなり衝撃的で、そのCGが再現されていたのにすごく感動した覚えがあります。
HFって全体的にホラーテイストに話が進むんですが(特に第2章)、その怖さも相まってあのシーンは原作ですごく印象に残りました。「ああ、こんなに(良い意味で)あっさりしたものか」と。それが第2章のラストというのも、個人的には良かったです。

第3章①慎二と対面する士郎

初っ端ですが、あのシーンでの慎二に対する士郎の態度が、すごく印象的でした。神谷浩史さんもインタビューでおっしゃってたと思うんですが、HFって慎二についての描写がかなり細かいんですよね。第1章序盤の弓道部の件しかり。
士郎の、慎二に対する複雑な心境というか、そういうのが短いシーンながら垣間見えて、すごく丁寧に作られてるな、という印象でした。

第3章②「ついて来れるか?」

これも定番ですが、原作で一番好きなシーンです。あそこであのBGMが流れるというのは、分かっていても鳥肌モノでした。
惜しむらくは、投影の前に「トリガーオフ」って言っていたのが気になりました。(尺の都合だとは思いますが)あそこは個人的には、投影→「トリガーオフ」→技を繰り出す、という原作の流れの方が、個人的には好きだなと思いました。それ抜きにしてもカッコいいシーンなのは間違いないですが。

第3章③涙

原作で士郎の立ち絵が登場するシーンって、ほとんどないんですよね。士郎が主人公なので当たり前ですが。ですので、それぞれの場面で「士郎=主人公がどんな反応をしているのか」が分かるというのも、アニメならではの良さだと思います。
士郎が涙を流すシーンというのがその典型例で、涙を流すシーンは第2章で桜を殺そうとしたところと、第3章の”あの”シーンの2つだけなんですよね。(確かそうだったと思うが・・・)士郎の人間らしいリアクションがみられたというのが、すごく印象的でした。
そういう意味でも、士郎を”人間に”した桜という存在は、とても大きいものだと思いました。だから士桜は尊いのですね。
結論:士桜,HFルートは尊い。

まとめ

原作の量が膨大な中、よくぞここまでまとめたな、という印象です。ただやはり尺の都合上、第3章が駆け足になっているようにも見えました。例えばエピローグについての解説など、ディスク化の際に補完があるとよりよいかと思います。
【ここから追記】
もしもシーン補完が実現するなら,アーチャーの腕使用後の士郎の変化がもう少し明確だと嬉しいですね。原作では士郎がアーチャーの腕を使って廃人と化していく様子が地の文から伝わってくるのですが,映画では表現方法の違いや尺の都合によるものかと思いますが,そこまではっきりと描かれてなかった印象です。確か凛と衛宮邸で話すシーン,ライダーに桜を託すシーン,イリヤとの最後の会話シーンぐらいだったでしょうか?士郎が廃人になっていく展開は非常に鬱度の高いものですが,一方でそれでも桜のことを覚えているということで,士郎にとっての桜という存在の大きさがなおさら際立ったものになると思うんですよね。そういう意味でも,士郎が廃人になる過程と,それでも桜のことを忘れないというような描写があると,士桜が好きな私にとっては嬉しいです。
一方で第1章,第2章に追加されたシーンも結構あって,それらは原作や他ルートのアニメを見ていない人への配慮,ということを感じました。例えば第1章・第2章での桜との回想シーンとか。
今日ハッとしたのは,第2章でアーチャーがロー・アイアスを展開するシーンです。第2章を見終わったときには,ただ単純に「やっぱりカッコいいな」くらいにしか思わなかったのですが,第3章のセイバー戦を見て,ロー・アイアス展開シーンが第2章に盛り込まれた理由に気づきました。あそこでロー・アイアスを登場させておかないと,第3章で士郎がロー・アイアスを展開するシーンにつながらないんですよね。原作では,ゲームの仕様上Fateルート→UBWルート→HFルートと順にプレイしていくことになるので,当然その過程でUBWルートのロー・アイアス展開シーンを観ることになるのですが,映画の場合は,視聴者がアニメ版UBWを見ているとは限らない。だから第2章でロー・アイアスを登場させておかないと,第3章のロー・アイアスを観た人の中には「なんだこりゃ?」となる人も出てきてしまう。そういった”映画独自の事情”ということに気が付きました。だからどうしたっていう話ではありますが・・・。
【ここまで追記】
あとこれは完全に主観ですが、”もうひとつのエンディング”の方が好きなので、ドラマCDなどの方法でメディア化してくれるとありがたいです。”もうひとつのエンディング”はすごく物悲しい終わり方ですが、一方で物語としてよくまとまっていると思うんですよね。アニプレさん、ufotableさん、ぜひとも下屋さんの語りでのメディア化のご検討を。
そして、Aimerと梶浦由記によるテーマ曲がすごく綺麗で、物語の締めとしては非常に良いものでした。花の唄の出だしの歌詞が、”もうひとつのエンディング”とマッチして聴こえて好きです。これがあるから、”もうひとつのエンディング”を望んでしまうというのもあります。

最後に

追記をしていたら,まとめが尚更まとまらないものになってしまった・・・。自分の記録のために書き連ねた文章ですが、もしもここまで読んでくださった方がいたら、非常に嬉しいです。(さすがにいないか)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?