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地味な観光協会推薦 地味な観光地⑩阪急グランドビルのコリドール

コロナの感染も落ち着きを見せて、今年の年末はコロナ前とはいかないかもしれませんが、ちょっと人の流れが戻ってきた感じですね。いつも阪急梅田と阪神梅田を乗り継いでいる私にとっては、まあ、人が多くて歩きにくくてちょっとイラッとすることもあるんですけど。

しかし、まあ、こんなにようけの人はどこから湧いて出てくるんだろうか?と思った時に降りてきたんですよ。「木綿のハンカチーフ」が。太田裕美の。1975年の。

歌は、地方に住んでいるカップルの男性が、都会へ旅立つシーンから始まって、結局、地方には帰りたくなくなって、彼女に別れを告げるというストーリーで、最後に何もねだることのなかった彼女が、涙をぬぐう木綿のハンカチーフをねだるという内容でしたよね。

なんで、彼女を捨てて、都会に居ついてしまったのだろう?歌を聞く限り良さそうな彼女じゃないですか。ずっと、疑問でした。

そう、「はなやいだ街で 君への贈り物 探す 探すつもりだ」という歌詞がありました。クリスマスを迎えようとしていた阪急百貨店うめだ本店界隈もそんな人たちがいたのかもしれません。

しかし、すごい人でした。2年ぶりだから余計そう感じたんだと思います。この人たちの中にいると、楽しいのもあるんですが、イライラもしてきました。そこで、なんとか離れることはできないのか?と見上げると…

わかります?広告の上の部分。「これ、コリドールになってるんとちゃうか?」と、ふと思い、上がってみると…

なってました。なってました。ここなら人が少ないです。ほっと一息つけそうです。よかった。よかった。で、このコリードール部分、意外と眺めがいいんですよ。

どうです?いっぱいの人たちがよく見えるでしょ。しかし、めちゃめちゃ人いますね。なんでこんなに人がいるんだろう?という素朴な疑問が出てくるわけです。そこで、また流れてきたのが、木綿のハンカチーフでした。

「毎日愉快に過ごす街角 ぼくは ぼくは Ah帰れない」

こんなに人がおったら、愉快ちゃうで!鬱陶しいで!と都会育ちの私は突っ込みを入れたくなるんですが、待てよ。この主人公が愉快なのは、これらの大勢の人から生きるエネルギーをもらってるんとちゃうか?とよぎったのです。

人が生きていくのにエネルギーが必要です。ひとは一人では生きていけないと言いますし。人は楽しそうなところに集まりますし、繁盛店で行列を作りますもんね。それは、誰かからもらう。

木綿のハンカチーフの彼もきっと彼女からエネルギーをもらっていたのだけれども、都会へ出て、大勢の人からエネルギーをもらってしまった。華やかさに圧倒されながら。一方で、彼女はきっと、彼や周りの人などから十分エネルギーをもらっていたんでしょう。

余談ですが、このエネルギーはひとからもらう場合もあれば、今は亡き人や、自然といったものからもエネルギーをもらうこともあると思います。朝日放送で放映されている「ポツンと一軒家」という番組で出てくる人たちはきっとそういう人やものからエネルギーをもらっているからポツンとしていても暮らしていくことができるのでしょう。

https://www.asahi.co.jp/potsunto/

この人の多さを眺めることができるコリドール部分ですが、先ほどのたくさんの人がいる写真とほぼ同じ時間に取っているんですが、このスッキリぶり。

華やかさや人が多いということは一概に悪いとは言えませんが、「話題になっているから」、「みんなが並んでいるから」ということが判断基準になってしまうと、見失ってしまうことがあるかもしれません。

ちょっとこのコリドール部分にあがってみて、人の流れを眺めてみる。「うわーひと、多いなぁ。って、自分もそのひとりか!」ってボケ突っ込みをしながら、そのことが自分の立ち位置を見つめ直すきっかけになるかもしれませんね。

このコリドール部分はJR大阪駅と阪神百貨店、阪急百貨店をつなぐ歩道橋に直結しています。

コリドールの反対側には、昔、喫茶店がありました。名前も喫茶コリドール。そのままやん!


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