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コスプレカメラマンのディフューザー選び

これまでストロボとライトスタンドの選び方の記事を書きましたが、今回はディフューザーの選び方です。ある程度あればより綺麗な写真を撮ることができるようになります。


なぜディフューザーを使うのか

ストロボ単体ですと点光源です。晴天の中、ご自身の影を見ると影がクッキリ投影されていると思います。その状態が点光源となり、太陽がディフューザーのないストロボという形になります。点光源でのライティングをハードライティング(ハードライト)と呼ぶ事もあります。

ディフューザーを使うことによって影をグラデーションのある緩やかな影に変えることが出来ます。当て方によっては一切影の無い写真にすることも可能です。その状態を面光源と呼び、ソフトライティング(ソフトライト)と呼ぶ事もあります。

特にコスプレ撮影においては、ハードなライティングが似合う作品もありますし、主に女性キャラですとソフトなライティングが好まれる事が多いです。

アンブレラなのかソフトボックスなのか

以前はアンブレラ(傘型)なのかソフトボックス(箱型)なのかで議論や対立も見たりしていましたが、「両方あると便利」に落ち着いているようですね。下記に詳しく記載します。

アンブレラとは

アンブレラ、そのまま傘です。

ごく一般的な反射型アンブレラ
こちらは透過型アンブレラ

アンブレラには反射型と透過型があり、小型のものや折りたたみ傘と同じ形で収納サイズがさらに小型になるものや、広げると成人男性を超える180センチ前後の大型のものまで各種あります。所有はしてませんが、深型とよばれるタイプも存在します。

下は33インチ(約84cm)、上は70インチ(約178cm)

アンブレラは光の拡散が大きいので、ピンポイントに光が欲しい場合は後述するソフトボックスの方が便利です。背景も被写体も明るい写真を撮る場合にアンブレラはとても便利です。

アンブレラを使う時の注意点

クリップオンストロボを使う場合は発光点とアンブレラの距離を離してください

アンブレラの距離が近い場合
強い光が中心部にあります
アンブレラの距離が十分離れている場合
光が拡散しています

発光点とアンブレラの距離が近いと中心部に強い光が集中して十分な拡散が行われない場合があります。十分に離すと光が拡散されます。


反射型と透過型の違いを理解する

透過型は向こうが透けて見えます(被写体は奥に)

反射型は基本的に被写体と逆向きにストロボを設置し(アンブレラ←ストロボ→被写体の順)、アンブレラの反射光で撮影を行います。一方透過型は”ストロボ→アンブレラ→被写体”で設置します。時折イベントなどで反射型と同じ使い方をされている方がいらっしゃいますが、言わないだけで(間違えてる)と思われますので注意が必要です。以前お声掛けしたときは「これでいいんです!!」って言われたので、以後何も言わなくなりました。

どの機材をどのように使うかは個人の自由なんですけどね。

透過型アンブレラを使うときは光の漏れに注意

透過型アンブレラはその性質上、光の漏れが写真に映り込む事があります。

手前のほうが明るい

自分も稀に失敗するんですが、透過型アンブレラ使用時にはこのような光の明暗差が写真に映り込む可能性があります。光源を遠ざけるか、ズームして映り込まないようにする事も考えないといけません。

アンブレラ使用の作例

アンブレラ左右2灯でオーソドックスに全体的に明るい写真に仕上げています。また記事にしますが、背景も被写体も明るい写真にするには光源の位置を遠ざけます。


ソフトボックス

アンブレラもですが、ソフトボックスも様々なメーカーが沢山の種類を販売しています。

一般的なソフトボックス
縦長のソフトボックス

個人的にはあまり種類は持っていませんが、80x80や60x60のソフトボックスが比較的使いやすいかもと思っています。

グリッドとよばれる網がセットになったものが良いです

ソフトボックスはアンブレラと別の表現方法である、背景は暗いが被写体は明るい、黒背景の黒締めを行う、という写真を撮るために使っています。

グリッドの有用性

グリッドありの場合
角度を付けると白い布が見えなくなります
同じ位置でグリッドを外すと白い布が見えます

グリッドがあると白い布が見える角度が狭くなります。それは光が見えなくなる事であり、指向性が強くなるということです。一定の範囲しか光が届かなくなるということですかね。

光を当てたい場所と当てたくない場所がグリッドから白い布が見えるか見えないかである程度判断出来るので便利です。そして、指向性が強くなるので、光の向きが狭くなります。

オススメなのは80cm x 80cmや60cm x 60cmの基本的なソフトボックスです。唯一の欠点としては、収納方法がレフ板と同じ感じなので、特に女性が「たためない」というお話を聞いたりもします。慣れれば簡単なんですが。

ソフトボックスを購入する場合は、S型ブラケットとグリッドがセットになったものが別購入よりもお安くなりますのでオススメです。

ソフトボックス作例

被写体と左下の花に弱くストロボ光を当て、その他の部分は環境光で馴染ませています。

弱いストロボ光を当て、環境光と馴染ませています。顔の右側にはファインダー外にある照明によるオレンジ色の光が当たっています。

上の写真は、被写体の左右にソフトボックスをかなり近づけて設置し、背景の白壁にカラーフィルターを付けたストロボを当てています。アンブレラですと光が混ざって背景の色が薄くなりますので、欲しい場所に光を当てるようにします。



縦長ソフトボックス

かなり大きいです

大きい方は35cm x 160cm、小さい方は22cm x 90cmです。
大きい方は被写体が立った状態でも十分全身に光が当たる大きさです。
小さい方は補助光として使う場合もあります。

ただし、特に大きい方はシェアスタジオやイベントなどでは持ち込み禁止とされている場合もありますので注意が必要です。貸し切りスタジオなどで使用するようにしましょう。

また、組み立て解体に時間がかかるのと、解体時にかなり力が必要なので、注意が必要です。

ディフューザーを使う時の注意事項

頑丈なライトスタンドでも転倒する場合があります。狭いスタジオなどでしたら誰かが当たる可能性があるので、使わないときは収納するかライトスタンドを低い位置に変えるかするようにしてください。

当たると倒れる危険性があります

屋外では無理をしない。特にアンブレラを屋外で使うと弱い風でも倒れる危険性があります。以前ラグコスというところで、背丈程の巨大なアンブレラが風で飛ばされて川に落ちたという話も聞きました。機材の損失だけならまだしも、人に当たれば怪我をする恐れもあります。無理のない範囲で使用してください。

風が強いとディフューザーは諦めます

ディフューザーを付けると邪魔になる場合もありますので、一般の方も通られるイベントなどでは特に邪魔にならないような設置や小型のものなどで対応するようにしてください。特にイベントなどは他のカメラマンもいるのでマウント取ろうと機材が大型になる方も時折いらっしゃいますが、安全性やマナー違反にならないようにしたいものです。

おまけ

衣装と機材を持ち込み、大掛かりな撮り合い風景

後ろのソフトボックスなども自分の機材で、コスプレをしながら3人で撮影をしたときのものです。これはこれで楽しかったりします。

※埋込写真は全て掲載許可済

ここまでご覧いただき誠にありがとうございます。


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