Frederic Chopin「Nocturne Op.9 No.2」で伴奏の配置を考える

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音源を聴いてもらえればわかりますが、やはり打ち込みの限界を感じます(笑)なんという無表情感。
原譜通りに書いたはずなのに、やはり人と機械では聞こえ方は雲泥の差。まぁ、当たり前ですが。

1.アレンジで意識したこと

この曲といえば、とにかく和音がオシャレ。
原曲もレストランやバーなど どこで聴いても様になるような印象ですよね。
しかしそのハーモニーを作っているのはアルペジオ。そして元はと言えば演奏する楽器がピアノ。
ピアノはペダルを使ってそれぞれも音を伸ばせるので結果として和音が成り立ちますが
サックスは単音。しかも吹いた分だけしか音は残らない。
そこで、それぞれの和音をイメージした時に一番雰囲気を作りやすい配置はどれだろうというのを全編にわたって考えました。

楽譜の最初だけ公開すると、こんな感じ。

基本的にこの伴奏が最初から最後まで続きます。
しかしただピアノ譜の音並びをそのままコピペ、というのではなく
最初の音は何がよいか、跳躍した先の音は何だと自然に聴こえるかを常に詮索しました。
やっぱり楽器によってよく鳴る音域というのは違うし、楽器の組み合わせによっても最適解というのは変わってくるので
今までの編曲作品の中で一番と言っていいほど耳を酷使して採譜したかもしれません。

2.こだわりポイント

・カデンツァは簡潔に済ませる

原曲では自由なテンポ感で弾くことになる部分ですが
サックスで同じことをさせようとすると、どの楽器でも割と指がエグいことになるんですよね(笑)
なのでこの楽譜ではあえて縮小版というか、それらしい、でも奏者のことを配慮した忖度版で書いてみました。
またその前の和音は原曲にはありませんが私の方で考えて配置してみた次第。ここもそれらしくなっていれば良いかな、と。

・最後は、最後らしく

原曲に近づけることを最も重要とするのであれば、おそらく最後の小節のソプラノは2音目でオクターブが上がるでしょう。
しかし私も鬼ではありません。ソプラノ奏者がこんな場所でサイドキーのファを吹くことにどれだけの抵抗があるかも、もちろん察しはつきます。
というわけでしっとり終わることを目標とし、最後はオクターブそのままに。
ただ、ご自身の責任のもと上げていただくのは全く問題はないですよ。そんな緊張感もまた良いかもしれません。

3.最後に

楽譜上は構成がフラットに作られていますが、メロディーの吹き方などで抑揚をつけてもらえるとかなり変わる考えています。
特に後半はピアノが旋律を弾くような自由なリズム感で演奏してもらえると原曲らしさが出るかもしれません。
ぜひ出番が回ってきたらご自身の音楽で、色をつけてみてください!

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