見出し画像

繰り返しの魔法 - プライミング効果

僕はゴールドリブン経営、ビジョナリーカンパニー経営を目指しています。

何をやっているかと言うととにかく抽象度の高いところからチームをリードすることです。

短期的にいくら稼ぐとか、前年比いくら稼ぐとか、そういう話は最後の最後です。

個人のゴール、だからココに集まってるよね、会社のビジョンやミッションがあって、はじめて、戦略、そして戦略推進を最適化させる戦術やオペレーションがきます。

書けば当たり前なのですが、長期にわたる実践、実戦の中では、この当たり前のことが疎かになり、いつの間にか手段が目的化してしまいます。売り上げ目標がビジョン体現の手段でなく、稼ぐことそのものが目的化してしまうことはよくある事例です。

そういうチームや組織は持続的成長は見込めません。なぜなら現場で働く仲間たちの心のトキメキは金銭的報酬や手段の目的化から得られるモチベーションでは満足感を持続的に提供できないからです。

ココで働くことの個人的な意義、作業1つをこなすその意味を無意識レベルで提供できるチームや組織が長らく反映し、ビジョンの体現とともに社会にインパクトのある何かを残せるのだと信じています。

心理学には、プライミング効果と言うものがあります。

正確な定義は専門家に任せますが、僕の解釈で簡単に言うと、

「事前情報 (五感全てにわたり)が後の思考や行動に影響を与えること」

みたいなイメージです。

プライミング効果の有名な実験は、心理学者ジョン・バルフの1996年の実験でしょうか。

学生を2つのグループに分け、それぞれキーワードを与え、短い作文をしてもらう。片方には、高齢者を連想させるような言葉 (しわ、物忘れ、白髪など)を与える。作業を終えた後に、歩く速度を測定したところ、高齢者を連想させる言葉を与えられたグループは、そうでないグループに比べて歩く速度が遅かった。

というものです。

無意識が高齢者を連想させる言葉をうけ、その後の行動に影響を与えたという実験です。

さて、冒頭の経営論の話に戻ります。

繰り返し繰り返し、伝えること。そうすることで、プライミング効果を最大化する。

目の前の作業に対するマネジメントではなく、会社のビジョンや存在意義を繰り返し伝えます。

そしてそもそも、個人個人の人生のゴールとイマココでやっている仕事のリンク性を再認識させる機会を提供すること。それらを言葉と絵で意識に上げること。これをやります。

そうすると短期的なオペレーションレベルでのマイクロマネジメントをせずとも、能動的にやるべきことが明確になり、アクションが具現化します。

大枠のベクトルが合うので、細かな手段はどんどんクリエイティブになり、結果権限の移譲もスムーズに進みます。

大切なことは、繰り返すことです。年、四半期、月、週、日単位で、重要なメッセージを伝えること、そしてその伝え方を工夫することです。

抽象度の高いメッセージのみにフォーカスした朝会の実施や、ビジョンのビジュアル化、行動指針のビジュアル化、ゴールドリブンな1 on 1ミーティング、オフィス環境にそういった言葉をちりばめる (掲示)、社長がSNSやメディアでビジョンやゴールを語るなど、そういう小さな仕掛け (事前情報)が後のパフォーマンスに大きく影響を与えるわけです。

心理学的な効果を最初から狙って行うわけではありませんが、結果として心理に大きく影響を与えることができ、チームとして、また個人として望むべき方向へ進んでいけるのであれば、逆引きで心理学を活用することは、誰も損しませんよね。

プライミング効果、もちろん仕事だけでなく、私生活含む、人生全般で大活躍必至です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?