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コロナ禍で加速するパラダイムシフト  新見正則

テレビも全番組録画しちゃえばフリクションレス

数年前、僕はテレビ番組をビデオで全録にすることにしました。地上波とBSの10チャンネルを2週間分、全部録画できるようにしたのです。これで、録画を忘れて観られないということがなくなりました。あらかじめ録画をするというストレス、つまりフリクションからも解放されました。フリクションレスということです。

さて、いつでも観られる状態になって、どうなったかというと、なんとテレビをほとんど見なくなりました。2週間の間ならいつでも観られると思うと、なぜかまったく観ないのです。

昔はテレビに合わせて行動していました

子どもの頃、ビデオのない時代は、見逃したテレビ番組は再放送を待つしかありません。50年近く前、多くの男の子は野球に夢中でした。僕も実は野球少年でした。暗くなるまで野球をやって、泥んこで帰宅する毎日でした。そして野球のやり過ぎで、度々帰宅が遅くなることもありました。しかし、土曜日の19時だけは、テレビの前に座っていたのです。当時、毎週この時間が大人気アニメ「巨人の星」でした。録画なんてない時代、テレビの番組に合わせてみんなが行動していたのです。

観られる番組が増えたのに、なぜかテレビを観なくなりました

ビデオデッキが登場し、番組を録画をすればいつでも観られる時代になりました。レンタルビデオも流行しました。そして、録画をしなくても、2週間分の録画ができるようになり、登録しているチャンネルならどれでもいつでも2週間は観られるようになりました。そんなすばらしい環境ができたのに、なんと、テレビを観ること自体が激減しました。今、かろうじて観るのは、BSの世界のニュースぐらいです。まれに、面白いドキュメンタリーがあれば、ちょっとだけ観ることもあります。

与えられる情報に疑問があるよ

放送局が情報を選んで公共の電波を使って、圧倒的大多数の国民に配信するというテレビの一人勝ちのスタイルから、テレビはメディアの選択肢の1つという立ち位置へと格下げになりました。そして与えられる情報の正確性の限界や、透明性にも疑問を感じるようになっています。

YouTubeの躍進とパラダイムシフト

最近の僕のお気に入りはYouTubeです。テレビとの違いは、こちらが情報を取りにいけることです。そして、公共の電波を使用していないので、誰でも情報を発信できることです。つまりYouTubeを使えば忖度のない情報に触れることができます。情報を与えられる側から、情報をとりに行く側、そして情報を発信する側に変わったのです。これこそパラダイムシフトに思えます。

YouTubeは基本的に無料で世界中の情報に触れることができます。実際はYouTubeも企業ですので、広告が入ります。広告を見たくなければ、少々のお金を支払うと広告が減ります。このYouTubeは2005年2月14日に設立され、2006年10月13日に16億5,000万ドルの株式交換でGoogleに買収されました。Googleは創業して2年弱、従業員数50人規模のYouTubeをこの金額で買収したのです。とんでもない買収額との報道もありましたが、今のYouTubeの躍進を思うと、この買収は大成功です。

情報を取りにいくという姿勢は、Netflixも同じです。DVDのレンタル会社であったNetflixが、ネットで番組を提供する会社にピボット(業態変更)しました。現在、Netflixの有料会員数は世界で約1億7,000万人となっています。現在、世界のITビッグカンパニーと称されるGAFAMN(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Netflix)のなかに入っています。

パラダイムシフトはすでにあちこちに起きている

情報は与えられる時代から、取りに行く時代にパラダイムシフトしているのです。ポストコロナではそんな変化をもっと感じることになると思っています。

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