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小田原北条家の関連書籍紹介

こんばんは!皆さんお久しぶりです。昨年秋以来の更新となります。
今日は感想も交えつつ独断と偏見で小田原北条家の関連書籍を紹介していきたいと思います。長くなるので気になる部分だけでも読んで頂けたら嬉しいです。


入口編から超入門編

『北条五代』上下 ¥3680

著:火坂雅志、伊東潤 出版:朝日新聞出版
「最近、小田原北条家に興味持ち始めたけど何か面白い本ないかな?」という方はまずはこれ読んでみるのがオススメ
火坂雅志さんの急逝により伊東潤さんが引き継いで完成した北条五代がテーマの本格派歴史長編作品。
長編なのに長編と感じさせずサクサク読めるのが◎割と史実に忠実なのにそれでいて面白い。それぞれの当主の苦悩と覚悟が見事に描かれている。特に下巻の氏政・氏直の部分は良かった。

『城をひとつ』¥1760

著:伊東潤 出版:新潮社
小田原北条家を支えた大藤一族を主人公とした戦国スパイ小説。
敵地に潜入し敵の心をつかみ内部から崩壊させる「入込」で城を奪う。マイナーな一族を主人公にしてるのがとてもポイント高い。史実とフィクションがいい感じに融合していると思う。程よい緊張感を味わうことができ、またスピード感のある展開。『北条五代』よりは創作色が強め。

初心者編から中級者編

『戦国北条氏と合戦』¥1980

著:黒田基樹 出版:戎光祥出版
政治・軍事から見た北条五代の概論。写真などが多く掲載されていて視覚的にもわかりやすい。小田原北条家最初の一冊にオススメ。
値段も安めで良いのだが、在庫切れで全然売ってないので図書館で借りてくるのがいいと思う。

『戦国北条五代』¥1650

著:黒田基樹 出版:星海社
伊勢宗瑞(北条早雲)から氏直までの史実が一通り述べられている。北条五代全員の基礎知識を得るのにオススメ。最新研究の成果も反映されているので新しい情報を得られる。

『小田原合戦と北条氏』¥2860

著:黒田基樹 出版:吉川弘文館
史料を基に小田原北条氏後期から滅亡までの過程が詳述されている。関東惣無事令についても知ることができる一冊となっている。

『北条氏康の家臣団』¥1045

著:黒田基樹 出版:洋泉社
氏康期の一門や家老、有力家臣の構成や役割を解説した一冊。家臣団の世代交代や役割の変化などを知ることができる。

『戦国北条家の判子行政』¥968

著:黒田基樹 出版:平凡社
小田原北条家の統治システムを扱った一冊。
一般向けに書かれたものなので内容は易しめ。
戦国大名というと戦ばかりやっているイメージが強いがそれを一新してくれる。

『百姓から見た戦国大名』¥924

著:黒田基樹 出版:ちくま新書
民衆の視点で戦国大名の統治について扱った一冊。
大名と民衆の関係を分かりやすく述べられている。

『戦国時代の終焉』¥836

著:齋藤慎一 出版:中公新書
本能寺の変後から小田原合戦までの関東情勢を述べた一冊。沼尻合戦の詳細が知りたい方にオススメ

『関東戦国史』¥924

著:黒田基樹 出版:角川ソフィア文庫
北条家と上杉家の戦いをメインに関東情勢や国衆の動向などを詳述した一冊。関東の戦国時代を知りたい方にオススメ

『天正壬午の乱』増補改訂版 ¥2860

著:平山優 出版:戎光祥出版
本能寺の変後に起きた武田氏旧領を巡る北条・上杉・徳川の三つ巴の戦い。そこに国衆の動きなどが絡み合うという複雑さだけど、分かりやすくまとめられているのでオススメ

『戦国北条家一族事典』¥2860

著:黒田基樹 出版:戎光祥出版
北条家一門衆と有力家臣が詳しく紹介されていて北条好き必須の一冊。印判や花押まで載っていてとても有難い。増補改訂版が出ているので、そっちの方がいいと思う。値段は旧版より少し高い。

小田原北条家全体ではなく人物特化

『戦国大名・伊勢宗瑞』¥1870

著:黒田基樹 出版:角川選書
最新の研究成果に基づく伊勢宗瑞(北条早雲)の評伝。伊勢宗瑞について知りたいならこれがおススメ。出自や年齢、室町幕府官僚としての活動、今川家との関係、領国統治など内容はとても濃いものとなっている。値段が安めなのも◎時代的に初心者にはやや難しい。

『北条氏綱』勝って兜の緒を締めよ ¥3850

著:黒田基樹 出版:ミネルヴァ書房
北条氏綱の評伝。執権北条家の名跡を継承、鶴岡八幡宮を再建、左京大夫任官、関東管領補任など氏綱が55年の生涯において成した役割は極めて大きい。宗瑞が築いた地盤を確固たるものにし、その後の小田原北条家飛躍の基礎を作り上げたことは間違いなく偉業と言えるのだが、何故か歴代の中で地味と言われる。父と息子の影に隠れた名将 北条氏綱の事績が詳しく知れる一冊。著:湯山学 出版:戎光祥出版『北条氏綱と関東争奪戦』もオススメ
こっちの本より少し安め

『北条氏康とその時代』¥5280

著:黒田基樹 出版:戎光祥出版
北条氏康の最新研究をまとめた論集。宗教政策や教養、幕府との関係なども述べられており、より踏み込んだ内容になっている。

『北条氏政』乾坤を截破し太虚に帰す ¥3850

著:黒田基樹 出版:ミネルヴァ書房
北条氏政の評伝。無能だの暗愚だのマイナスな評価が多い氏政だがそんな評価を改めさせてくれる一冊。書状から氏政という人物を読み解き、その生涯を辿る。さらに、戦国大名の本質にまで切り込んだ内容となっている。初心者から上級者まで幅広くオススメ。

『戦国大名・北条氏直』¥1870

著:黒田基樹 出版:角川選書
北条氏直の評伝。氏政の陰に隠れて、その言いなりと解釈されることがある氏直。最新研究の成果を反映し、氏直の生涯を追う。氏規の家系が狭山北条氏を成立させる経緯なども知ることができる一冊。初心者から上級者まで幅広くオススメ。もっと深く知りたい方や北条家と伊達家の関係知りたい方は上級者向けだが『シリーズ中世関東武士の研究 北条氏直』も良い。こちらは値段高め。

シリーズ中世関東武士の研究『北条氏照』¥7700

著:朝倉直美 出版:戎光祥出版
北条氏照の論集。領国支配や家臣団統制、外交交渉などについての論文が収録されている一冊。高いので図書館にあれば借りて読むのがオススメ。

『北条氏邦と鉢形領支配』¥1980

著:梅沢太久夫 出版:まつやま書房
戦国期の鉢形領をそれに関わる書状や日記などから読み解く一冊。氏邦の鉢形領国経営について知ることができ、氏邦の家臣についても述べられている。

『相模朝倉一族』¥1760

著:志村平治 出版:戎光祥出版
北条家に仕えた相模朝倉一族を詳しく知れる一冊。朝倉能登守景隆をメインにその生涯を追う。比較的薄い本なのでサクッと読める。

上級者編

『後北条氏家臣団人名辞典』¥16500

著:下山治久 出版:東京堂出版
小田原北条家に関わる武将、商人、地侍などありとあらゆる人物が解説してある一冊。ホントに辞典。現在は絶版となっており、入手が困難なので図書館で見ることをおススメする。

『小田原北条氏一門と家臣』¥5500

著:朝倉直美 出版:岩田書院
氏照・氏規・氏邦とその家臣についての研究成果がまとめられていて実に興味深い内容。氏政正室 黄梅院と北条氏直についても考察されている。

『戦国大名北条氏の領国支配』¥6490

著:黒田基樹 出版:岩田書院
領域支配制度の考察がメインとなっている。論文なので、そういうのを読みなれてない人は体力に余裕ある時に読んだ方が良いと思う。書いてあることはそこまで難しい内容ではないとは自分的に思うが、頭をまあまあ使うので…

『戦国遺文 後北条氏編』

編:山口博、下山治久 出版:東京堂出版
活字史料。北条氏編は1〜6巻まであり年代ごとに分けられている。1495年から1592年までの文書が収録。古文書読みたい人へオススメ

『小田原衆所領役帳』戦国遺文後北条氏編別冊 ¥10450

著:佐脇栄智【校注】 出版:東京堂出版
活字史料。小田原北条家臣団の所領や収入を記したもの。所領があった位置などが分かるし、多くの家臣が記されているので見てるだけでも楽しめる。

北条水軍について知りたい方向け

『伊豆水軍』¥1047

著:永岡治 出版:静岡新聞社
伊豆水軍の歴史と実態を紹介する貴重な一冊。水軍好きにオススメ

『戦国江戸湾の海賊』¥1650

著:真鍋淳哉 出版:戎光祥出版
北条水軍と里見水軍をメインとして江戸湾を挟んで繰り広げられた海戦についての一冊。写真や地図などがカラーで掲載されていてわかりやすい。初心者にもオススメ。

あると便利な書籍

『北条氏年表』¥2750

編:黒田基樹 出版:高志書院
小田原北条家百年の歴史が整理されていてとても読みやすい。別の書籍読みながら「あれ?どうだったっけ?」となった時に確認したりする時に便利。

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