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岸和田祭だんじり囃子・篠笛之栞(しおり)001

祭の笛は地元の先輩方から教わることで、その奏法や旋律が継承されています。岸和田および岸和田型地車(だんじり)文化圏でも、同じように、小学生の子供たちが青年団のお兄さんや、お父さんに教わりながら見よう見まねで笛を吹き始めます。基本的には、このような方法で問題はなく、また、健全な状況とはいえますが、まれに、継承がうまくいかないことがあります。

岸和田における、その最たる例が、二十年ほど前に始まり、今でも尾を引いている、篠笛の「極細管」や太鼓の「均等打ち」の問題、「笛を酒に浸けると音が良くなる」という巷説などです。

息遣いや指使いは、各町ごと、世代ごと、また、個人によって多様であっても良いかと思いますが、「基本のキ」に関する知識や方法は、地域や世代を越えて共有しておくことが、次の世代への囃子(鳴物)の継承と発展に寄与することは間違いないでしょう。

「民の謡(たみのうた)」では、これまでも、いくつかの冊子を発行し、特にCD付きの『岸和田地車囃子 鳴物篠笛事始メ』は好評いただき、売り切れの状態が続いておりました。

この冊子の増刷を希望する声も多くいただいておりましたが、より多くの鳴物の青年団の皆さん、未来の鳴物の子供たちに情報をお届けすべく、「民の謡・岸和田店」で篠笛をご購入いただいた皆さまに、冊子をお配りすることにいたしました。これまで篠笛をご購入いただいた皆さまにも、何らかの方法で手に取っていただけるようにしたいと思っております。

私の性格上、どうしても文章量が多くなりがちになりますので、まず、ウェブ上での連載形式で各項目をコラム的にアップして、それらを冊子にまとめることで、簡潔に要点が伝わる冊子を目指したいと思います。

9月上旬の配布を目指しておりますが、9月の祭(岸和田・春木)の皆さまにも有効に活用いただきたいという思いもあり、順次、完成形の文章でない状態であっても、ウェブ上で内容を公開していきたいと思います。

この企画を思い付いたのが、本日8月7日であり、〆切まで1ヶ月を切っております。個人的には、インデザインでの入稿の練習を兼ねております。

第1回は私の決意のような内容になってしまいましたが、最後に一つ…

〈本日の笛のツボ〉笛は吹くのでは響かせる

本連載が地車囃子の笛を吹く皆さんのお役に少しでも立つことができれば嬉しいです。

民の謡 代表 篠笛奏者 森田玲


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