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神の手
母親から画像が送られてきた。
ラインを開いて確認すると、懐かしい「神の手」が映った雲だった。送った相手が幸せになり、願いが叶うと書かれている。
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私が二つ折りのガラケーを使っていた頃にこの画像のやり取りをした記憶がある。「送ると幸せになれる」あるいは「送らないと不幸になる」画像を添付し、友人同士で送り合うのだ。
好きな人に「幸せになる画像」を送ってやりとりを楽しもうとしたり、Yahooメールで嫌いなやつに「不幸の画像」を送りつけたりした。画像が重すぎてメールを開けないという悲劇もあった。パケット代を浪費してやっとの思いで開いたメールがしょうもない画像だった時の苛立ちが懐かしい。
母親にすぐ電話をかけ、この画像がチェーンメールの一種であることを伝えた。母親はひとしきり驚いた後、「幸せになれるってのが怪しいかなとは思ったけど、この画像が珍しいから送ろうと思って」と言った。
こんな懐かしい画像、どこからもらってきたの?と聞くと、最近入った友人のグループラインで送られてきたそうだ。母親はすでに何人かに画像を転送していて、謝罪のメールを送らなきゃと言って電話を切った。
私たちが中学生だった頃に流行ったものが、時間を超えて母親の世代で再び流行する、面白いなあと思った瞬間だった。
デジタルに疎い母親が、機種変をきっかけにスマホを持つようになった。Wi-Fiを設定し、ラインのアプリでやりとりをし、YouTubeを見たりしている。
この調子で行けば、母親がおもしろフラッシュにたどりつく日も近いはずだ。
「マッチョでポン」や「ねおきでクエスト」、「艦砲射撃」、「誰か開けてモナー」など延々と時間を吸い取られたフラッシュゲームにハマる日も遠くない。(蛇足だが、マッチョでポンはSwitch版が出ていて今も遊べる)
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この画像を懐かしめる人は仲間だ。
母親のおかげで昔懐かしいネット文化を思い出すことができた。
久々にやりたいな、懐かしのフラッシュゲーム。
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