見出し画像

シャルル七世はリッシュモンを恨み、大元帥は王をつけ回す

急に寒くなりましたね。
ことしの秋は実質2週間くらいで終わった気がする。もう冬だよ…

たびたび話題にしているガストン・ボークール著『シャルル七世の歴史』
執筆したり翻訳したり、飽きっぽいので同時並行でいろいろ作業してますが、
シャルル七世関連の興味深いエピソードを見つけると、我慢できずに吐き出したくなる〜

そこで、今回はこちら。2巻「第二章 統治の初期」より。

シチリア王妃(ヨランド・ダラゴン)は「今は非常に良好な関係を築いている」と語ったが、王と大元帥の間ではすべてが終わったわけではなかった。
シャルルはブールジュで受けた屈辱を深く恨んでおり、リッシュモンを仲間に入れることを拒否した。グリュエル(リッシュモンの副官)によれば、ブールジュからポワチエへの旅の間、大元帥はつねに王の後をついて回っていた

シャルル七世が21〜22歳くらい、リッシュモンが31〜32歳くらい。

このころのシャルル七世は「屈辱・凌辱・辱めを受けた」という理由でリッシュモンを恨んでいて、リッシュモンは一時期監禁した…?ようなことが書いてある。
同時に、リッシュモンは自費で「シャルル七世を守るための特別な護衛」を雇っている記録がある。(ストーカーなんだか過保護なんだか…)

リッシュモンがシャルル七世を嫌っている兆候はない。
二人の間でなにか行き違いがあったか、シャルル七世が一方的に「屈辱」を感じて「遠ざけたい」と思っている感じ。ヨランド・ダラゴンが二人の仲を取り持ち、シャルル七世は表面的には受け入れているけど、本心ではしこりを残している。

小説を書くまでもなく妄想がはかどる主従だこと😂
気になりすぎて、翻訳するとき一言一句たりとも見逃せない。


\ここから下は自著とコンテンツの宣伝です/

▼7番目のシャルル、聖女と亡霊の声

あらすじ:不遇な生い立ちの王が百年戦争に勝利するまでの貴種流離譚。
フランス王国史上最悪の国王夫妻——狂王シャルル六世と淫乱王妃イザボー・ド・バヴィエールの10番目の子は、兄王子の連続死で14歳で王太子になるが、母と愛人のクーデターで命からがらパリを脱出。母が扇動する誹謗中傷に耐え、19歳で名ばかりの王に即位したシャルル七世は、没落する王国を背負って死と血にまみれた運命をたどる。

父母の呪縛、イングランドの脅威、ジャンヌ・ダルクとの対面と火刑、王国奪還と終戦、復権裁判。没落王太子はいかにして「恩人を見捨てた非情な王」または「勝利王、よく尽された王」と呼ばれるようになったか。

※noteのヘッダとアルファポリス版の表紙画像はPicrew「IIKANJI MAKER」で作成したイラストを加工し、イメージとして使わせていただいてます。

▼7番目のシャルル、狂った王国にうまれて【少年期編完結】

※アルファポリス版の表紙画像は離雨RIU(@re_hirame)様からいただいたファンアートを使わせていただいてます。


自著の紹介

既刊:デュマ・フィスの未邦訳小説『トリスタン・ル・ルー』

2022年10月21日、シャルル七世即位600周年記念にリリースしました。
Kindle版(電子書籍)とペーパーバック版があります。

新刊:『十九世紀の異端科学者はかく語る』

ジョン・ラボック著『The Pleasures of Life』第一部を翻訳・書籍化しました。訳者・序文で「ダーウィンとラボックの師弟関係」を書き下ろし。

web小説『7番目のシャルル』シリーズ

シャルル七世が主人公の小説(少年期編青年期編)連載中。
関連エッセイ、翻訳などもあります。


いいなと思ったら応援しよう!

しんの(C.Clarté)
最後までお読みいただきありがとうございます。「価値がある」「応援したい」「育てたい」と感じた場合はサポート(チップ)をお願いします。