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八音四句の短詩と作詞

 四拍子のエイトビートで、四小節三十二音の詩を作っています(笑)つまり八音四句の定型詩を作るということです。これは、もはや詩というよりは歌詞に近いものと言ってよいかもしれません。四拍子四小節でワン・フレーズ分の曲です。一小節が最大八音なので、三音くらいまでの字足らずは、まったく問題ありません。ただし字余りはちょっと工夫が必要になります。無理やり入れるなら16ビートまで細かくするか、あるいは小節間をまたぐなどしないと入り切りませんからね。これは実際には曲が乗せにくくなってしまうので、本来望ましくありません。リズムパターンとしては、六〜八音を三小節埋めて、最後を六で終わるのが、わかりやすくてよさそうです。つまり、目一杯使って、「八八八六」で結句二字足らずというような感じです。ちなみに「七七七五」なら「都々逸(どどいつ)」という定型詩(歌謡調)になりますけどね。まあ、それはさておいて。「八八八八」の定型詩を、すでにもう、いくつも僕は作っています。実際に作ってみるとわかることですが、このリズムは、散文調に近いものがあります。というより切れ目がないし、リズムに変化もないので、曲を付けるなら音数を八よりも減らして音に長短の変化をつけないとつまらないものになってしまうかもしれません。ただ、いずれにしても譜面をはみ出てしまうようなことには、まずならないでしょう(笑)

 通常の詩と歌謡曲の歌詞は、似て非なるものと言えます。歌詞はリズムやメロディーに縛られますからね。つまり、楽譜にしづらい詩は歌詞には向いていないし、詩を曲に合わせられなければ歌詞にはなりえませんから。作詞は必ず曲を意識します。さらには、日本語などのイントネーション(音の高低)が意味を持ってくる言語は、英語などとは違って、メロディに縛りを受けてしまうこともありえます。「端」なのか「橋」なのか、はたまた「箸」なのか。同じ音でも意味が変わってしまう日本語では、曲のイメージにも影響が出てしまう場合もありますからね。最近は、これを無視したような曲も世の中に氾濫していますけど(笑)

 説明ばかりしていても、わかりにくいと思うので、実際に僕が作った練習詩をいくつか紹介します。と言っても作曲を意識していないので、曲をつけやすそうなものを三つばかり選んでみました。


マリーゴールドが 予言した恋は  
真夏に生まれて 秋に消えてった

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 (20211114/私之若夜=しのわかや)


毎日世界の どこかで何かが
天使の梯子を 上がって行くんだ

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 (20211125/私之若夜=しのわかや)


空色の朝に 水色の影が
虹色の風を切って走りゆく

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 (20211126/私之若夜=しのわかや)


以上 アメーバブログ『わかやの詩作トレーニング』に投稿済みの作品から
URL: https://ameblo.jp/shino-waka/ 

※【写真】Canvaのサイトから頂いたものです。


 詩を先に書いて曲を付ける場合は、以上の詩のイメージに合わせて曲を作ればいいわけです。音数が八なので、多分作曲はしやすいでしょうね。このままだと、ロック調のマシンガン的な、あるいはラップっぽい感じの曲になるでしょう。スローな感じにしたければ、エイトビートではなく、一行をそれぞれ四小節分に長く設定すれば、ゆったりしたいい感じの曲になりますね。きっと(笑)
 それとは違いますが、先にメロディが用意されていて、場面構成や曲自体のコンセプトやテーマがはっきりしたものなら、それをイメージしながら歌詞を書けばいいだけです。歌にして口ずさみながら書くとイメージがさらにしやすくなっていいかもしれません。あれっ?気がついたら、作詞についての投稿になっていました(笑)趣味の範疇ですが、僕も自分で作詞作曲をした経験があるので、時折、音楽から影響を受けて詩を書くことも多いし、逆もあります。詩と音楽は、僕にとっては切っても切れないつながりがあるということなんでしょうね。世の作詞家の方々がやっていることとは、まったくつながらないかもしれませんが(笑)

 今日は笑ってばかりです。