空気を読ませず、忖度させず、額面どおりコミュニケーションして期待値を揃える
Twitterで以下のようなツイートを見た
このようなやりとりは社会人をやっていれば見るといえば見るのだが、このやり取り自体はかお互い不幸だなと思う。ので、これを防ぐためにはどうすれば良いのか、架空のエピソードベースで考えてみる。
仕事の依頼の巻取りから考える"すれ違い"
例えば、以下のような話があったとする
一旦、客観的事実だけを話としては書いたが、個々人の心境や補足情報が加わると話の見え方が違ってくる。
パターン1.Aさんが値踏みして見切りをするタイプで、Bさんが楽天家の場合
パターン2.Aさんが面倒見のいいタイプで、Bさんがマイナス思考な場合
このように客観的なエピソードからAさんとBさんの思っていることのパターンは一つだけではなく、色々なパターンがあることが考えられる。そのためAさんの立場だとしても、Bさんの立場だとしても、”空気を読んで相手の思っていることを想像してもらう”ということの限界があることが思っている。
どうすればよかったのか
結局のところ、リーディングであるAさんの思惑やBさんのからの見え方がどうであれ、お互いすれ違ってしまったことがことの原因になっている。そのため、お互いの「期待する動き」というのが揃っていないと、認識のズレが起きたり、要らぬネガティブな忖度で気が滅入ってしまったりする。
パターン1の場合
パターン1の場合は期待値通りの動きができず、Aさんとしては「このままプロジェクトメンバーとしてBさんは活躍できない」と思っているにも関わらず、Bさんはそう受け取ってはいないので、Aさんがストレスを溜めて爆発してしまうか、Bさんが「仕事が遅れても問題ない」という変な認識が染み付いてしまう可能性がある。
そのため、Aさんが「この仕事が期限内に終わらないとなると、あなたに何も仕事が頼めなくなってしまう。何が課題だったかを整理したいので話したいです。」というようにAさんの考えている期待値からズレていることと改善したいことを伝えて合わせにいくことができれば、Aさんが何故引き取ったかの真意も正しく伝わり、Bさんも危機感を持ちつつも改善の方向に意識を向けてくれるので良い方向に改善する可能性がある。
パターン2の場合
パターン2の場合は、Aさんの期待値はもともと高くなく失敗も織り込み済みの上で依頼をしているため、期限以内にできないこともAさんとしては問題がなかったし、駄目な場合はAさん自身がなんとかしようとも思っていた。ただBさんへの言葉は最低限しか行われなかった。Bさんは少ない言葉からAさんが失望していると勘違いをしてしまい、よくない方向に空回りをしてしまった。
この場合もしっかり"もしできなかった場合はなんとかするが、頑張って欲しい"という旨の発言をAさんからBさんへ伝えることができていれば、Aさんの意図がしっかり伝わり、Bさんも無用な忖度をすることなかったので変な空回りをすることもなかった
期待値を合わせやすい関係性
パターン1もパターン2も結局のところ、依頼する側の期待値を適宜すり合わせていくことということが大事という話にはなるのだが、それ以上に期待値をすり合わせる会話ができる関係性が構築できているかというところも大事になる。もしお互いのパーソナリティがよくわからないと言葉を交わしても"そうは言っているが実は本心はきっと違う"などの疑心暗鬼になり、言葉どおりのコミュニケーションができない。そのため正しくお互いの期待値調整をするためには”交わされた言葉はそれ以上でもそれ以下でもなく、額面どおり取り扱う”ということが大前提にないと、いくら言葉を交わしてもすれ違ってしまう。このような「額面通りの言葉でやりとりできる」というのもいわゆる心理的安全性ではないのかなとも思っている。
けれども難しい「額面通り」
しかしながらこの額面通りというのがすごく難しい。色々な難しさがある。少なからず文章コミュニケーションにおいては以下のようなことがある。
文章コミュニケーションの場合、書き手が情報を省略してしまい端的な表現になるので、ネガティブな感情が乗りがち。例えば「水を与えるのはやめて」と書くと"やめて"に引きづられてネガティブな感情が裏にあるのではと意識してしまう
ミスリードを防ごうとするあまりに情報を詰め込み過ぎて、本質的な話が見えづらくなる。例えば「一日に大量の水を与えるとこの植物を根腐れしてしまいます。そのため水をたくさん与えることは非常に問題になります。だから水は一日一回適量与えるべきなので、何回も水あげをするのは砂漠のような環境ではない限りは私としてはやめてほしいです」というような文章だと情報量が多すぎて言葉を読み解くのが大変で汲み取るべき言葉を間違うことがある
文章の読みやすさにおいては個人差がある。書き手が受け取りやすいように書いたつもりが、読み手としては読みづらくて額面の意図を汲み取り間違うことがある。
文章特有の難しさも入っているが、会話などに置き換えても回りくどい言い方などをすると受け取りミスが発生する。そのため期待値調整はお互いの意識が揃っていることをしっかり双方確認しながらやる必要がある。もちろん文章の構成の仕方も感情を抜けということではなく、ネガティブな心情にならないような言葉選びが大事かなと思います。
ちゃんと良いことも悪いことも伝えよう
冒頭のツイートにあったように、"仕事を巻き取る=見限る”ということが頭をよぎると、パターン2のようにそうは思っていないけれど伝えなかったばかりに状況が悪くなることもあります。またながらパターン1の場合は"かたや見放し、かたや前向きに勘違い"という状態を生み出しお互いの行動の歯車が噛み合わず、その後の物事の進みがおかしくなることも考えられます。
そのためお互いの行動の目線合わせや期待値調整などはこまめに行い、良かったことも悪かったこともちゃんと伝える。そういう関係性を構築していくことが変なストレスもなく、全体として物事を進めていく上でパフォーマンスがちゃんと出るので、大事なのかなと思いました。
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