三和土(たたき)をつくる
作り方に興味があった。
三和土(たたき)
作り方に巡り合ったので、メモnote。
三和土は数種類の土と消石灰、苦汁の3種類の素材を混ぜ合わせ、たたき締めてつくる。
水加減が重要。
施工の際には一度に仕上げず何層かに重ねるように施工するのが綺麗に仕上げるコツ。
材料:
1平米厚み60ミリ仕上げの場合の必要量
70mm程度の厚みで敷きならし、叩いて60mm程度で仕上げる量。
主材
深草砂利 45ℓ
:花崗岩や安山岩が風化した小石混じりの砂利が古くから使われている。山砂 45ℓ
粘土質系の土
中塗土 15ℓ
赤土 11ℓ
・・・着色用の目的もある
混和材
消石灰 15ℓ
苦汁 15ℓ
または
塩化マグネシウム水溶液
塩化マグネシウム 550g + 水 15ℓ
三和土セット
配合済みの便利なセットもある。
道具:
左官専用の道具でなくても、園芸用のシャベルや鍬でもOK。
じょうろ
万能柄杓
左官用鍬
レンガ鏝(こて)
舟・ねりぶね
ふね(舟)がなくても、コンパネの上でたたき土をつくってもOK。
作り方:
1.たたき土をつくる
舟に深草砂利と山砂を1対1で必要量入れ、鍬で畑を耕すようにかき混ぜる。
素材の乾き具合により重さが変わるので、バケツで量を計る方が間違いは少ない。
塊がある場合は押し潰して混ぜる。1.の3割ほどの量の粘土質系の土を加える。
今回は中塗土と赤土を入れたが、他の粘土質系の土でもよい。
全体に同じ色になるまで、まんべんなく混ぜ合わせる。2.で加えた粘土質系の土の5割程度の量の消石灰を柄杓で計りながら加え、再度根気よくかき混ぜる。
混ざり方にムラがあると固まりにくい場合もあるので注意。3.で十分に混ぜた材料を舟全体に広げ、まず苦汁を必要量の8割程度を全体に撒き、かき混ぜる。
さらに、少しずつ苦汁を加え、水分量の確認をしながらかき混ぜて調整する。
水分量は重要。たたき土を両手で強く握り締め、ようやく固まるくらいが目安。
水分が浮いてくるようだと苦汁の入れ過ぎ。
再度、砂利や砂、土を入れて練り直す。
2.施工する
下地によって、たたきの仕上げ厚みが変わる。
コンクリート下地の場合:
コンクリートに直接三和土を施工することはできない。
少なくとも砕石を60mmほど敷く。
その場合も、たたき土は70mm程度敷いて、60mmほどに叩き上げる。
砕石下地の場合:
下地が砕石の場合は、70mmほどのたたき土を敷き、たたくと60mm程度になる。
仕上がりの高さの調節は、下地の段階で砕石を敷きならし、タコなどで締め固めた上で三和土の施工をする。
道具:
木づち
垂木
スポンジ
鏝(こて)
レンガ鏝
園芸用シャベル
たたき棒
タコ
鍬
刷毛
たたき土にはアルカリ性が強い消石灰が含まれるため、木に触れると後々アクが出ることがある。
念のため、施工する前に木部を養生しておくと安心。まず、土間と壁などに際や隅にたたき土を三角状に盛り、木づちで十分に叩き締めておく。
三和土は3層ほどに分けて施工する。
つくったたたき土の1/3程度を目安に、土間全体に小分けに盛る。小分けに配したたたき土を鍬などで土間全体に敷きならす。
全体を足で強く踏み締める。
木の棒で、全体が水平になるよう均等に敷きならす。
施工面積が広ければトンボなどを使う。
3.から6.の作業を3回繰り返す。
3回目は仕上げ高さより、おおよそ1cmほど高くなるように敷きならす。
一度叩き上げると高さの補修ができないので、特に3回目は慎重に施工する。タコを使い、水分が上がってくるまで土間全体を均等に突き固める。
たたき棒で細かな段差がなくなるように、均等に土間を叩いて仕上げる。
この時、ドンドンという濁った音からカンカンと甲高い音に変わってくると仕上がったサイン。
壁際などの細かな部分は垂木などを使い、木づちで叩くと仕上がった壁を傷つけることが少ない。たたき棒で仕上げたままでもよいが、水を含ませた刷毛やスポンジを使って表面の土を洗うと、三和土は10年ほど経過したような趣ある仕上がりになる。
三和土、土間があると良いな、という方、ぜひ。
最後まで読んで頂き、感謝です(ペコリ)
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