イベントについての勝手な考察

2019年9月7(土)8日(日)に京都駅大階段で開催された観覧無料、出入り自由なフラのイベントで、出演者のひとりとして踊りました。

出演時間の1時間半前に集合、ですが実際にはほぼ2時間前に現地着が暗黙の了解。
つけまつげを含む化粧(パール系禁止、色味などの指定あり)完了、指定の髪型に整えた状態での集合なので、朝から準備時間を考えてそわそわ。

わたし以外のひとはその前段階で別場所にグループで集合して現地へ。
わたしはマイペースなのと、住んでる方向が皆と違うのでひとり現地集合。

集合したあとは、1時間前に着替え用のテントが解放されるので、それまで風の吹きすさぶ会場裏側でぼんやり時間つぶし。
ほかのひとは、あたふた化粧なおしなど。
テントが解放されて着替え、出てきてレイ(首飾り)や髪飾りをわあわあつけていると並ぶ時間に。実際の出番の6番前から、列をつくって待機していなければなりません。
とはいっても、なんだかんだ言って結構するすると順番は回ってきて
バンドが演奏するステージ前の踊る空間にでていく。
大階段いっぱいのひと。光がまぶしい。暑いを通り越して熱い。

音楽がはじまり、踊り始める。
2列目なので、緊張で振りを度忘れしても、前のひとをみればよい安心感。
目を開けていられないくらいのまぶしい太陽のひかりを浴びて、風を体で受けながら、自然を感じつつ踊るのは気持ちいい。
途中、一瞬いつもの緊張で震えがはしりかけたけれど、なんとかおさめて踊りおえる。

2曲目も同じく。
終わってしまえばあっという間で、その後上級クラスの踊りを見学してから着替え、今回は当日の打ち上げはないとのことなのでなんか寂しい思いをしながらバスで帰宅、途中、すこし手前のバス停で降りてその停留所目の前にある大き目スーパーでお買い物、あらかじめ連絡して迎えにきてくれた夫とともに。

帰宅して化粧を落としてシャワー、髪とからだを洗ってさっぱりして
さきほどあけたビールのつづき、買ったつまみや冷蔵庫の残り物とともにちびりちびりと。
帰宅して2時間ほどで、とてつもなく疲れて、からだを動かす元気もないほどの脱力感。
ベッドに横たわり、京都駅でひまを持て余していたときに考え始めたことの続きを考えます。

「こういう無料イベントは、なんのためにするのだろう?」

主催者側のメリットは何なのだろう、と考え始めました。
わたしはセミナーが好きで、いろんな大学や団体主催の無料セミナー、ワークショップ、あるいはこのフラもはじめ、ベリーダンス、美容系、知識教養系、音楽ライブ系、さまざまな有料レッスンや教室、イベントに参加したりもし、また、自分自身が出演者(ベリーダンス、SMショウ)や運営側(ベリーダンスなどのイベント、学会の運営等)としてイベントに携わった経験もあります。

それらから考えて、
「この大がかりな、そして観覧無料のイベントのメリットは何だろう」
と考え始めたのです。

観覧は無料ですが、運営にもお金がかかります(これだけ大掛かりとなると、相当でしょう)。
出演者もイベントによって異なる3,000~5,000円の「出演料」とイベントごとに新調する、普段着ることなどないドレス2万前後、髪飾りやレイ1~2万円、それに加えて打ち上げ5000円と物入りです。わたしの収入状況が厳しかった時期は、とても無理なので先生にひそかに相談して、こういうイベントの参加はなしにさせてもらっていました。

いまではダンス系の習い事はフラ一本ですが、以前ベリーダンスやタヒチアンダンスを習っており、ちょっとしたイベントにベリーダンサーとして出演していました。
そうやって出演したときはメインでもあり、衣装もセクシーなせいもあり
ちやほやされて、たくさんのチップや出演料をもらっていました。

ところが、フラのイベント参加はもらうどころか出費が多いうえに、
大勢のうちのひとり、しかも待機などにアホみたいな時間をとられる、
といったことで憮然としましたが、それとこれは別ものだと、ようやく自分を納得させることができるようになったこの頃です。

さて、会場運営費について考えます。

警備や会場設営のスタッフは外注として、
出演者のステージまでの案内等、出演者向けの案内のスタッフは
このイベント主催者の教え子さんたちでまかなわれている様子。
Tシャツや食事支給等のボランティアで、ほぼ無償でしょう。

会場費は50万くらいでしょうか?
と思ってググってみたところ、京都駅の利用料金情報が見つかりました。

京都駅ビル利用について
https://www.kyoto-station-building.co.jp/contact/eventspace/

出演料と、出演人数から考えて集まる資金はざっと500万円。
会場費が2日で60万、別に警備やスタッフ、設営が必要とのことなので
会場費に200万~250万。
いろんなものの搬送費用やスタッフ用品、備品で50万~100万くらいだとしたら
まあ、出演バンドへの謝礼や、少々の売り上げはあがるか。

では、すくなくとも主催者にとっては若干の営業利益はあると。
そしてそれよりも、この大きな箱で、いろんなフラスタジオやウクレレスクールの発表を行う、というのが重要なのでしょう。

発表会はクローズドな空間で、わざわざ会場にでかけなければならない。
チケットも必要(たとえ買取で家族や親せき友人に配るものとはいえ)な
知ってるひとしか来ないという会であるのに対して
京都駅のこの大きな広場というのは、「たまたま、そこに居合わせた」ひとや、わざわざ発表会会場に行くのはめんどくさいひとでも、交通アクセスのいい京都駅で気軽に出入りできる場所ならば、と来てくれる友人知人もいるはず(実際、わたしの友人知人がそうやって見に来てくれました)。

いろんなひとに、さまざまなバックグラウンドのひとにこのステージを見てもらうことで

・単純にたのしんでもらう(時間つぶしも含め)
・フラについて興味をもってもらう
・いろんなフラの曲、踊り、生演奏を味わえる
・知人友人家族の勇姿を見ることができる

といった、そのひとそのひとの楽しみ方をしてもらえます。
「あそこの踊り、素敵だったな」
と感じたことで、そのフラスタジオの門をたたくことになるかもしれません。

フラスタジオ自体の宣伝にもなりますし、
わたしは下手に商業ダンスを経験しているもので
「お金になるどころかお金がかかるし、その他大勢のひとりとして長時間待機しなきゃいけない」
思いがどうしてもあり、そこまで思い入れはないのですが
ほかの多くのひとにとっては晴れ舞台ですし、やはり人前で踊るというのは緊張もするけれど、充実感もあるようです。

知り合いのミュージシャンが
「レコーディングとツアーは、バンドの結束を高めるね」
と言っていましたが、たしかに、「なにかを発表するために集中する」「ハレの場を持つ」ことは大事だと感じます。

ただ単にスタジオで練習するのと、「人前で踊るから」と気合を入れて振りを覚え、人目を考え、意識してより美しく踊ろうとするのでは全然違いますし、人見知りなのと、仲良く本音で語り合えるひとがいるわけないと思っているのでフラレッスンの仲間からはわざと距離を置いて最低限のコミュニケーションしかとっていないわたしでも、やはり同じ発表の場で空気を共有した仲間とは、すこし、距離が縮んで親しさが増すような気がしています。

入場料をとって収益を得るもの、
学会など、研究成果を発表し合い、専門家同士が交流するもの、
「アウトリーチ」と呼ばれる、研究成果等を一般市民に理解してもらうもの、
または若者に研究について興味を持ってもらうもの
は意図がはっきりしているのですが、
「観覧無料のこのイベントの意義は何だろう?」とふと現場にいて思い始めたわけですが

・行きずりのひとにも楽しんでもらえるオープンなイベントの提供
・参加者にも発表の場が与えられ、充実感、結束、踊りの向上がのぞまれる
・それぞれのスタジオのいい宣伝の場になる
・出演者からの「出演料」という形で実入りがあり、主催者にはなにがしかの金銭的利益があると思われる

といった結果、効果が考えられ、勝手に考察は満足したのでした。


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