#158 アメリカ大統領選、トランプの過激発言、ヒゲ抜けた大事件？挙式の旅日記その９—挙式当日、妻をどう呼んでいるか、はじめてのリムジン、変貌した神父さん、T2の料理観察、妻とのなれそめ、ねこに抗がん剤どうよ、熊本地震とねこの転嫁性攻撃行動、利き手と遺伝子

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05/10/2016

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●最近のおきゃん

【アメリカ大統領選】

みなさんおはようございます！５月も半ばにさしかかろうとしていますが、先週のNYは気温も１０度を下回る真冬のような寒さでした。すでに牡丹桜も散って若葉が出ているのに冬に逆戻りするなんて、素っ頓狂ですっとぼけた天候です。そうこうしているうちにNYには短い夏がやってきます。NYでは７月が暑さのピーク。あと８週間で真夏になるなんてなんだか信じられません。

さて、アメリカでは今年１１月に行われる米大統領選に向けて立候補者の演説争いが繰り広げられており、そのハチャメチャぶりは日本のニュースにも紹介されていると思います。特に、ドナルド・トランプの過激な発言が日本を含めたアジア圏をかなり刺激しています。トランプは本来実業家で不動産王として知らており、マンハッタンにも黒と金を貴重にしたえげつないデザインの「トランプタワー」があります。NY大好き人間たちの夢の住居アパートでもあります。普通のちっさいアパートでも６億円もします。

兎にも角にも、もし彼が大統領になった日には、ハチャメチャになってしまう！という諸外国の懸念が高まりつつあります。それなら、またオバマさんに大統領を続けてほしい！と思われるかもしれませんが、オバマさんは２期に渡って大統領を務めたので、米憲法の規定によって次の出馬は認められないのです。ありゃま。

【トランプの過激発言】

トランプの過激発言語録には色々ありますが、その中でも日本に関連するものとしては「日本に駐留している米軍の経費全額負担要求」で、「応じなければ米軍を撤退させる」だとか、日米安保条約を見なおして日本に核兵器の保有を容認するだとか、本当にハチャメチャなことを言っております。その他にも、アメリカへの移民枠を制限すると主張しています。特に、不法移民１１００万人を強制送還し、メキシコ国境沿いに壁を設置して流入を防ぐという、まるで映画のような非現実的なシナリオを主張しています。この不法移民はメキシコからのヒスパニック系が多いのは事実ですが、ヒスパニック系有権者は全米の１２％以上もいるのが現実です。結果、そんなトランプの発言にヒスパニック系有権者のほとんどが彼に対して否定的になってしまいました。そうしたらなんと、トランプは先日「ヒスパニック、大好き！」とツイッターでつぶやいてタコスを食べている写真を投稿しました（笑）。もちろん、逆に反発を招いたのは言うまでもありません。

もちろん不法移民だけでなく、正規に移民をしてこようとする人たちの流入も防ぐとなると、本来の「移民の国アメリカ」ではなくなってしまいそうです。同僚のアヌパムの友人（インド人研究者）は、トランプが大統領になったらアメリカへの留学と移住を諦めるそうです。日本人の僕達にとっては想像もつかないことだけれども、インド人にとってはアメリカに移住することは（少なくとも多くの研究者にとっては）人生の大きな目標なのです。僕達日本人は「アメリカがダメになったら日本に帰ればいい」と思いますが、彼らインド人は「インドがだめだからアメリカに住もう」という考えで、その考えの根底が全く違うのです。すなわち、僕達日本人は「アメリカで研究することはスキルアップのため」であるのに対して、彼らインド人には「自国には絶対に戻りたくないからアメリカにしがみつきたい」のです。

さらに、インド人に限らず、各国からの移民制限が行われたら教育や研究の分野でも悪影響が出そうです。これまで世界中から優秀な人材が集まることのできる環境だったらからこそアメリカのアカデミア（学術機関）が世界一だったのに、人が集まりづらい環境になったらその部分が衰退してしまいます。そもそもアメリカはアカデミアの頂点の部分は凄いけれども、小中高の教育に関してはダメダメで、日本の教育の方がはるかに優れています。これまでアメリカのアカデミアの頂点を支えていたのは、世界中から人が集まって激しい競争が繰り返されたからであって、アメリカ人のみで達成したことではありません。外国人の流入を防いで、平均的なアメリカ人をダメな教育でどんなに育てても、これまでにあったようなアカデミアを支えてきた構造は成り立たないと思います。

【ヒゲ抜けた大事件？】

さて、重たい話題となってしまいましたが、アヌパムの登場で、先週おきたエピソードを思い出しました。先週の頭、アヌパムがなにやら深刻な顔をして僕のところにやってきました。

アヌパム「しんコロ、相談があるんだけど」

しんコロ「どした、アヌパム？」