Bluetoothを使わずにスマホの音楽を古いカーナビで鳴らしてみた
10年以上乗ってるクルマのカーナビに使われていたネット接続サービスが終わってしまい、それをAndroid用のアプリを使って乗り切る話をnoteに書きました。
同じことで困ってる人が多かったのか、最近書いたnoteの中ではダントツに多く読まれています
この対策をするときに、AndroidのスマホとカーナビをBluetoothでつながないといけないんですが、どうやらこの接続を維持しようと思うと、カーナビとBluetoothによるオーディオ接続をあきらめないといけないんじゃないかという結論に至りました。これはこれで結構イタい。
最近は子どもたちも自分のスマホをBluetoothでつないで音楽聴きたがってたりしてるので、カーナビのネット接続優先で音楽諦めろという話はサクッと拒否られそうです。ていうか僕自身にとっても音楽を鳴らせないのはちょっと困る。1人乗りしてるときのクルマは僕にとっては1人カラオケボックスですから。
ビデオ接続の活用を考える
10年以上乗ってるクルマのカーナビですが、購入当時にオプションつけた「iPod Video接続」という機能を長らく放置してました。ていうか、もうiPod売ってねえです。
この接続はカーナビから赤白黄のRCA端子を引っ張り出して、iOS端末の入力に変換できるケーブルをかませた代物なんですが、カーナビの設定を変えれば単純にビデオ入力を受け付けることができます。ちなみにiOSの入力端子はLightningですらありません。初期のiPhoneで使われていたバカでかい30ピンのコネクタです。さすがに古い。
そして、このビデオ入力を受け付ける端子はいわゆるアナログ放送時代の規格で、古いゲーム機とかで使われていたものです。いまどきのスマホをつなぐ端子としてはあまりに時代遅れ……
と、思っていました。間違ってはいないですが。
世の中には変わったデバイスがあるもので、スマホの画面共有を受け付けてこのRCA端子に映像を流し込める、いまどき誰が欲しいんだそんなものという機械がAmazonにも楽天市場にも売ってました。
すいません、いまめちゃくちゃほしいです!
ちなみにこのデバイス、RCA端子だけじゃなくHDMI端子にも接続可能です。おそらくそっちがメインなんでしょうね。しかし僕が用事あるのはアナログ接続の方です。
これはBluetooth接続よりいいかも
早速ポチってあっという間に届いたんで、実際に接続してみました。
カーナビのRCA端子とこのデバイスをつなぎ、USBで電源を取ります。以上。超簡単。30秒で終わって、それだけでもう動いてます。
あとはカーナビを「VTR接続」に切り替えると(※ これは古い僕のカーナビの場合なので、適宜読み替えてください。)、画面に接続方法が書かれたマニュアルのようなものが表示されます。
その表示内容に従って手持ちのiPhoneをつないでみます。
iPhoneのWi-Fi設定で、このデバイスにWi-Fi接続する(接続してもネット接続は通常のキャリア経由の通信が維持されるので、YouTubeも観れますし、AppleMusicのようなクラウドの音楽サービスも再生できます)
画面ミラーリングでこのデバイスに接続する
たったこれだけ。これだけでカーナビにiPhoneの画面を表示させることができます。
実際にiPhone上でYouTubeアプリを立ち上げて画面ミラーリング表示してみましたが、アナログに変換されちゃってるとはいえ、後席用の9インチのモニターで見てもそんなに気になるほどの劣化はなく、十分な画質が出ているように感じました。少なくともワンセグよりはいい。
そして、映像なんか出さなくてもiPhoneで音楽を再生すれば、このデバイス経由でクルマで音楽を鳴らすことができます。音質もめちゃくちゃいいわけじゃないですが、普通に聴くだけなら十分。
なによりも快適だなと思ったのは、接続する端末の切り替えがいつでもできることです。
僕が使ってるカーナビの場合、オーディオ接続するスマホは事前に登録しておく必要があるだけでなく、クルマが止まっているときにカーナビ上で操作して切り替える必要がありました。これがかなり煩わしかった。
しかし、今回調達したデバイスの場合は、自分のスマホから画面ミラーリングの操作をするだけで切り替えられるので、僕が運転中でも子どもらが自分で操作できてしまいます。これが非常に助かる。
画面ミラーリングするのでiPhoneの画面がそのままカーナビの画面に出っぱなしになりますが、普段運転側の画面はナビに切り替えてるのでそもそも映像の画面見てませんし、後席用のモニターを閉じておけば音だけ流れて、普段のBluetoothオーディオを介して聴いてるのと体験はほとんど同じです。
対応機器には注意が必要。ほかにもいくつか気になる点
このデバイスへの接続についてはiPhone系の端末はだいたい大丈夫みたいですが、僕が普段2台持ちで使っているAndroidのPixel系のスマホはダメみたいです。そのあたりは購入前に確認した方がいいでしょう。
あと、テザリングとの併用ができない点も注意が必要です。↓の記事に書いた回線契約のないAndroid端末によるリンクアップフリーの置き換えには、テザリング等で通信環境を確保する必要がありますが、このときテザリング環境を提供している状態の端末では、今回紹介している方法で音楽を鳴らすことができません。どっちもWi-Fiを利用するからです。
回避法として、今回紹介しているデバイスはWi-Fiアクセスポイント経由で接続することも可能なようなので(試してないです)、クルマの中にモバイルルータみたいな端末を置いて、今回紹介したデバイスも回線契約のないAndroidも全部モバイルルータ経由で接続するようにすれば、理屈ではOKなはずです。
また、Wi-Fiとか使わずにiPhoneをRCA端子に直結する別のタイプの製品もあるので、こちらを検討するのも手かと思います。
ほかにもいくつか気になることを挙げると
Bluetoothと違って接続が切れたときに音楽再生等を自動で停止してくれたりせず、端末からの出力に切り替わってしまうので手動で止める必要がある
エンジン切ってるときはUSBから電源が取れてないので、デバイスは毎回再起動する。このせいか、デバイスへのWi-Fi接続や画面ミラーリングは、勝手につながったとしても一度切ってやり直した方がいい
Wi-Fiの電波の感度がけっこうシビアで、デバイスをグローブボックス内に入れちゃうと、Wi-Fiの受信が不安定になる。後部座席からも接続することを考えるとコンソールボックスあたりに置いておくのが無難
Bluetooth接続やケーブル直結に比べるとノイズが多く、再生が乱れることもしばしばある。昔あったFMトランスミッターに比べたらはるかにいいけど、このあたりはあきらめるしかなさそう
このあたりが妥協できれば、実用性は十分あるかなと。Bluetoothのオーディオ再生が使えなくなった状況での代替手段としては全然OKと個人的には思ってます。
ほぼ10年眠らせてたカーナビのビデオ接続機能ですが、こんな形で活躍することになるとは夢にも思いませんでした。