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学校では習わない「大腰筋」

どうも。薬師寺です。

Physio365は今月はテーマ縛りはありませんが、薬師寺の中で勝手に「筋肉」を1つだけ絞って文献や参考書で探り尽くした情報と実際に薬師寺が臨床で使っている部分を繋いだテーマでコラムを執筆しています。


1回目:広背筋

2回目:僧帽筋

3回目:大腰筋(今回のコラム)


というわけで…

今回は、大腰筋に絞ったコラムにしています。


上肢疾患を診る機会がないセラピストとしては、僧帽筋などはあまり興味を持てない部分はあるかと思いますが…

「大腰筋」に関しては、身体の中枢部分に位置するため、上肢疾患を診ないセラピストでも、全員に共通して重要なテーマになると思います。


では本題へ⬇⬇


大腰筋の特徴について

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<大腰筋の起始停止の関係性>

大腰筋の特徴について。


大腰筋は知っての通り、胸腰椎から小転子まで付着する筋肉です。


脊柱と下肢を繋いでいるのは大腰筋以外は存在しません!!


・腰椎
・骨盤
・大腿骨

これらの筋肉に関与しているわけですが、骨盤内は通過するだけであって大腰筋は付着しないという解剖学的な特徴があります。

つまり、、

大腰筋は骨盤の前傾と後傾のコントロールに関与はしていますが、腰椎と大腿骨の位置関係が変化することによる骨盤の前傾・後傾です。


腸骨筋は骨盤に付着する筋肉のため、腸骨筋自体が骨盤のコントロールに関与しますが、大腰筋は胸腰椎と大腿骨を介して骨盤をコントロールしているということです。


なので…

大腰筋を臨床で考える時には、骨盤の動きを捉えることも必要ですが、それ以上に「腰椎アライメント」「大腿骨アライメント」の2点を意識することは解剖学的に考えても必要です。


<大腰筋は赤筋線維を多く含む>

文献によっては…

「大腰筋は白筋線維よりも赤筋線維の方が豊富。」


と言われていたりもします。


つまり…

瞬発的な力を発揮するよりも、姿勢保持筋や持久性に重要な筋肉ですよってことも言われています。


大腰筋の関連筋について

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大腰筋は…

位置付けからみても、身体の中心部分に位置する筋肉のため、重要な役割を担っているのはご存知だと思います。


そして、、

大腰筋と関連がある筋肉ですが、

腰椎前弯・骨盤前傾・股関節屈曲作用がある大腰筋。


その逆になるわけなので…

腰椎屈曲・骨盤後傾・股関節伸展作用があるものが拮抗筋。


・ハムストリングス
・大殿筋
・腹直筋
・外腹斜筋
・内腹斜筋

この辺りが大腰筋の拮抗筋になってきます。


腰椎前弯位・骨盤前傾位・股関節屈曲位から逆方向の動きが行えない場合は、上記の筋肉の影響をまず考えることが必要になってきます。


逆に…

腰椎後弯・骨盤後傾・股関節伸展が行えない場合は、大腰筋の制限を仮設した評価をすることが必要になってきます。


臨床的に大腰筋を捉える

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大腰筋は身体の中心の部分に位置する筋肉でありますが、

体幹〜股関節部の身体運動に大腰筋は主として関与するわけですが、臨床で大切な大腰筋の捉え方を紹介します。


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分離と連結の動きの2つが重要。


上記でも記載した様に…

大腰筋は体幹と下肢を結ぶ唯一の筋肉です。


そのため、分離にも連結にも状況によって作用しなければいけないのが大腰筋の役目になってきます。


<分離運動について>

分離運動についてですが…

例えばですが、上半身と下半身が別の動きをしないといけない場面ってありあすよね。

基本的に、小さい外乱刺激であれば、足関節でのストラテジーで姿勢制御を行いますが、スポーツ場面など比較的大きめな中程度〜強度の外乱刺激に対しては、股関節を中心としたストラテジーを取る特徴があります。


そのため、、

大腰筋を使う場面を姿勢制御の観点から考えてみれて、比較的大きい外乱刺激を伴った時に股関節でのストラテジーを必要とする時に「大腰筋」が分離して作用する必要があるわけです。


例えばですが…

前屈動作

股関節が屈曲する

腰椎中間位保持
しゃがみ込み動作

股関節屈曲

腰椎中間位

この様に…

これは一例ですが、腰椎と股関節が一緒の動きしかできなければ動きのバリエーションが減ります。


そのため…

股関節は伸展するけど、腰椎は中間位に止めておく。
腰椎は伸展するけど、骨盤股関節は中間位に止めておく。


みたいな…

分離運動をするのも大腰筋の役割です。


前後・左右のバランスを保つためには、大腰筋が軸となった分離した運動が必要になってきます。


サッカーなどのコンタクトスポーツなどもろに代表例だと思います。


<連結運動について>

大腰筋による連結運動が出来ることで…

体幹部〜股関節を安定させることが可能です。

大腰筋は、胸腰椎・骨盤・大腿骨のコントロールを行うわけなので、この身体の土台といってもよい、「脊柱」「骨盤」「大腿骨」を繋ぎ合わせて安定させることが出来るわけです。


代表的な連結機能が働いてない例として…

上記の動画でも解説しているスウェイバック姿勢。


スウェイバック姿勢の代表的な特徴としては…

骨盤が前方シフトして、胸腰椎が屈曲します。


連結している様に思えますが…

上半身と下半身の重心位置を正中位にするのも大腰筋の働きになるため、上半身の質量中心位置に対して、明らかな骨盤前方シフトがあるということは、正中位とは言えない状態です。


こういった場合は…

大腰筋が「脊柱」「骨盤」「大腿骨」をしっかり繋ぎ止めて連結しているとは言えない状況というわけです。


大腰筋が働くポジション

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大腰筋が働くポジションですが…

関節の角度によって大腰筋の作用が変わってきます。


基本的に…

大腰筋を最大収縮させるためには、
股関節屈曲角度を90度以上にすることが望ましく、最低でも屈曲45度以上からの屈曲動作で大腰筋が主として作用すると報告されています。


立位などで骨頭の安定作用が求めれる時には…

股関節0〜15°の角度において大腰筋が遠心性に作用して骨頭が前方変位しないように前方から安定化させる作用があります。


関節の角度によって作用の仕方や役割が異なる大腰筋ですが…

水泳の基本姿勢でストリームライン。

という姿勢があります。


この姿勢って大腰筋というか腹部の深層筋がバチバチに効いてる感じがするのがもろに分かるんですね。


これ「何でこんなにストリームラインで深層に効く感じがするんだろう」って超疑問があって色々と論理的に考えて裏付け出来る理由を考えてみました。


それで…

ストリームラインで何で大腰筋が働くかってことですが、しくこいくらいに記載している様に、大腰筋は胸腰椎〜大腿骨まで付着する筋肉です。


ストリームラインで大腰筋を使う感覚がある点や…

この解剖学的な位置関係から考えて…


「大腰筋はテンションが掛かっている方が作用する」


実際に文献や参考書を探ったり、解剖学的に考えてみた結果ですが…

腰椎前弯・骨盤前傾によって短縮位にある大腰筋は姿勢のパターンでいえば腰椎前弯症(不良姿勢)であり、大腰筋が機能している状態とは言えず、脊柱起立筋の過剰な収縮や大殿筋の筋力低下なども伴っている。

とも捉えることが出来ます。


エロンゲーションをした方が、
インナーマッスルにもテンションが掛かり刺激が入りやすい様に…

起始と停止の関係性を見ても、

大腰筋がある程度テンションが掛かるような伸長されるポジションを作ることも大腰筋が働くポジションになってきます。


単純にエロンゲーションをするだけでも上半身と下半身の位置関係を整えることが可能なので、大腰筋を連結として作用させることが可能です。


また、、

文献によって、骨盤前傾・腰椎伸展アライメントを来して、大腰筋が短縮している状況では、「ほぼ確実に腹筋群の筋力低下も生じている」という報告もあるため腹部など体幹周囲の安定性低下にも繋がるわけです。


大腰筋とスクワット動作

※動画も合わせて見て下さい。


スクワットにも多くのスクワットがありますが…

大腰筋とハムストリングスの関係について簡単に解説しようと思います。


スクワット動作をする時には、大腰筋は働いていない様に感じますが、骨盤を前傾位保持をするのが大腰筋の役割です。


そして、、

大腰筋によって骨盤が前傾保持された状態で、ハムストリングスを働かせたいわけですが、ハムストリグスは骨盤後傾作用があるため、その作用を中和させる必要があり、その役割が大腰筋。


多くの方は…

大腿前面や大腿外側の突っ張り感や問題点になる方が多いため、モモ裏のハムストリングスを求心性収縮ではなく、動作に活かせる形である遠心性収縮として使えるようなアプローチをすることは非常に重要になります。


まとめ


大腰筋は超大事だよって話。

全然まとめてないけど終わりにしまーーすww


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