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新型コロナウイルス肺炎対策は大型船の操舵に似ている  新見正則

東京アラートが昨日発令されました。

発令基準は以下の3つ。
1.1日あたりの新規感染者数が20人未満
2.新規感染者に占める感染経路不明の割合が50%未満
3.週単位の感染者増加比が1未満
また、どれか1つでも基準を上まわると東京アラートが発令できるそうです。

数ヵ月前に比べれば新型コロナウイルス肺炎のことがだいぶわかってきていますが、まだまだ不明なこともあります。ほぼわかっているといえるのは、次の3つ。
・発症の2日前から感染力が高まること
・感染後、14日はほかの人に感染させる可能性が高いこと
・多くは無症状か軽症

感染拡大にとって現状の対策が正しいのかどうかは、2~3週間後に判明します。
つまり、新型コロナウイルス肺炎の対策は、舵を切ってもすぐに曲がれない大型船に似ています。

感染してもきちんと医療を受けられるということ

そして、発令基準の3項目より社会にとって大切なことは、医療崩壊に到っているかどうかだと思います。医療崩壊に到るかどうかは国によって医療の状況が異なります。新型コロナウイルス肺炎では2割の人が入院となり、そのうちの数パーセントが集中治療を要するといわれています。ですから、その新型コロナウイルス肺炎対策にあてられる集中治療室の空き状況を毎日報告し、それに沿って対策を練る方が正しいと思えます。

大切なのは舵切りのタイミング

そして、対策の変更は長い目で、つまり数週間から数ヵ月単位で行う方がよいと思っています。だって、舵を切ってからすぐに曲がれない大型船です。頻回に舵を切ったのでは、どの操船操作が正しいのか判断ができません。そのあたりを国民が理解して、医療崩壊を起こさない範囲で、ぼつぼつと経済を維持しながら、丁度いい均衡点を見つけるしかないと思っています。

医療システムが国ごとに異なり、保険システムも国ごとに異なります。そして、生活環境も国ごとに異なる以上、他国の対処方法は参考になっても、そのまま真似して実践するには限界があります。日本は、医療崩壊を起こさない範囲で新型コロナウイルス肺炎と付き合っていくしかないのです。新型コロナウイルス肺炎に罹患しても、しっかり集中治療室で治療を受け、そして最悪の結果になっても家族はなんとか納得できます。しかし、医療システムが崩壊すれば、集中治療室に入ることなく命を落とす人が大多数になります。僕は、新型コロナウイルス肺炎に罹患しても集中治療室でしっかり治療して亡くなることは致し方ないと割り切って、経済対策を行うことを期待します。

みんなが納得できる目標を

新型コロナウイルス肺炎で亡くなる人をゼロにしようと思っていては何も解決になりません。インフルエンザでも約1,000万人が感染し、およそ1万人が死亡する年があるといわれています。インフルエンザで死亡することをゼロにしようとは国民は思っていません。それはインフルエンザに罹患した人、そして重症化した人は、しっかり集中治療室で治療が受けられているからでしょう。

新型コロナウイルス肺炎では死亡者をゼロにすることを目標とせずに、集中治療室に入れずに命を落とす人をゼロにすることを目標にすべきです。ですから、新型コロナウイルス肺炎のための集中治療室の空き状況を日々メディアで発信してほしいのです。集中治療室の空き状況が十分ならば、徐々に経済を活性化していけばいいと思います。

長く続けらる、本当の新しい生き方を探そう

くれぐれも早急に舵を切らないことです。そして何回も舵を切らないことです。大型船はこまめに舵をきっても即座に動けません。多くの国民が不自由だが、なんとか生きていける、その状況を数ヵ月または何年も続けられる新しい生き方を見つけないと、どこかで医療崩壊がおこるリスクは高いと思っています。そんな新しい生き方の向こうには多くの国民が感染して新型コロナウイルス肺炎が収束する集団免疫があるかもしれませんし、また人為的に集団免疫を作るワクチンの登場があるかももしれません。

ともかく不自由でも、長く続けられる新しい生き方を、ポストコロナの世界では見つける必要があります。それがパラダイムシフトになると思っています。

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