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創業2年半でIPO! ニューラルポケット社から学んだこと

※本件は過去の思い出話しであり、将来の何かを予測するものではございません。

私はエンジェル投資をはじめてからはちょうど3年が経つのですが、ついに初めてのIPOである「ニューラルポケット社」が東証マザーズに上場しました。まさかの創業2年半でのIPO実現、歴史的にも(物理的にも)最速クラスの上場ではないでしょうか。私は運良く、創業からエンジェル投資家として関わらせていただき、その役得によって近くから沢山のことを勉強させていただきました。

そして、このような超速グロースカンパニーをシードラウンドから共にして近くで見る体験は、もしかするとこれからもあるかわからないので、見ていて学んだ「とんでもない能力」を5つほど紹介しつつ、私なりのお祝いのメッセージとさせて頂けたらなと思いました。

では、早速。

1つ目は素直さ。
社長の重松さんは誰からどう見てもピカピカな経歴で、あぐらをかいても良いくらいです。しかしながら誰かを見下すことなく、誰かに忖度することもなく、とにかく素直、是々非々で情報を素早く判断して吸収し実行。これが圧倒的なレベルだった。

私も僭越ながらいくつかアドバイスをしたが、たいてい当日中にはチーム内でシェアされ、翌日にはほぼ方向性まで決まっていたんです。MTGをするといつもロイさん(※社長)は「これはすぐ帰ってシェアして実行しなきゃですね...」と言っていたのですけど、当初の私は話半分くらいで聞いてて「はい!ファイトです!」くらいのテンションだった。これ自体はよくある会話だからだ。しかし、ここからが違った。実際にその提案のほとんどを、本当に素直に実行していたのです。これはむしろ素直というか愚直といったほうが正しいのだろうか。それはもう愚かと言ってもいいほどに、アドバイスに対して真っ直ぐなんです。

創業からずっと、とんでもない素直さだった。

2つ目は実行速度。
速度が重要なことはもう言うまでもないですが、「1の素直さと『速度』とはクロスすることによって最強になるのだ」と学びました。

前述の通り、私なりに重大で面倒な提案はいくつかしてきましたけど、一般論で言えば検討に数週間かけてみたり、またはできない(やらない)理由があるからやらないってケースが多いのではないでしょうか。これは決して、誰かのアドバイス通りにやらないチームをディスっているわけじゃなくて、そもそもそういうものだと思う。だってただの私みたいな外野からの提案って、ほとんど現場感無視した無茶苦茶なものが多いし、何なら私も逆の立場だったらそうしてきたわけで。

そんな一般論を無視していたのがこのチーム皆さまでした。難易度の高い面倒くさい提案すら、ほぼ全て1〜2週間程度で形を作り完遂させ、その結果まで報告してくれるんです。これは当然に私からのアドバイスだけでなく、他でもこうしてたと考えればそりゃ強いです。

素直さともクロスされた結果、より価値が大きくなる。そんな、とんでもない実行速度だった。

3つ目は洞察。
これはまぁ私が言うまでもないが、働き方を見たことはないがマッキンゼー時代に培われてきたであろう、ロイさんが持つ圧倒的能力の1つと思う。私は凡人目線からたくさんの友人(天才)とは話しをしてきたが、彼ほど深い洞察力・分析力をもって他社の戦略を語れる人は一人も見たことがこれまでにない。その会社に入社でもしたいのかな? と、思うレベルで詳しい。

国内外のスタートアップはもちろん、大手企業までを深く研究しながら、僕だったらこうするけどな、とか。僕らはだからここを狙うんですよ。といった事業の進め方をしていたし、会話をいつもしてくれた。この能力にあわせること、前述の1と2の力がクロスされて、高速で圧倒的パフォーマンスを発揮できたのだと思っている。素直なインプット、正しい情報洞察、そして実行。

そこには、とんでもない洞察の深さがあったのです。

4つ目はチーム。
チームのことは考えるだけでも涙ぐましくて、文章が長くなりました。もしもこの文章をニューラルポケット社の方が読んでいたらどうしても伝えたいことは、皆さまは1つの伝説的なプロセスにいたことを認識し、心から誇りを持ってほしいなと思っているんです。(なんだ、この上から目線は。笑)

ここには格好良くデータでもあればよかったんですが(だれか)、この20年間で上場した会社数はXX社あり、創業から上場までの期間をこの20年間分をA→Z並べたとしましょう。この早さは間違いなくトップ1%くらいに入ってくると思うのです。(調べてないけど。)これは紛れもなく今日またはこのプロセスの最中に在籍していた皆さまのパワーであり、本当にとんでもなくすごいことではないでしょうか。

「上場」がいかに大変かは私は準備でしか経験してないですけど、読まれている皆様やスタートアップに少しでも関わったことがある人ならばきっとわかると思います。事業成長だけではもちろんダメで、管理体制の整備や様々な交渉事や運だって必要です。これをたったの2年半で全てやりきるには相応なチームが必要で、気がつけばとんでもない精鋭部隊になっていたわけです。「採用が大切」「チーム作りが大切」という誰しも知っている当たり前を、短期間でやりきったすごさたるや。

今回のIPOは仲間を信じて突き進んだ結果であり、チームにいらっしゃる皆さまもカオスに巻き込まれながらもやりきったこのプロセスは、将来につながるとても稀有で自信につながる体験だと思う。まさに、とんでもないチームでした。
参考:ボードメンバー https://www.neuralpocket.com/company.html


5つ目は計画遂行力。

そもそも初めての起業で、2年で上場するというあまりにも無謀過ぎる目標からの計画でした。正直に言おう。出資するときはまだ何もない状態だったのに、創業直後のロイさんは開口一番「僕、2年で上場します」と言っていて、「この人はスタートアップのハードシングスを甘く見すぎだなぁ。」「ふふふ。可愛いなぁ。(失礼)」なんて心の中では思っていたし、誰しもそんなできたてほやほやの会社の起業家が相談きたらそう思うよねきっと。笑 

が、時が1ヶ月、3ヶ月、半年と経っても変わらずそのゴールを語り続けるロイさん、そして持ってくる数値が創業期からピタリと予実もあっており、むしろ私のほうが「あれ、これはちょっと次元が違うぞ....」と、最初にもった私の仮説こそが間違っていたことに気が付き始める。また、創業から1年が経ったくらいの頃かな、いきなり「日比谷ミッドタウンに引っ越します」と言ってきたときには「あ、はい。」と、もうだんだん驚かなくなってきていた。笑

そうして結果的に本当にIPOを成した。これは心底衝撃だった。
とんでもない計画遂行力があった。


以上、長くなりましたが、徒然なるままにちょっと書いてみました。

ちょっと別の論点ですけれども、ふつうの上場準備って「あれもできてなかった」「これもか」「うわわわわーーーそれもじゃん」と、穴がどんどん出てきて、やることリストが数百行にも登っていくことになるんですよね。でも、ニューラルポケット社は創業直後から上場準備なので、こういう出戻りがゼロなんです。最初から「上場基準」で攻めも守りもやっちゃう。管理も、リーガルも、経理も、財務も、営業も、採用も、開発も、すべて。全部やってきたので、実は経営効率がめちゃくちゃ良かったんじゃないかと思っているんです。

他、あげた5つのとんでもない部分以外にも、マーケットの良さ、営業戦略、プロダクト開発能力などなどから、精神的能力である胆力や粘り強さなどもたくさんありますが、特に近くで見ていて際立った5つを紹介してみました。近くで色々と見させてもらえたのは本当に良かったですし、私にとっても次の一大チャレンジにとても活かされる素晴らしい経験となりました。

もし、この文章を読んでちょっとでもスタートアップにワクワクした方がいたら、それはきっと正しい感情です。ニューラルポケット社の上場は単なる通過点であり、まだまだ採用活動をしておりますので、是非応募してみてはいかがでしょうか! またはもしも、ゼロから一世一代のチャレンジをしたい優秀な御方がいましたら、是非わたしにも突撃コンタクトしてみてください。私も刺激を受けたので、がんばります。2年半以内での上場をめざしましょう。いやそれはちょっと違うか。笑

改めて、チームの皆さま上場おめでとうございます!
これからも応援しています。

2020年 8月20日  篠塚 孝哉

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