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寝て過ごす特急「サンライズ」

 2023年4月18日24時33分、私は初めて寝台列車に乗った。
 大阪駅を出発して、行く先は東京。サンライズに乗ったのだ。
 このドル箱路線を何で移動するかという問題には私も興味があった。夜行バスで東京大阪間を移動したことはないが、新幹線、飛行機での移動経験はある。このドル箱路線の移動についてふと思ったのが、「おやすみでんしゃに乗りたい」という三歳からの私の夢だった。
 三歳の頃の私は、熊本県に住んでいた。熊本駅から近いところに住んでいた私は、寝台特急電車「なは」を見て興味を持った。「あれ乗りたい」と毋に言うも、三歳児にはとてもじゃないが寝台特急は難しいだろう。「大人になったら乗りなさい」と言われた。そんな「なは」は私が大人になる前の2008年をもって廃止されてしまった。それ以来寝台特急に乗ることを考えなくなっていた。

「サンライズ」とは何か

 いわゆる寝台特急である。定期旅客運行しているものはもうこのサンライズしかない。JRで唯一の定期運行を行う寝台特急列車でかつ、夜行列車になったそうだ。
 詳しい説明は下記リンクに貼っておこう。

https://www.toretabi.jp/railway_info/entry-773.html


B面からサンライズに乗ろうと誘われる

 サンライズの話はちょくちょくと聞いていた。でも東京に行く用事がない。何か用事はなかろうかと思っていたところ、ネット友達と東京でオフ会をすることをふんわり決めていた。その下見にでも行こうと考えた。
 東京、行くか!となり、仕事終わりに駅で待ち合わせてB面と大阪駅に向かった。
 大阪駅、23:30。都会の夜は煌々と明るく、そして、ターミナル駅の終電は早い。そんな中にもメルトダウンする者ありけり。ベンチに座りて万のものを吐きにけり。いろんな人がいた。出来上がっている人もいる。弁当を食べている人もいる。きっと同じ目的地に向かう人もいる。一時間ほどを大阪駅構内で過ごした。

サンライズの車内

 初のサンライズだが、今回は経験を買おうという事で、B寝台のサンライズツインを選択した。サンライズツインはシティホテルのようなゆったり感があり、眠るのにちょうどよかった。完全個室になっており、布団も寝間着もあるのでホテルのようだった。
 私たちが乗ったのは下段だったので、個室唯一の窓はちょうどホームの足元あたりに視線が来る高さになっていた。
 天候は茨木あたりから雷雨となった。ゴロゴロという音は聞こえなかったが、雨もぽつりぽつりとガラスをこすっている。
 明かりの元に人の姿が見えない深夜の京都駅をすり抜け、東海道線内を闇に紛れて走っていく。
 今はどの辺を走っているのだろうと気になり、GPSを立てて位置を確認する。どこどこを走っているからそろそろこれが見える、などの会話を楽しみたい方はぜひこのサンライズツインをお勧めする。二人で話せるにしても、シングルツインは上下段に分かれてしまうので相手の顔が見れまい。窓の外にカメラを向けつつ配信をするのもいいかもしれない。

サンライズツインの内装。シティホテルみたいである。スリッパもあり靴を脱げるのもポイントが高い。

寝心地について

 ビジネスホテルと劣らない。空調も設定できるのでちょうどよい。
 注意点があるとすれば、寝る前にカーテンを閉めなければあられもない姿が世にさらされるという事だ。

ベッドと布団と寝間着がある。


 初めて寝台特急で移動する場合、興奮して寝られないという事態が起きることが考えられる。他でもない私だ。24:33に出発してからしばらく眠ることができなかった。うとうととするも途中の駅ごとに目が覚めた。その時の写真がこちら。寝台特急なので、その乗車目的は寝て目的地まで過ごすことである。サンライズツインでは、それがより優雅にできる。まんじりとしつつも横浜に着いたあたりから目が覚めていた。だが、東京駅に近づくにつれて眠気が襲ってくる。あぁ、もう少し寝ていたい。

視線の高さがここなので、寝る時はカーテンを閉めて!


停車する駅ごとに目が覚めたので撮っておいた。


総括

 今のうちにしかできない「経験は買うことができる」を実感できたのがサンライズの乗車感想である。ドル箱路線を最短時間で移動する手段もあるし、最安値で移動する手段もある。寝台特急はそのどちらでもない。だが、積極的に寝台列車を選ぶ理由があるとすれば、それは快適さだと思う。足を伸ばして寝ている間に東京駅にたどり着け、朝一から動き始められるのは寝台特急の強みだと感じた。
 朝の東京駅、丸の内出口から出ていくサラリーマンたちを見送った後、私たちは日比谷まで散策をした。日比谷方面に向かったのはまた別のお話。


ここまで読んでくださりありがとうございます。
かなりライト目な記事になってしまいましたが、これを機に寝台特急に興味を持っていただければ幸いです。

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