#3 監督への道
こんにちは。
沼田心之介(ぬまぴー)です。
アニメ制作を生業としております。
このnoteではアニメに関する情報や制作の裏話、体験談を綴っていきたいと思います。
前回、#2アニメができるまで(監督編)では、監督の仕事内容について書きました。
今回は
じゃあ監督になるにはどうすればよいか?
について書いてみたいと思います。
ただ、僕の経験や知識からなので偏見も入っているかもしれません^_^
これからアニメ業界に入って、監督を目指したいという方に少しでも参考になれば。
特別編を入れて5パターンあります。
アニメ監督への道のり①
~作画から登っていく~
作画、つまり絵を描く人ですね。
原画とか動画と言われるポジションの人です。
絵を描く事が好きで、好きが講じて、アニメ業界に入るとまず動画という職種になります。
そこで、認められると原画になり、さらに作画監督になったり、演出を任され、監督になる。
これは最も基本的な正規ルートと言えると思います。
しかし、個人的には最も難関なルートなんじゃないかなーと思います。
例えば宮崎駿さんがまさにこれです。
なので、自分で何でもコンテ、演出、作画とできちゃうので、自分で描き直しちゃったり、全てが目に付いちゃうので、本人ももちろんですが、一緒に働く人も大変なんだろうなと想像が付きます。
アニメ監督への道のり②
~制作進行から演出、監督となっていく~
制作進行とは主にスケジュール管理。各工程の橋渡し的な存在です。
物理的にも精神的にも過酷な仕事なので、蒸発してしまったり、業界でも慢性的に人手が足りません。
制作進行からというパターンも少なくありません。アニメに関わる仕事がしたい。でも、絵を描くのが得意ではない。こういう人は基本的に制作進行を任されます。
制作進行の利点としては、全行程を見ることができるという事です。
誰がどんな絵を描いて、どんな演出をしてというのを常に確認できるので、仕事の物量に忙殺されず、強い意志さえあれば、意外と近道かもしれません。
アニメ監督への道のり③
~撮影監督から監督になっていく~
まず、撮影という職種を説明しなければと思います。
上記にもあげた作画さんは基本的にはキャラクターを描いています。
昔はセル画と言って透明なシートに描かれていましたが、そのキャラクターが載る背景というものは、作画さんとは別に、美術・背景を専門にした方々が描いています。
作画さんが描いたキャラクターと背景さんが描いた背景を合成するのが撮影というポジションの人になります。
ちなみに昔は下向きのカメラで実際に撮影をしていたことから、未だに撮影という名の職種で呼ばれています。
今はアフターエフェクトというソフトでパソコン上で合成をしています。そしてこの合成時には、カメラの位置であったり、加工(エフェクト)を使い、作品を大きく変化する事ができます。
つまり、演出意図を汲み取り表現をするので、撮影さんは自然と演出的な視点ができてくるのだと思います。
なので、演出、監督への想いが強くなり、流れていく方もいるんだと思います。
アニメ監督への道のり④
~演出助手からの監督へ~
これがある意味、理にかなってるというか、餅は餅屋と言いますか、いろんな業界においても一般的なルートだと思います。
ただ現在のアニメ業界においては中々難しいかも知れません。昔はあったと聞きますが、今は珍しいんじゃないかと思います。狭き門というか、運が必要になってくると思います。
アニメ監督への道のり⑤
~初めから監督~
技術が発達した現在は多くなってるかもしれません。
自主制作を作り続け、何かの賞を受賞したり、個人作家として活動を続け、いきなり監督デビューをするパターンです。
何を隠そう僕もいきなり監督パターンなのですが、決して個人作家でもないですし、賞を受賞したわけではありません。
僕のことはあまり参考にならないと思いますが、次回のnoteに自己紹介がてらまとめたいと思います。
このようにアニメ監督はかならずこのルートを通るべき、という道はございません。
また上記以外にもいろいろと監督へのなり方はあると思います。
もし監督を目指したいという方は何かの形でアニメ業界に入り込んで、諦めなければチャンスは必ず回ってくると思います。
最後までお読みくださいまして、誠にありがとうございました。
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