アプリとつわり

無事に2人を産むという目標を立ててからは少しずつ不安だけでなく、楽しみも感じられるようになってきた。なによりアプリがその気持ちにさせてくれた。

私が使ったアプリは3つ。トツキトオカは可愛いイラストの赤ちゃんがいろんな話をしてくれる。しかも双子の設定にすることで2人の赤ちゃんを表示できる。私は、「いちこ」と「にこ」という胎児ネームをつけた。ninaruは同じ週数のお母さん達の投稿を見ることができる。積極的に投稿することはなくても、不安や楽しみを共有できる人がいるのは本当にありがたい。マタニティ+はリアルな胎児がみれる。双子の登録をすると、多胎児向けに書かれた記事も定期的に読むことが出来て嬉しかった。

毎日投稿される記事を読んで、直接見ることのできない赤ちゃんの成長を感じることが出来た。そしてつわりの辛さも乗り越えられることができた。

つわりはつらい。

妊娠するまで、こんなに辛いと思ってなかった。常に船酔いのような気持ち悪さが続き、ご飯を食べたいと思えなくなった。食べている途中で気持ち悪くなって最後まで食べることが出来なかった。朝起きた後、気持ち悪くて何も食べれなかったためお茶だけ飲んだら、家を出た瞬間飲んだお茶を戻してしまった。吐き気だけでなく、体のだるさ、めまい、立ちくらみ、眠気、腹痛、頭痛が変わりばんこでやってきて、仕事どころでなかった。美味しそうな匂いも吐き気に変わり、駅から家までの帰り道が途方もなく長く感じた。

一度、酸味が効いてる食べ物なら食べやすいだろうと義母が作ってくれた冷やし中華を食べた後、直後に全部戻してしまうことがあった。義母の気遣いが嬉しかったし、なにより美味しく食べることができた。けど、食べ終わった後すぐ吐いてしまった。トイレの便器の中にある、まだほとんど形そのままの冷やし中華を見て悲しくて涙が出た。せっかくの気遣いを無駄にしてしまった悲しさ。食べられると思ったのに食べられなかった悲しさ。食べ物を無駄にしてしまった悲しさ。とにかく全てが悲しくなってしまった。

その後、そのまま寝たけど結局お腹が空いてしまい、夜中にビクビクしながら冷凍庫にあったお好み焼きを食べた。なんとか食べれた。食べることがこんなに怖いなんて、そのことがつらくてしょうがなかった。

仕事もたくさん休んでしまった。体調を自分でコントロール出来ないつらさがあった。休んだ分、次の日の自分の仕事が増えて無理をすることで体調を崩す、負のスパイラルに陥ることもあった。

つわりは人それぞれ、中には体重が7〜8キロ落ちる人もいる。この事実は「もっと大変な人もいる。自分は軽い方だから我慢しなきゃ」という気持ちになってしまい自分を苦しめた。きっとホルモンバランスのせいでやたらとマイナス思考になってしまってたのも関係あるかもしれない。

とにかくつわりはつらい。そしてまた、昔の私のように、つわりがつらいことを知らない人が多いこともまたつらい。

大丈夫?と声をかけられた時、大丈夫ですと返してしまう私のような妊婦も悪いと思う。だけど、気持ち悪いし頭痛いしダルいし全然大丈夫じゃないです!もう無理!今すぐ帰りたいです!とは言えない。つわりの辛さをもっといろんな人に知ってほしい。そして優しく出来る世の中になれば最高だ。

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