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IMAKIRIエッセイ ~いまどきのキリスト者の静かな日常

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IMAKIRI〈いまどきのキリスト者〉である私の暮らしをのんびり発信しています。日々の出来事や思うこと、猫との生活、料理やガーデニングなど。ときには聖書の話も。空はいつも美しく、… もっと読む
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2019年3月の記事一覧

馬を飼うのが夢だった。

 思いもかけない形で、夢は叶っているのかもしれない。あるとき、そう気づいたという、不思議な話。  白いたてがみが、夕日に溶けている。長い首、すらりとした脚、おとなしい葦毛の馬の輪郭は金色に映えていて、私は見とれた。  のんびり散歩していると、ときたまこのように、はっとする一瞬に出合う。いつもの見慣れた風景にも、そういう瞬間はひそんでいて、まったくだしぬけに、この世界は美しいと思わされてしまうのだ。  私の家の近所には、馬がいる。  郊外の牧場なら納得もできるけれど、横浜の

月と匙 あとがきのようなもの

『月と匙』のタイトル画像にしたケーキと、もう食べられない、大好きだったケーキ屋さんの話。 『月と匙』は、先にNOVEL DAYSで公開していた(いまもしている)、オリジナルの短篇小説である。NOVEL DAYSは小説投稿サイトのひとつで、もとはトークメーカーという名称だったのが、運営元が講談社に変わったのを機に、現在の形にリニューアルされた。  私はトークメーカーだった時代から、複数の小説を公開している。  最近、新たにnoteにページを作ったのは、エッセイを公開するため

お仕事について◇真帆沁のリンク集

 本名の後藤しんこで、ブックライター、書籍の編集、校閲、雑誌記事の編集・執筆などをしてきました。ライティング講座の講師の経験も。  最近は、WEBコンテンツのアドバイザリーや、原稿の添削指導、ライター育成、ディレクター育成のお仕事が増えています。こうしたご依頼は歓迎です! ◇取引実績:集英社、講談社、KADOKAWA、マガジンハウス、読売新聞、北海道新聞、誠文堂新光社、朝日新聞出版、東京書籍ほか。また、各種オウンドメディアのお仕事も。  筆名の真帆 沁では、創作作品を発表

聖書を読んで「この人は信頼できる」と思った話

 子どもの頃に受けた虐待と、なぜか聖書がずっと手元にあったことなど。  両親は、いわゆる「無宗教」の人だった。  特定の信仰を持たず、むしろ「宗教」と名のつくものを警戒し、態度としては嫌っていたと言っていい。  それなのに、わが家には聖書があった。しかも、それは子ども部屋である私の部屋の書棚に置かれていた。  幅は1m未満で、棚が5段くらいの縦に細長い書棚だった。棚の2段は、母の持ち物だった世界文学全集が占めていて、その棚に、ゲーテやヘッセの仲間のように、小さめの聖書が置