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詩|短篇小説

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ひさしぶりに詩を書きたくなりました。昔はよく詩で表現していたのに、しばらく散文ばかりで。これからはまた、自然にことばを紡いでいけたらと思います。散文詩的なごく短い読み切り小説も、… もっと読む
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2020年9月の記事一覧

歌のちから

うたっています 忘れられない時間をくれた人が 大切なことを教えてくれた人が 悲しかった時 つらかった時 何度も 何度も あの人の歌になぐさめられて 私も何か できるといいのだけど 今はただ 心の中で ありがとうを言います あの人のやさしさに 心から ◇35年ほど前、高校生のときに書いた詩です。当時、とても歌の上手な異性のクラスメイトがいました。友達といえるほど一緒に行動したわけではありませんが、気さくに話ができる関係でした。私は女の子同士でバンドを組んでいたので、音楽系の

あいつ

いつだってマイペースで 他人(ひと)には なげやりで 冷淡(クール)な人と思われていても 私には わかるの あなたのやさしさ 相手からの報いを求めない なにげない思いやりが 何よりうれしくて お互いに 川の向こう岸を歩きながら お互いの夢を かたすみにおいて 橋はいらない あいつは いいやつだから 大切な人だから それだけでいい ◇35年ほど前、高校生のときに書いた詩です。当時、不思議な距離感の異性の友人がいました。ふだんはたいしておしゃべりもしないのに、ふとした機会に言