どこまでも吹いていく風がなつかしい
愛しいオートバイに乗って
だだっぴろい草原の道を
針葉樹の森のくねくね道を
銀色の波がきらきら揺れる
湖のほとりの道を
わたしは走った
風はいつも
たとえ雨の日でもどこか
乾いていて
芯にはひんやりとした冷たさがあり
痛いほど澄んでいた
ときおり
空と緑と水の色しか見えない場所で
マシンを停め
エンジンを止め
ひと息つく
風の音が心地良かった
たくさんの植物がこすれ合う音
無数の 草や 葉や 花が
風に揺れ ささやく
幾重にも 幾重にも連なる
大自然のシンフォニー
豊か