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ひとに迷惑をかけちゃ、いけないの?  新見正則

知らない人にも一声かけてみよう

僕は結構、子どもに好かれます。診察室でも、お母さんやお父さんと一緒にきた子どもには声を掛けます。エレベーターでも声を掛けます。敢えてやっているという意識はなく、自然と話しかけたくなるのです。

子どももなぜか僕が好きみたいです。あまり嫌われません。「大人にこんなに親しくするうちの子は初めて!」と言われることもよくあります。うちの娘には「パパにはトトロがいるから、それが子どもには見えるんだよ」なんて言われました。

うっかりすると危険です

子どもだけでなく、患者さんと一緒にきた人には声を掛けることにしています。しかし、結構要注意です。「奥さまですか?」と尋ねて、「離婚訴訟中で、これは今のパートナーです」と言われたこともあります。同じ質問で「娘です」と言われたこともあります。そんなことを経験すると、Yes または No のClosed Question は危険で、「どういったご関係ですか?」といったOpen Question が安全とわかりますね。  

気詰まりなエレベーターも、たったひとことで変わるよ

エレベーターでは自分のほかに数人乗っていたり家族がいるときは話しかけませんが、僕のほかにお一人か、一家族であれば、一声かけるようにしています。

楽器ケースを持っている人には、「それバイオリンですか?」。
ダレスバックを持っている紳士には、「僕もそんな革のバック好きなんです」。

思いつくままに話しかけています。そんなたった一言で、空気が変わります。そして別の機会でお世話になったり、偶然に出会ったりした時に会話がはずみますからね。

お掃除の方にも、マンション管理の人にも、ガソリンスタンドの人、駅員さん、タクシーの方にも一声かけますよ。最近はコロナウイルスショックでまったく飲食店には行かなくなりましたが、以前は、お店に行くと店員さんや板前さんに一声かけていました。

ちょっとしたつながりが楽しい

そうそう、スターバックスでは全国どこでも、「ソイ、スティームミルク、ヴェンティ、エキストラホット、少々キャラメルソースかけて下さい。」と言います。これはお茶の水のスターバックスで教えてもらった僕の大好きなオーダーの方法なのです。「豆乳だけのとっても熱い、一番大きなサイズで、キャラメルソースを最後に少々」という意味です。こんなオーダーする人は滅多にいないので、どこのスターバックスでも僕だと覚えてくれます。羽田空港でもね。面白いですよ。

好きなことができるのは、誰かのおかげ

僕は、外科医で、漢方医で、サイエンティストと名乗っています。確かに帝京大学医学部博士課程で3講座、つまり血管外科学、東洋医学、移植免疫学を指導教授として教えていました。そして、ビジネスの勉強をしたり、法律に興味を持ったり、トライアスロンに挑戦したりと、好きなことをやって生きています。これができるのもすべて同僚のお陰です。自分ですべてやろうと思うとたくさんの草鞋は履けません。人にお世話になるからこそ、自分に時間の余裕が生まれます。その根底にあるのは、コミュニケーションと信頼です。その第一歩がちょっとした声かけと思っています。

迷惑をかけられたり、迷惑をかけたりでもういいじゃん!

文藝春秋の企画で昨年末、塩野七生さんと対談をしました。その時に、僕たちは人に迷惑をかけながら生きているといいうテーマで盛り上がりました。迷惑をかけてもコミュニケーションが取れていれば許せますよね。塩野さんとのご縁は「タバコを吸ってもいいじゃん」といった僕の投稿を読んでくれたことがきっかけでした。そして天下の文藝春秋で対談を行うことになったのです。でも、実はタバコは嫌いなんですよ。(くわしくは、文藝春秋の2020年1月号をご覧下さいね)

そんな、ちょっとしたご縁でいろいろと楽しいことが連鎖する、そんな人生を僕は楽しんでいます。人に迷惑を掛けながらね!

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